意見が分かれたら「どっちも試そう」と提案する
休み時間の教室で、ドッジボールをするか、それとも外で鬼ごっこをするか。係の仕事で、掲示板を青にするか、それとも赤にするか。みんなで何かを決めるときに、意見が真っ二つに分かれてしまうこと、ありますよね。
「ぼくの意見がいい!」「いや、わたしの考えの方が絶対楽しいよ!」とゆずり合わないと、クラスの空気はピリピリしてしまいます。最悪の場合、どちらかの意見が通ったときに、負けた方が「もう知らない!」と怒ってしまい、そこから敵ができてしまうこともあります。
でも、安心してください。頭のいい人は、こんなとき「どっちかを選ぶ」という「0か100か」の考え方をしません。代わりに、魔法のような提案をして、みんなをニコニコさせてしまうのです。
「勝ち負け」を考えるから、敵ができる
実は、意見がぶつかってしまうのは、私たちが「ゼロサム・ゲーム」という考え方にとらわれているからです。これは、ゲーム理論という学問で使われる言葉で、「相手が勝てば、自分は負ける」という世界のことです。
たとえば、おやつが一つしかないとき、あなたが食べれば友達は食べられません。これは「どちらか一人が得をする」世界ですよね。でも、学校生活のほとんどのことは、実は「ゼロサム・ゲーム」ではありません。
「ドッジボールも鬼ごっこも、両方楽しむことはできないかな?」
こう考えるだけで、世界はガラッと変わります。相手を負かして自分の意見を通すのではなく、「みんなが納得できる新しい答え」を探すのです。これを「プラスサム(みんなで得をする)」の考え方といいます。
「どっちも試そう」が最強の武器になる理由
意見が分かれたとき、一番かっこいい提案は「どっちも試そう」です。なぜこれが魔法の言葉なのか、理由を3つ紹介しますね。
- 「選ばれなかった人」がいなくなる
どちらか一方の意見だけを採用すると、選ばれなかった人は「自分の意見は大切にされていないんだ」と感じてしまいます。でも、両方試すなら、みんなの意見が尊重されたことになります。 - 失敗しても「実験」になる
「どっちも試そう」と提案すれば、もしうまくいかなくても「今回はこの方法だったけど、次はこう変えてみよう」と、前向きな話し合いができます。 - 「敵」ではなく「協力者」になれる
「じゃあ、前半はドッジボール、後半は鬼ごっこにしない?」と提案すれば、相手はあなたのことを「自分の意見を大事にしてくれる人」として信頼するようになります。
具体例:掲示板の飾りが決まらないとき
たとえば、クラスの係で「掲示板をどんな飾りにするか」で意見が分かれたとします。Aさんは「お花をたくさん貼りたい」、Bさんは「動物のイラストを貼りたい」。
ここで「お花がいい!」「動物がいい!」と争うのは、とてももったいないですよね。そんなとき、あなたならどう言いますか?
「ねえ、お花と動物、どっちもいいアイデアだね!じゃあ、掲示板の左半分をお花畑にして、右半分を動物たちの森にしない? そうすれば、どっちの良さも活かせるよ!」
こう言われたら、AさんもBさんも「それならいいかも!」と納得してくれますよね。これは、行動経済学でいう「フレーミング効果」をうまく使った方法です。「どっちかを選ぶ」という枠組み(フレーム)を、「両方活かす」という大きな枠組みに書き換えてしまったのです。
「妥協」ではなく「工夫」を楽しもう
「どっちも試そう」と言うと、「そんなのわがままだよ」と思う人がいるかもしれません。でも、これはわがままではなく、「より良いものを作るための工夫」です。
もし、どうしても両方同時にできないことなら、時間を分けて試してみるのもいいでしょう。「今週はAさんの案でやってみて、来週はBさんの案でやってみよう。どっちがみんなにとって楽しいか、あとで振り返ろうよ」と提案するのです。
これなら、誰も傷つきません。むしろ、「実験」をすることで、クラスのみんなが「どうすればもっと楽しくなるか」を真剣に考えるようになります。これが、敵を作らずにクラスをまとめるリーダーのやり方です。
明日からできる「魔法のステップ」
明日、学校で意見が分かれたら、次のステップを思い出してください。
- ステップ1:相手の意見を否定せずに聞く
「それもいいね!」と、まずは相手の意見を認めてあげましょう。 - ステップ2:「両方」を取り入れる方法を探す
「どうすれば両方のいいところを混ぜられるかな?」と自分に問いかけます。 - ステップ3:実験として提案する
「まずは両方試してみるのはどう?」と明るく言ってみましょう。
この考え方を持つだけで、あなたの周りからは「敵」が消えていきます。あなたが「みんなの意見を大切にする人」だとわかれば、みんなはあなたを信頼し、何かあったときに必ず助けてくれるようになります。
さあ、明日の休み時間、意見がぶつかったらチャンスです。「どっちも試そう!」と笑顔で言ってみてください。その一言が、クラスをもっと仲良くする魔法の始まりですよ。