相手の話が終わるまでスマホや本を置く
キミは、ともだちとたいせつなお話をしているときに、ついついマンガ本を読んだり、タブレットやスマホの画面をチラチラと見てしまったりしていませんか?
「うんうん、聞いてるよ!」と口では言いながら、目はちがうところを向いている……。もしかすると、そんなじぶんの姿に心当たりがあるかもしれません。
でも、ちょっとだけ思いだしてみてください。じぶんが何かを一生けんめい話しているときに、聞いてくれる相手がスマホをいじっていたり、本から目をはなしてくれなかったりしたら、どんなきもちがしますか?
「ぼくの話、聞いてないのかな……」
「なんだかつまらなそうだな……」
そうやって、ちょっぴりさみしいきもちや、悲しいきもちになりますよね。
人に好かれるためのたいせつな魔法。その2つ目は、「相手の話が終わるまで、スマホや本を置く」ということです。たったこれだけのことで、キミと話す相手のきもちは、パッと明るくあたたかくなります。きょうから学校でできる、とっておきの方法をいっしょに見ていきましょう!
なぜ、本やスマホを置くだけで「好かれる子」になれるの?
「ただ話を聞くだけなのに、どうして本やスマホを置く必要があるの?」ふしぎに思いますよね。ここで、心理学のお話を少しだけします。
心理学の世界には、「メラビアンの法則」や、人間がもっている「承認欲求(しょうにんよっきゅう)」というたいせつな心のはたらきがあります。人はだれでも、「自分のことをたいせつにしてほしい」「自分の話を受け止めてほしい」という強いねがいを持っています。
もし、キミが話しているときに、友だちが本をピタッと閉じて、キミの顔をまっすぐ見てくれたらどうでしょう?
- 「ぼく(私)のことを、すごくたいせつにしてくれている!」と感じる
- 「この人と話していると、安心できるな」と心がリラックスする
- 「またこの人といろんなお話をしたいな」というすてきなきもちがわいてくる
心理学では、これを「傾聴(けいちょう)」という、とってもすごい技術のスタートラインだと言います。ちゃんと目を見て、ほかのものを手からはなす。これだけで、「私はあなたの話に、ぜんぶの時間をプレゼントするよ」という無言のメッセージが、相手の心にまっすぐ届くのです。これが、人をひきつける「好かれる子」のひみつです。
学校生活でありがちな「あぶない瞬間」
では、具体的にどんなときに気をつけたらいいのでしょうか? 小学校の教室や放課後によくある場面をのぞいてみましょう。
ケース1:図書室や教室で本を読んでいるとき
大すきなシリーズの新しい本をかりて、教室の自分のすわりせきで夢中になって読んでいたとします。そこへ、クラスの友だちがやってきて、「ねえねえ、聞いてよ! きのうテレビでさ……」と話しかけてきました。
こんなとき、ついついやりがちなのが、「本を開いたまま、下を向いた声で『うん、なに?』と返事をする」という行動です。
本を読んでいる本人にとっては、「耳は開いているから聞こえているよ」というつもりかもしれませんが、話しかけた友だちからすると、「本の方がボクより大事なんだな」と感じてしまいます。これが毎日つづくと、「あの人は話しかけにくいな」と思われてしまう原因になってしまいます。
ケース2:タブレットやスマホゲームに夢中なとき
おうちでスマホのゲームをしていたり、学校のタブレットで調べものをしていたりするときも同じです。お母さんが「ごはんの時間だよ」と言ったり、きょうだいが「ねえ、これ見て!」と話しかけてきたりしたとき、画面から目をはなさずに「はーい」と返事をしたことはありませんか?
これも、相手の心には「私の話、聞いてくれてないな」というさみしさを残してしまいます。
明日からできる!「手をとめて、目を見る」3つのステップ
「でも、どうしても読んでいるページが気になっちゃう!」
「ゲームの区切りが悪いときはどうすればいいの?」
そんなキミのために、明日からすぐに使える「3つのステップ」をしょうかいします。このステップをマスターすれば、だれとでもすぐに仲よくなれますよ。
ステップ1:手の中のものを「机におく」または「しおりをはさむ」
友だちが話しかけてきたり、だれかと大切な話を始めたりしたときは、まず手に持っているものを手からはなします。本ならパタンととじる。タブレットなら、テーブルにおく。これだけで、「あなたのお話モード」にスイッチが切り替わります。
もし、どうしても本のキリが悪いときは、「いま、すごくいいところだから、10秒だけ待って!」と笑顔で言って、キリのいいところまで読んでから、パタンと本を置きましょう。この一言があるだけで、相手は「待っててくれるんだな」と安心します。
ステップ2:体ごと相手のほうを「むく」
ものを置いたら、次は体じゅうを相手のほうに向けます。足先や、おへそを、話しかけてくれた友だちのほうへクルッと向けましょう。
心理学では、体を相手に向けることを「開放のポーズ」と呼びます。「私はあなたに対して心をひらいていますよ」というサインを、体で表現するのです。これだけで、相手はすごく話しやすくなります。
ステップ3:相手の「目」または「顔のあたり」を見る
さいごは、目を見てきくことです。「ずっと見つめ続けるのは、ちょっとはずかしいな……」という人は、相手の「眉毛の間(まゆげのあいだ)」や「鼻のあたり」を見るのがおすすめです。
相手からすると、「ちゃんと自分のほうを見て、話を聞いてくれている!」と感じられるので、大満足の時間をすごすことができます。
小さな思いやりが、大きな「なかよし」をつくる
相手の話が終わるまでスマホや本を置くという行動は、じつはとてもカッコいい大人のような思いやりです。
自分の大すきなことをちょっとだけストップして、目の前の友だちや家族に「どうぞ、お話をきかせて」と自分の時間と心をプレゼントする。そんなやさしいキミの姿を、まわりの人たちはちゃんと見ています。
「この人と話すと、すごくじぶんがたいせつにされているきもちになるな」
「また明日も、あの人とお話ししたいな」
そう思われる人は、学校のクラスの中でも、自然とまわりに人が集まってくる人気の「好かれる子」になっていきます。
さあ、きょうの帰り道や、明日の学校ではどうでしょう?
だれかが話しかけてくれたとき、まずは手の中の本やスマホを「ポンッ」と置いてみませんか? その瞬間から、キミのまわりに、あたたかくてすてきな笑顔の輪がひろがっていくはずです!