借りたものは使ったらすぐにお礼を言って返す

📖 『クラスのみんなと仲良く過ごすための「敵をつくらない」10の魔法』
ー 第4章:貸し借りのルールで信頼をつくる ー
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借りたものは使ったらすぐにお礼を言って返す
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貸したものが返ってこない!そんなとき、キミはどう思う?

学校で授業を受けているとき、こんな経験はありませんか?

「あ!筆箱の中に、赤えんぴつが入っていない!」
「となりの席の〇〇ちゃん、ごめん!消しゴム忘れちゃったから、ちょっと貸して!」

困ったときに友達が「いいよ!」と言って貸してくれると、とっても助かりますし、ほっとしますよね。クラスの中でお互いに助け合えるのは、すごくステキなことです。

ですが、借りたあとのあなたの行動を、ちょっと思い出してみてください。

使い終わったあと、借りたものをとなりの机のすみに「ポイッ」と置いたままにしていませんか?
あるいは、使い終わっているのにチャイムが鳴るまで自分の机の上に置きっぱなしにして、そのまま休み時間に遊びに行ってしまったことはありませんか?

ではここで、「貸してくれた友達の気持ち」になって考えてみましょう。

「あれ?もう使い終わっているみたいだけど、返してくれないな……」
「もしかして、自分の筆箱に入れちゃうのかな?」
「大切にしていたえんぴつなのに、雑に扱われて悲しいな……」

貸してくれた友達の心の中には、こんな小さな「モヤモヤ」や「不安」が生まれています。本人は「いじわるをしてやろう」なんて思っていなくても、返さずに放置してしまうだけで、知らず知らずのうちに相手の心の中に小さな「敵(てき)」の種をまいてしまっているのです。

逆に、使い終わった瞬間に「はい!助かったよ、ありがとう!」と笑顔で返されたら、どうでしょう?
貸した人は「貸してよかったな!また困っていたら助けてあげよう!」と、とっても温かい気持ちになりますよね。

「借りたものは、使ったらすぐにお礼を言って返す」。
たったこれだけのことで、キミはクラスの中で「敵」をゼロにし、たくさんの「味方」を作ることができるのです!

「また貸してあげる!」の秘密〜ゲーム理論ってなにか知ってる?〜

「でも、どうして『すぐ返す』だけで、そんなに味方が増えるの?」と思うかもしれませんね。
実はこれ、大人の賢い学者さんたちが研究している「ゲーム理論(りろん)」という考え方で、バッチリ説明ができるのです!

「ゲーム理論」なんて聞くと、なんだかテレビゲームの攻略本みたいでワクワクしませんか?
この理論での「ゲーム」とは、テレビゲームのことではなく、「人と人とがお互いにどんな行動をとったら、一番ハッピーになれるか」を計算する、心の数学のようなものです。

学校生活は「くり返しゲーム」なんだ!

ゲーム理論では、人との付き合いを大きく分けて2つに分類します。

  • 1回きりのゲーム:人生でたった一度しか会わない人との付き合い
  • くり返しゲーム:明日も、明後日も、来週も、ずっと顔を合わせる人との付き合い

もしキミが、旅行先でたまたますれ違った「もう二度と会わない人」に何かを借りたとします(そんな機会は滅多にありませんが!)。もしその人に返さなかったとしても、その人と二度と会わないなら、キミは「借りた得」をするかもしれません。

でも、学校のクラスは絶対に「くり返しゲーム」です!
今日席がとなりの友達とは、明日も、明後日も、卒業するまで何百回も顔を合わせますよね。

「くり返しゲーム」の世界では、「自分だけ得をしようとしてズルをする人」は、絶対に最後は大損をするというルールがあります。

例えば、キミが消しゴムを借りて、返さなかったり、だまって自分のものにしたりしたとします。その場では「消しゴムが得できた」と思うかもしれません。でも、それを見た友達はこう思います。

「あの人は、物を借りても返してくれない。もう二度と何も貸してあげないぞ!」

こうして友達からの信頼(しんらい)はゼロになり、キミが次に赤えんぴつや定規を忘れて本当に困ったとき、誰も助けてくれなくなります。ズルをしたことで、未来の自分が大損をしてしまうのです。

「最初に親切にして、すぐ返す」が最強の作戦!

ゲーム理論の研究で、何千回もくり返すゲームで「一番勝ち続ける(=一番みんなと仲良くなれてハッピーになる)作戦」が証明されています。それは、こんな作戦です。

「まずは自分から協力して、相手が優しくしてくれたら、すぐに感謝を返すこと」

キミが何かを借りたとき、すぐに「ありがとう!」と笑顔で返すと、相手の心に「この人は約束を守る、信じられる人だ!」という気持ちが生まれます。
すると次の「くり返しゲーム」のとき、相手はもっとキミに親切にしてくれるようになります。お互いに親切にし合うことで、信頼がまるで銀行の貯金のようにどんどん増えていくのです!

敵をつくらない!借りたものを返す「3つの魔法のアクション」

「ゲーム理論のルールは分かった!じゃあ、具体的に明日からどうすればいいの?」
そんなキミのために、クラスで今日からすぐに使える「3つの魔法のアクション」を教えますね!

魔法1:借りるときに「いつ返すか」をセットで言う

物を借りるとき、「ちょっと貸して!」とだけ言うのは、実は50点です。
100点満点の信頼をつくる魔法使いは、借りるときに「いつ返すか」の時間を一緒に伝えます。

  • 「この時間(じかん)の授業が終わったら、すぐに返すね!」
  • 「算数のノートの丸つけが終わったら、すぐに返すね!」
  • 「今日の給食の時間までに、絶対に返すね!」

「いつ返ってくるか」が分かっていると、貸した友達は安心してキミに貸すことができます。「時間を守る人だ」という信頼が、借りる瞬間にすでに生まれるのです。

魔法2:返すときは「ありがとう」+「どこが助かったか」を伝える

使い終わって返すとき、無言で相手の机の上にポンと置くのは絶対にNGです!
返すときは、必ず言葉のプレゼントを添えましょう。

「ありがとう!」と言うだけでもステキですが、さらに信頼を爆発的にアップさせるコツは、「どこが助かったか(ひとこと感想)」をプラスすることです。

  • 「ありがとう!〇〇ちゃんの消しゴム、すごくよく消えてビックリしたよ!」
  • 「ありがとう!この赤えんぴつのおかげで、ノートの丸つけがバッチリ間に合ったよ!」
  • 「ありがとう!すごく書きやすいペンで助かっちゃった!」

ただ「ありがとう」と言われるよりも、「自分の貸した物がこんなに役に立ったんだ!」と思えるので、相手はとっても誇らしい気持ちになります。「またこの人に貸してあげたいな!」と心から思ってくれるようになりますよ。

魔法3:もし返すのを忘れちゃったら、隠さずに「自分から」謝る

人間だれしも、うっかり忘れてしまうことはあります。
「あ!となりの席の〇〇くんに借りたハサミ、自分の筆箱に入れたまま家に帰ってきちゃった!」
そんなとき、どうすればいいでしょうか?

「バレないように、明日の朝、黙って相手の机に入れておこうかな……」なんて隠そうとするのは、一番やってはいけないことです。隠そうとしている姿は、周りから見ると少しコソコソして見えて、不審がられてしまいます。

忘れてしまったときは、「朝、学校についたら一番に自分から言いに行く」のが正解です!

「〇〇くん、ごめんね!昨日借りたハサミ、うっかり家に持って帰っちゃったの。すぐに返さなくてごめんなさい!大事に使って持って帰ってきたよ、ありがとう!」

自分から素直に謝って感謝を伝えれば、相手は「わざとじゃなかったんだな」「ちゃんと自分から言いに来てくれて偉いな」と、逆にキミのことを信頼してくれるようになります。失敗したときこそ、信頼を深める大チャンスなのです!

学校や家で使える!具体例でマスターしよう

この「貸し借りの魔法」は、授業中の筆記用具だけではなく、学校のあらゆる場面や、お家の中でも使うことができます。具体例を見てみましょう!

学校の「係活動(かかりかつどう)」や「委員会」で

キミが「新聞係」や「イラスト係」をやっているとします。
クラスの友達から色ペンやポスターカラー、大きな定規などを借りることがありますよね。

係の仕事に夢中になると、ついつい借りたものを自分の机や係の棚に置きっぱなしにしてしまいがちです。
ですが、作業が終わったら「係の仕事が一区切りついたから、一回返すね!貸してくれて本当に助かったよ!」と言って、すぐに返しに行きましょう。
「係の仕事で忙しいのに、ちゃんとすぐに返しに来てくれた!」と、キミの評価はクラス中で大評判になります。

休み時間の「遊び道具」や「本」で

休み時間に、友達が持ってきたボードゲームや、学級文庫の面白い漫画本、ドッジボールのボールを借りて遊ぶこともあるでしょう。

チャイムが鳴ったら、「楽しかったー!」と走って自分の席に戻るのではなく、「貸してくれてありがとう!すごく面白かった!また一緒に遊ぼうね」と言って、貸してくれた友達(ボールなら元のボールかご)へすぐに戻します。
「片付けまでしっかりやって、すぐ返す人」には、次の休み時間も「一緒に遊ぼう!」と声がかかるようになります。

家の中での「お手伝い」や「きょうだい」の間で

この魔法は、お家の中でも効果バツグンです!
お兄ちゃんやお姉ちゃんのゲーム機、お母さんのハサミやセロハンテープなどを借りたとき、リビングの机の上に置きっぱなしにしていませんか?

「使い終わったから、お母さんの文房具引き出しに戻しておいたよ!ハサミ借りさせてくれてありがとう!」
と一言伝えるだけで、お母さんは「なんてしっかりした子なの!」と感動します。
家族の中でも「頼りになる信頼できる人」になれるので、キミが何かをお願いしたときに、家族みんなが気持ちよく話を聞いてくれるようになりますよ。

今日からキミも「信頼のマスター」!明日学校でやってみよう

ここまで読んでくれたキミは、もう「ゲーム理論」の秘密を知っている信頼のマスターです!

人と人との付き合いは、毎日の積み重ねでできています。
何かを借りたときに「使ったら、すぐにお礼を言って返す」。
この小さなルールを守るだけで、キミの周りからは「モヤモヤした敵」が完全に消え去り、「キミを助けたい!」という「温かい味方」でいっぱいになります。

さあ、明日学校に行ったら、まずは小さなお試しから始めてみませんか?

  • となりの席の友達に「赤ペン貸して!」と頼んでみる。
  • 使い終わったら、3秒以内に「ありがとう!助かったよ!」と笑顔で返す。

そのときの友達の嬉しそうな顔を、ぜひ観察してみてください。
「あ、本当に信頼の魔法がかかった!」と、ワクワクする瞬間が絶対に訪れますよ!

📖 『クラスのみんなと仲良く過ごすための「敵をつくらない」10の魔法』
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