自分の意見を押し付けない

📖 『「感じがいい人」になれる!クラスで好かれる10の魔法のルール』
ー 第9章:集団の中で「譲る」心を持つ ー
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自分の意見を押し付けない
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第9章:自分の意見を押し付けない

みんなは、クラスの係や班の活動で、「絶対に自分のやり方が正しい!」と思って、友だちの意見をきかずに進めてしまったことはありませんか?

図工の時間や、グループ発表のポスター作りで、「こうやったほうが絶対にかわいいのに!」「なんでぼくの言う通りにしてくれないんだろう」と、いらいらしてしまうことって、たまにありますよね。

でも、ちょっと待ってください。その「自分の意見がいちばん正しい!」という気持ちのまま進んでしまうと、まわりの友だちはだんだん口を閉ざしてしまい、クラスの空気が重くなってしまうことがあります。

今回は、自分の意見を上手に手放して、みんなと楽しく協力できるようになるための「心の魔法」についてお話しします。行動経済学という、人間のちょっとしたクセを研究する学問をのぞきながら、クラスで一番「感じがいい人」になれるヒミツを探していきましょう。

「私の意見がいちばん!」と思ってしまう人間のクセ

まずは、みんなの頭の中でどんなことが起きているのかを知るために、ちょっと面白い科学のお話をしますね。

行動経済学という学問の中に、人間は自分の考えや予測が「絶対に正しい」と思い込んでしまうと、それとちがう意見や証拠を無視してしまうクセがある、という研究があります。難しい言葉では「確証バイアス(かくしょうばいあす)」なんて言ったりしますが、要するに「自分が信じたいものしか見えなくなっちゃう人間の仕組み」のことです。

例えば、ドッジボールの作戦を立てるときを思い出してください。

  • 「強いボールを投げる人中心に攻めるべきだ!」とあなたが強く思っているとします。
  • すると、「パスを回して全員でかく乱したほうがいいよ」という友だちの意見が、なんだかすごくダメな意見に思えてしまうのです。
  • 本当は友だちの意見のほうが相手チームの裏をかける素晴らしい作戦かもしれないのに、自分の考えにこだわりすぎて、その良さに気づけなくなってしまいます。

人間は誰でも、「自分の意見が通ると気持ちいい」という脳の仕組みを持っています。だからこそ、意識しないとすぐに「自分の意見の押し付け」になってしまうのです。ここに気づくことが、「感じがいい人」への第一歩なんですよ。

「譲る」ことは、負けることじゃない!

「でもさ、自分の意見を引っ込めたら、負けたみたいでくやしいよ」

そう思う人もいるかもしれません。でも、集団の中での「譲る」という行動は、決して負けではありません。むしろ、「みんなのチームを勝利に導くための、かっこいい作戦」なのです。

ここで、クラスの係活動を例に考えてみましょう。掲示係の4人で、教室のうしろにはるポスターのデザインを決めています。

Aさんの場合(自分の意見を押し付ける)

  • 「絶対にこの動物のイラストにするべき!かわいいから!」と自分の意見をゆずりません。
  • 他の子が「季節に合わせてお花の絵がいいな」と言っても、「それは地味だからダメ」と否定してしまいます。
  • 結果、みんなは何も言えなくなり、Aさんはポスターを1人で作るはめになり、へとへとになってしまいました。

Bさんの場合(譲る心を持つ)

  • 「ぼくは動物のイラストがいいと思ったんだけど、みんなはどうかな?」と、まず周りの意見をききます。
  • お花の絵がいいという意見が出たら、「それもいいね!じゃあ、お花畑の中に動物がかくれているデザインにするのはどう?」と、自分の意見と友だちの意見を合体させます。
  • 結果、みんなが楽しく協力できて、すてきなポスターが完成しました!

Bさんのように、相手の意見を受け入れながら自分の意見を少し譲ることを、行動経済学の言葉では「お互いが得をするための知恵(協調行動)」と呼びます。どちらか一方が我慢するのではなく、みんなで「これならいいね!」と納得できるゴールを探すことこそが、本当の意味で頭のいい、好かれる人のやり方なのです。

明日からできる!「意見を押し付けない」3つのステップ

では、明日から学校で、自分の意見を押し付けずに「感じがいい人」になるための具体的なステップを見ていきましょう。どれも、ノートの隅にメモしておきたくなるような簡単なコツです。

1. 自分の意見を言う前に「〇〇ちゃんはどう思う?」ときく

何かを決めるとき、自分の考えをいきなり大きな声で言わないようにしてみましょう。「私はこう思うんだけど、〇〇さんはどうかな?」と、まず隣の友だちにバトンを渡してあげるのです。これだけで、友だちは「自分の意見を大事にしてくれた!」と嬉しくなります。

2. 相手の意見の「いいところ」を1つ見つけて言葉にする

もし、自分とはまったくちがう意見が出てきても、「えー、それは変だよ」とすぐに否定するのはストップです。まずは「そのアイデア、面白いね!」「その色使い、すごくきれいだね」と、相手の意見のいいところを口に出して褒めてみましょう。相手も、あなたの意見を聞き入れやすくなります。

3. 「どっちかを選ぶ」ではなく「混ぜられないか」を考える

意見が分かれたとき、「Aにするか、Bにするか」でケンカしがちです。そんなときは「AとBの良いところを合体させたら、もっとすごくない?」と考えてみてください。給食のメニューや掃除の分担でも、みんなの意見をミックスすることで、思いがけない大成功が生まれたりします。

譲り合いが生み出す、クラスのあたたかい空気

自分の意見をちょっとだけ譲ることは、自分の自信がないからやるのではありません。「まわりのみんなを信頼しているからこそできる、大人でかっこいい行動」なのです。

クラスのなかで、いつも自分の意見ばかり通そうとする人と、周りの意見をよくきいて「それもいいね!」と笑顔で譲ってくれる人。どちらと一緒にいたいですか? もちろん、後者の「感じがいい人」ですよね。

あなたが自分の意見を少しだけ手放して、友だちの意見に耳を傾けたとき、クラスの空気はふっとあたたかくなります。みんなが笑顔になり、「この人といるとなんだか居心地がいいな」と思われる人になれるのです。

明日の学校、グループ活動や掃除の時間、休み時間の遊びの相談で、ぜひ試してみてください。「〇〇くんはどう思う?」その一言から、あなたのまわりにすてきな笑顔の輪が広がっていくはずですよ。

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