相手の話が終わるまで口を挟まない
休み時間の教室を想像してみてください。友達が「ねえ、昨日テレビでね……」と話し始めたとき、あなたはどうしていますか?
もしかして、「あ!それ知ってる!」「そのあとこうなったんでしょ?」と、相手の話が終わる前に自分の言葉をかぶせてしまっていませんか? もしそうなら、とってももったいないことをしています。実は、「相手の話を最後まで聞く」というだけで、あなたはクラスで一番「話しやすい人」になれるのです。
「かぶせ」は会話のブレーキになる
言葉のルールを研究する学問では、会話を「キャッチボール」に例えます。相手がボールを投げている途中で、あなたが自分のボールを投げつけたらどうなるでしょう? 二つのボールが空中でぶつかって、地面に落ちてしまいますよね。
会話も同じです。相手が一生懸命伝えようとしている言葉の途中で、あなたが「知ってる!」「それはね!」と口を挟むと、相手は「あ、この話は聞いてもらえないんだな」と感じて、それ以上話すのをやめてしまいます。これを繰り返すと、相手はあなたに話しかけるのを避けるようになってしまうのです。
相手の話を最後まで聞くことは、「あなたの話は大切だよ」というサインを相手に送る、一番かんたんで強力な魔法なのです。
「一秒のま」が魔法を生む
「でも、言いたいことがすぐ浮かんで、我慢できないんだよ!」という人もいるかもしれませんね。そんなときは、「一秒のま」を意識してみましょう。
相手の話が終わったあと、すぐに反応するのではなく、心の中で「いち」と数えてから話し始めるのです。たった一秒ですが、この時間はものすごいパワーを持っています。
- 相手は「最後まで聞いてもらえた」と安心する。
- あなたには「落ち着いて話を聞ける人」という知的なイメージがつく。
- 相手の言いたかったことを、もっと深く理解できる。
この「一秒」を待つだけで、クラスの友達は「この人には、もっと自分のことを話したいな」と思うようになります。これが、敵を作らず、みんなから好かれる人の秘密のルールなのです。
「相づち」で相手を気持ちよくさせる
「でも、ただ黙って聞いているだけだと、つまらない人だと思われない?」と心配になるかもしれませんね。そんなときは、言葉を挟む代わりに「相づち」を打ちましょう。
言葉をかぶせるのではなく、体全体で「聞いているよ」というサインを送るのです。
- 目を見る:相手の目や口元を見て、真剣に聞いていることを伝えます。
- うなずく:「うん、うん」と大きくうなずくだけで、相手はどんどん話しやすくなります。
- 表情を変える:楽しい話ならニコニコ、悲しい話なら少し真剣な顔。これだけで「共感」が伝わります。
社会言語学という難しい言葉の研究でも、「相手の話にタイミングよく相づちを打つことは、相手の言葉を最後まで引き出すための最高のサポート」だとされています。あなたの相づちという「応援」があれば、相手はもっと楽しくおしゃべりができるのです。
明日、学校でやってみてほしいこと
明日の学校で、ぜひ一つだけ試してみてください。係の仕事の打ち合わせでも、休み時間の雑談でも、友達が何かを話しているとき、「相手が話し終えて、一秒たってから」話し始めてみてください。
最初は少しむずかしいかもしれません。「あ、今かぶせそうになった!」と気づくだけでも大成功です。気づくことができれば、次は必ず待つことができます。
「最後まで聞いてくれてありがとう」。口には出さなくても、相手の表情が変わるのがきっと分かるはずです。その瞬間、あなたはまた一人、クラスに強力な味方を作ったことになります。
さあ、明日は「最後まで聞く名人」になって、教室をもっと楽しい場所にしてみませんか?