話の内容について質問をひとつ返す
学校で、友達とおしゃべりをしているときのことを思い出してみてください。「ねえねえ、聞いてよ!」と話しかけられて、「うんうん」とうなずいているだけになっていませんか?
「ちゃんと聞いてるよ!」と思うかもしれませんが、実は、うなずくだけだと、相手はちょっと物足りなく感じてしまうことがあるのです。話しているほうからすると、「本当にぼく(私)の話を聞いてくれたのかな?」「退屈だったのかな?」と心配になってしまうからですね。
そこで今日の魔法のテクニックです。相手の話が終わったあとに、「話の内容について、質問をひとつだけ返す」というワザをマスターしましょう!
これだけで、あなたの印象はガラリと変わります。「この人は、ぼくの話をすごく大切に聞いてくれた!」「またこのお友達とお話ししたいな!」と、相手の心にパッと明るい花が咲くのです。むずかしいことはありません。明日からすぐに使える「質問の魔法」を、いっしょに見ていきましょう。
なぜ「質問」をすると一瞬で好かれるの?
「どうして質問をすると、みんなと仲よくになれるの?」と気になりますよね。ここには、人間の心を研究する学術的な「心理学」のヒミツがかくされています。
心理学の世界では、人には誰でも「自己開示(じこかいじ)の返報性(へんほうせい)」という、ステキな心の仕組みがあると言われています。ちょっとむずかしい名前ですが、かんたんに言うと、「自分のことをわかろうとしてくれる人には、自分ももっとその人のことを好きになって、いろんなことをお話ししたくなる」という心理のことです。
たとえば、あなたがゲームの新しいステージをクリアしたとします。「やったー!」とうれしくて、お友達に話しかけました。
- ただ聞いている場合:
あなた「昨日、ついにステージ5をクリアしたんだ!」
お友達「へえ、すごいね。」(会話がそこでおしまい) - 質問をひとつ返す場合:
あなた「昨日、ついにステージ5をクリアしたんだ!」
お友達「すごい! ちなみに、一番むずかしかった敵ってどのキャラだった?」
あなた「それそれがさ……!」(会話がもっと盛り上がる!)
どうですか? 質問をされたほうが、「ぼくの好きなことに興味を持ってくれたんだ!」とうれしくなりますよね。心理学の実験でも、自分の話に「質問」をしてくれる人に対して、人は何倍も親しみや信頼を感じることがわかっています。質問は、相手の心を開くための「小さな合言葉」なのです。
学校生活で大活躍!「質問の魔法」を使ってみよう
では、具体的にどんなふうに質問を返したらいいのでしょうか? 小学校のクラスやグループでよくある場面をいくつかいっしょに見ていきましょう。明日からの学校生活が、もっとワクワクしてきますよ!
係の仕事や掃除の時間での会話
クラスの係活動や、給食当番、そうじの時間は、お友達と話すチャンスがたくさんあります。
場面:給食の配膳が終わって、自分の席にもどってきたとき
- お友達:「今日のスープ、あったかくておいしかったね!」
- ダメな聞き方:「そうだね。」(会話が終わってしまう)
- 魔法の聞き方:「そうだね! ちなみに、中に入っていたお芋とニンジン、どっちが好きだった?」
こんなふうに、「どちらが好き?」「どうやってやったの?」と心の中で一つだけハテナ(?)を思い浮かべてみましょう。相手は「えーとね、お芋のほうが甘くて好き!」と、さらに楽しくお話しを続けてくれます。
休み時間のグループトーク
机をくっつけてみんなでお絵かきをしたり、今日の放課後のあそびについて話したりするときにも、質問は大活躍します。
場面:次の休み時間に、校庭で何をしてあそぶか相談しているとき
- お友達:「ぼくは、今日はドッジボールがしたいな!」
- ダメな聞き方:「いいよ、ドッジボールね。」(自分の意見を言わないまま流される)
- 魔法の聞き方:「ドッジボールいいね! ちなみに、今日は外野と内野、どっちをやりたい気分?」
相手のやりたいことに対して「なぜ?」「どうやって?」「どちらが?」という質問をひとつ返すことで、会話のキャッチボールがポン、ポンと心地よくはずみます。キャッチボールが続けば続くほど、お互いの距離はどんどん縮まっていきます。
おうちのお手伝いでも試してみよう
学校だけではなく、おうちの中でもこの「質問の魔法」はつかえます。お父さんやお母さん、お兄ちゃんやお姉ちゃんと話すときにも試してみましょう。
場面:夕ごはんのあと、お母さんといっしょにお皿を片づけているとき
- お母さん:「今日のお買い物で、めずらしいトマトを見つけたんだよ。」
- 魔法の聞き方:「へえ、そうなんだ! そのトマトって、いつものトマトと何がちがうの?」
お母さんは「よく聞いてくれたね! このトマトね、フルーツみたいに甘いんだよ」と、嬉しそうに教えてくれるはずです。おうちの人とももっと仲よしになれますし、学校でクラスのお友達とお話しするときの練習にもぴったりです。
質問で迷ったときの「とっておきの呪文」
「相手が話してくれた内容について、どうしてもいい質問が思い浮かばない……」
そんなときは、焦らなくても大丈夫です。どんなお話にでも使える、とっておきの「万能の呪文」をプレゼントします。
その呪文とは、「それって、どういうこと?」または「もっと教えて!」です。
お友達が何かを話してくれたあと、笑顔でこう言ってみてください。
- 「昨日、すっごい面白いテレビを見たんだ!」
→「それって、どういうお話なの?」 - 「新しい文房具を買ってもらったんだ!」
→「もっと教えて! どんなデザインなの?」
この呪文のいいところは、相手が「自分の話にすごく興味を持ってくれているんだな」と心から安心できるところです。むずかしい質問を考えようとして頭を悩ませる必要はありません。ただ「もっと知りたいな」という素直な気持ちを言葉にするだけでいいのです。
相手の話をしっかり聞いて、最後に質問をひとつだけ返す。
たったこれだけのことで、あなたはクラスの人気者、そして「だれとでも仲よくなれる人」に一歩近づくことができます。
さあ、明日学校に行ったら、まずは隣のお友達に「おはよう! 昨日の宿題、どこが一番むずかしかった?」と、ひとつ質問を投げかけてみましょう。あなたのまわりに、きっとステキな笑顔の輪が広がっていきますよ。