相手が話しかけやすそうな表情でいる

📖 『「感じがいい人」になれる!クラスで好かれる50の魔法のルール』
ー 第2章:一緒にいて安心できる「思いやりの行動」の習慣 ー
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相手が話しかけやすそうな表情でいる
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「話しかけやすい人」と「話しかけにくい人」のちがいって?

朝、ランドセルを背負って教室のドアを開けたとき、あなたなら誰に一番に「おはよう!」と言いたいですか?

また、こんな場面を想像してみてください。

  • 国語の授業で「近くの人とペアになって話し合ってください」と言われたとき。
  • 休み時間に、新しく買ったカードゲームを誰かと一緒にやりたいなと思ったとき。
  • 図工の時間に、のりを忘れてしまって、隣のクラスの友達に借りたいとき。

こんなとき、私たちは無意識のうちに「あの人に話しかけよう!」と決めています。一方で、「なんだか今は、あの人には話しかけにくいな……」と、声をかけるのをためらってしまうこともありますよね。この「話しかけやすさ」のちがいは、いったいどこから生まれるのでしょうか。

頭が良いから? スポーツが得意だから? それとも、いつも面白い冗談を言っているから?

いいえ、答えはもっとシンプルです。その人がその瞬間に見せている「表情」です。

実は、話しかけやすい人というのは、特別な美人やイケメンというわけではありません。相手が「今、声をかけても大丈夫そうだな」と安心できるような、温かい空気を表情から出している人なのです。逆に、どんなに普段は優しい人でも、表情ひとつで「怒っているのかな?」「話しかけたら迷惑かな?」と周りを不安にさせてしまうことがあります。

今回は、友達が自然とあなたのまわりに集まってくるような、「話しかけやすい表情」のひみつを、脳科学と心理学の不思議なルールと一緒に解き明かしていきましょう!

脳科学でわかった!心が「安心」する表情のひみつ

なぜ私たちは、人の表情を見て「話しかけやすい」とか「怖そう」とかを感じるのでしょうか。これには、私たちの脳の中にある、とても賢い「安全パトロール隊」が関係しています。

人間の脳の奥深くには、「へんとう体(扁桃体)」という、アーモンドの粒くらいの小さな場所があります。このへんとう体は、あなたを危険から守るためのセンサーの役割をしています。大昔、人間がまだジャングルで暮らしていたころ、目の前に現れた動物が「敵」か「味方」かを見分けることは、生きのびるために一番大切なことでした。そのセンサーが、今でも私たちの脳の中で働いているのです。

あなたが誰かの顔を見たとき、脳のセンサーは一瞬で相手の表情を分析します。

  • 相手が無表情、または眉間にシワが寄っているとき:
    脳のセンサーは「あぶない! 怒っているかもしれないぞ。近づくな!」とアラームを鳴らします。これが、私たちが「なんだか話しかけにくいな」と感じる正体です。
  • 相手の口角が少し上がり、目が優しく開いているとき:
    脳のセンサーは「この人は安全だよ。仲間だよ。近づいても大丈夫!」と、青信号を出します。これが「話しかけやすい」と感じる瞬間です。

つまり、あなたが「話しかけやすそうな表情」でいるということは、周りの友達の脳のセンサーに「私はあなたの敵じゃないよ。安心して近づいてね」という安全信号を送り続けているのと同じことなのです。

さらに、心理学には「ミラーリング(鏡の法則)」という面白い決まりがあります。人間は、目の前にいる人の表情やしぐさを、まるで鏡のように真似してしまう心を持っています。あなたが優しそうな表情でいると、それを見た友達の心もふんわりとほぐれ、自然と笑顔になってしまうのです。表情は、言葉を使わずに相手を幸せにする、魔法の電波のようなものですね。

明日からできる!「話しかけやすさ100%」をつくる3つの魔法

「でも、ずっと笑顔でいるなんて疲れてしまうよ」と思った人もいるかもしれません。安心してください。ここで言う「話しかけやすい表情」とは、お笑い芸人さんのギャグを見て大笑いしているような、大きな笑顔のことではありません。顔の筋肉をほんの少し動かすだけで、誰でも簡単に作ることができる「安心のサイン」なのです。明日から学校でこっそり試せる、3つの魔法を紹介します。

魔法1:口角を「1ミリ」だけ上げる「ひみつのほほえみ」

授業中、先生の話を聞いているときや、一人で本を読んでいるとき、自分の顔がどんな表情になっているか知っていますか? 実は、人間は何もしないで「ぼーっ」としているとき、重力に引っ張られて、口の端(口角)が下がってしまいがちです。本人は怒っていないのに、周りからは「不機嫌そうな顔」に見えてしまう、とてももったいない状態です。

そこで、口の端をほんの1ミリだけ、上にキュッと持ち上げるイメージを持ってみてください。歯は見せなくてかまいません。唇を閉じたまま、口の横の筋肉をほんの少しだけ上に向けるのです。これだけで、あなたの顔は「穏やかで、いつでも話を聞く準備ができている顔」に変身します。これを「ひみつのほほえみ」と呼びましょう。授業中にノートをとるときや、廊下を歩くときに、この「ひみつのほほえみ」を意識してみてください。それだけで、周りの人があなたに話しかけるハードルが、ぐっと下がります。

魔法2:目が合ったら「ふんわり・まばたき」

教室や廊下で、誰かと「あ、目が合った」という瞬間がありますよね。そんなとき、あなたはどうしていますか? 恥ずかしくて、ぷいっと急に目をそらしてしまったり、逆に「なんだろう?」とじーっと見つめ返してしまったりしていませんか?

急に目をそらされると、相手は「嫌われているのかな?」と不安になります。また、じっと見つめられすぎると、「怒っているのかな?」と緊張してしまいます。

目が合った瞬間の大正解は、「ふんわりとまばたきをして、小さくコクンとうなずく」ことです。風船が膨らむように、目を少しだけ優しく見開いてから、トロンとまばたきをします。そして「気づいたよ」という合図のために、首をほんの少しだけ縦に振るのです。これだけで、「あなたに気づいて嬉しいよ」という気持ちが相手に伝わり、次に会ったときにとても話しかけやすくなります。

魔法3:おでことまゆげの力を抜く「お顔のストレッチ」

テストの前や、係の仕事で忙しいとき、私たちは知らず知らずのうちに顔全体に力が入ってしまいます。特におでこや、まゆげの間(眉間)にギューッと力が入ると、目が細くなり、とても怖い顔になってしまいます。

そんなときは、息をふーっと吐きながら、おでこを横に広げるようなイメージで、顔の力を抜いてみましょう。まゆげとまゆげの間を、できるだけ遠ざけるように意識するのもおすすめです。顔の力が抜けると、自然と目の奥が優しくなり、周りの人に「話しかけても大丈夫だよ」というリラックスした雰囲気が伝わるようになります。

学校生活のこんな場面で大活躍!

この3つの魔法は、学校生活のいろいろな場面であなたを助けてくれます。具体的に、どんな場面で使えばいいのか、イメージしてみましょう。

場面①:朝、教室のドアを開けた瞬間

朝一番の表情は、その日一日のあなたの印象を決めます。教室のドアを開ける前に、一瞬だけ立ち止まって、おでこの力を抜き、「ひみつのほほえみ(口角1ミリ)」を作ってみてください。そしてドアを開け、最初に目が合った友達に「ふんわり・まばたき」をしながら「おはよう!」と言ってみましょう。あなたの「話しかけやすいオーラ」に引き寄せられて、朝の準備をしている友達が「ねえねえ、昨日のテレビ見た?」と、自然に話しかけてくれるはずです。

場面②:給食の配膳や、係活動のとき

給食のおかずを配るときや、日直の仕事をしているとき、黙々と作業をしていると無表情になりがちです。お皿を渡すとき、ほんの一瞬だけ相手の目を見て、優しくまばたきをしながら「はい、どうぞ」と渡してみましょう。受け取る友達も、あなたの優しい表情につられて「ありがとう!」と笑顔になるはずです。係の仕事が、一気に楽しいコミュニケーションの時間に変わります。

場面③:友達が困ってキョロキョロしているとき

「次の授業、移動教室だっけ?」「プリント、どこに出すんだっけ?」と、困った様子で周りを見回している友達がいたら、大チャンスです。その友達の方を向き、おでこの力を抜いて、いつでも声をかけてねという表情でスタンバイしてみましょう。困っている友達は、教室の中で一番「話しかけやすそうな顔」をしているあなたを見つけ、ホッとした表情で「ねえねえ、教えて!」と駆け寄ってくるでしょう。助けてあげたことで、二人の仲はもっと深まります。

「話しかけやすい表情」は、友達への最高のプレゼント

「話しかけやすい表情でいること」は、実はあなた自身の心にも、素晴らしい効果をもたらします。

心理学には「表情フィードバック仮説」という、とても面白い研究があります。これは、「楽しいから笑顔になる」だけでなく、「笑顔を作るから、脳が『今、楽しいんだ!』と勘違いして、本当に楽しい気持ちになっていく」という仕組みです。つまり、口角を少し上げて、優しい表情を作っているだけで、あなたの脳の中には幸せな気持ちになる物質がどんどん分泌され、本当に心が穏やかでハッピーになっていくのです。

あなたの優しい表情は、周りの友達を「安心」というプレゼントで満たし、同時にあなた自身の心もポカポカと温めてくれます。言葉を使わなくてもできる、一番簡単で、一番効果のある「思いやりの行動」です。

明日の朝、教室に行くのがなんだか楽しみになってきませんか? ドアを開ける前の「口角1ミリ」。ぜひ、ワクワクしながら試してみてくださいね!

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