自分の損得よりも全体の楽しさを優先する
学校で遊んでいるとき、「自分だけが一番得をしたい!」とか「自分だけが勝たなきゃ気が済まない!」と強く思ったことはありませんか? ドッジボールのチーム決めや、休み時間のカードゲーム、係活動の準備など、自分の意見を通したくなるときってありますよね。
でも、不思議なことに、自分一人の得だけを追いかけていると、なぜか最後にはみんなと気まずくなってしまったり、遊びそのものがつまらなくなったりすることがあります。実はこれ、頭のいい人たちが使っている「ゲーム理論」という考え方を使うと、とってもシンプルに解決できるんです。
「自分だけ」が勝つと、ゲームは終わってしまう
たとえば、クラスのみんなで「宝探しゲーム」をすることになったと想像してください。あなたが一番早く宝物を見つけたいあまり、他のグループのヒントを隠したり、わざと間違った方向を教えたりしたらどうなるでしょう?
最初はあなたが勝つかもしれません。でも、次に同じゲームをするとき、みんなはあなたを仲間に入れてくれるでしょうか? おそらく、「あの子と遊ぶとズルいことをされるから嫌だな」と思われてしまいますよね。結果として、あなたは「遊ぶ相手」という、もっと大きな宝物を失ってしまうのです。
経済学の世界には「囚人のジレンマ」という有名な話があります。これは、「自分だけが得をしようと相手を裏切ると、結局は二人とも損をしてしまう」というルールです。逆に、「相手と協力して全体の利益を大きくしよう」と考えると、みんながハッピーになれるという不思議な法則です。
学校生活もこれと同じです。自分一人の「勝ち」や「得」にこだわるよりも、「みんなで楽しく遊ぶこと」を優先するほうが、結果的に自分も一番長く、一番楽しく遊べるようになるのです。
「全体の楽しさ」を優先する魔法の言葉
では、具体的にどうすれば「全体の楽しさ」を優先できるのでしょうか。明日から使える、とっておきの「頭脳の使い方」を3つ紹介します。
- 「どうすればもっとみんなが盛り上がるかな?」と声に出してみる
自分の意見を通そうとするのではなく、みんなに質問を投げかけてみてください。たとえば、係活動で意見が分かれたとき、「僕はこうしたい!」と言う前に「みんなが一番やりやすいのはどれかな?」と聞くのです。これだけで、周りのみんなは「この人は僕たちのことも考えてくれている!」と信頼してくれます。 - 「小さな損」をあえて受け入れてみる
たとえば、休み時間の場所取りで、一番いい場所を友達にゆずってみる。これって、一見すると「損」ですよね。でも、ゆずってもらった友達は「ありがとう!次は君にいい場所をゆずるよ」と思ってくれます。これを「お返し(返報性)」といいます。小さな損をすることで、大きな信頼という貯金ができるのです。 - 「みんなが勝つ」ルールを提案する
ゲームで遊ぶとき、「誰か一人が勝つ」ルールよりも、「みんなでクリアを目指す」ルールを考えてみてください。たとえば、ただの鬼ごっこではなく、「全員がタッチされる前に、いかに早く全員でゴールできるか」というルールに変えるだけで、敵がいなくなります。みんなが協力する仲間になるのです。
「敵」を作らない人は、一番の「得」をしている
「全体の楽しさを優先する」というのは、自分を犠牲にすることではありません。むしろ、「みんなを味方につけるための、一番賢い作戦」なのです。
クラスには、いろんな考えを持った友達がいます。自分と違う意見を持っている人を「敵」だと考えると、学校は戦いの場所になってしまいます。でも、みんなで楽しく過ごすための「協力者」だと考えると、学校は宝の山になります。
もし明日、休み時間に誰かと意見がぶつかったら、こう考えてみてください。「今、ここで自分が勝つことと、明日もこの子と笑って遊べること。どっちが自分にとって本当に得かな?」と。
きっと、答えはすぐに出るはずです。自分の得を少しだけ横に置いて、みんなの笑顔を優先する。そんな「頭のいい遊び方」ができるあなたには、自然とたくさんの友達が集まってくるはずです。誰かを打ち負かす必要なんてありません。みんなで楽しく過ごすことこそが、最強の「勝ち」なのですから。
さあ、明日の学校では、誰かの意見を一つだけ「いいね!」と受け入れてみてください。そこから、あなたの周りの景色が少しずつ、もっと明るく楽しいものに変わっていくのを実感できるはずですよ。