「ありがとう」とメモを添える
キミは、友達に消しゴムやノートを貸したとき、どんなふうに戻ってくるとうれしいですか?
「はい、どうぞ」とそのまま返されるよりも、もしも可愛いシールがはってあったり、「ありがとう!助かったよ」と言ってもらえたりしたら、なんだか胸がパッとあたたかくなりませんか?
学校生活では、友達と文房具を貸し借りしたり、図書室の本を家で読んだり、係の仕事をするときに道具を預かったりする機会がたくさんあります。「ものを丁寧に扱うこと」は、実はクラスのみんなから「感じがいい人だな」「信頼できる人だな」と思われるための、とても大切な魔法のルールなのです。
今回は、ただ借りたものを返すだけではなく、ほんの少しのひと手間で、周りの人を笑顔にしてしまう「とっておきの秘密」を教えちゃいます。明日からすぐに学校で試せることばかりですよ。
行動学が教える「人は小さな気配りが大好き」という心理
まずは、ちょっぴりカッコいいお話からスタートします。「行動学(こうどうがく)」という、人の行動や心の動きを研究する学問があります。この行動学の中に、「返報性の法則(へんぽうせいのほうそく)」という面白いルールがあります。
むずかしい言葉に聞こえるけれど、意味はとってもカンタン!
人は、誰かから親切にされたり、思いやりのあることをされたりすると、「自分も何かお返しをしたいな」という気持ちが自然と湧いてくる、という心の仕組みのことです。
- イヤなことをされたら、言い返したくなっちゃう。
- でも、優しくされたら、「自分も優しくしよう」と思える。
この人間の本能を、文房具の貸し借りでも使ってみましょう。ただ無言でモノを返すのではなく、相手が「うれしい!」と感じるプラスアルファの行動をすることで、友達との関係がぐっと良くなるのです。その最強のアイテムが、今回紹介する「小さなメモ」です。
友達にシャープペンシルを借りた日の放課後
ここで、クラスの女の子「ユウトくん」の失敗と大成功のエピソードを聞いてください。
ある日の国語の授業中、ユウトくんは大切なシャープペンシルの芯を切らしてしまい、真っ青になりました。「どうしよう……」。困っていると、となりの席のサクラさんが「これ、使っていいよ」と、自分のシャープペンシルをそっと貸してくれました。
授業が終わり、休み時間になりました。ユウトくんはサクラさんにシャープペンシルを返します。ここで、ユウトくんは二つのパターンのどちらかを選びました。
パターンA:無言で机に置く
ユウトくんは「はい」とだけ言って、サクラさんの机にシャープペンシルをポンと置きました。サクラさんは「うん」と言ったものの、なんだか少しそっけない気持ちになりました。
パターンB:ふせんを貼って返す
ユウトくんは、自分のノートの端っこに、可愛いペンでこんなメッセージを書きました。
『サクラさん、あのときは本当に助かりました!ありがとう!ユウトより』
そして、その小さな紙をシャープペンシルにクルッと巻いて、笑顔でサクラさんに手渡しました。
さあ、サクラさんはどちらのユウトくんに「また貸してあげたいな」と思うでしょうか?
もちろん、圧倒的にパターンBですよね!サクラさんはそのメモを自分の筆箱の大切なポケットにしまって、一日志を楽しく過ごすことができました。
今日からできる!「ありがとうメモ」の3つのコツ
「メモを添えるなんて、なんだか恥ずかしいな……」と思ったキミ。大丈夫!すごく短い文字でいいのです。相手が思わず笑顔になってしまう「ありがとうメモ」を書くための、とっておきのコツを3つ伝授します。
コツ1:文字は短く、一言でOK!
長い文章を書く必要はありません。ポストサイズ(ふせん)に、たった一言で十分です。
- 「たすかったよ!ありがとう」
- 「きれいにつかったよ。かしてくれて感謝!」
- 「おかげで宿題がんばれたよ」
これだけで、あなたの「ありがとう」の気持ちは100%相手に伝わります。
コツ2:借りたものへの「思いやり」もセットで見せる
メモを書くだけでなく、モノの扱い方にも気をつけましょう。
- 消しゴムのカスがついたら、きれいにはらってから返す。
- ノートや教科書は、ページが折れていないか確認する。
- 借りたときよりも、きれいな状態で返す。
行動学では、「モノを大切にする人は、人に対しても誠実である」と無意識に感じ取る傾向があると言われています。モノを丁寧に扱う姿そのものが、あなたの信頼度を爆上げしてくれるのです。
コツ3:家のお手伝いでも使ってみよう!
この「ありがとうメモ」の魔法は、学校の友達だけに使うのはもったいない!お家の中でも使ってみましょう。
お母さんに消しゴムや鉛筆、あるいはハサミなどの文房具を借りたとき。使い終わったあとに、ダイニングテーブルの上にお母さんへのメモを置いてみてください。
『ママ、ハサミかしてくれてありがとう!おかげで工作が上手にできたよ』
学校から帰ってきたとき、お母さんがいつもより美味しいおやつを用意して待っていてくれるかもしれません。家族もみんな、温かい言葉と丁寧な行動が大好きだからです。
物を丁寧に扱うことは、自分を大切にすること
「ありがとう」とメモを添えて、借りたものを丁寧に返す。たったこれだけのことで、クラスの空気は驚くほど優しく変わっていきます。
あなたが友達の持ち物を大切に扱い、感謝の気持ちを伝えるとき、友達は「自分を大切に扱ってもらえた」と感じます。それは結果的に、あなた自身のまわりに「いつも笑顔があふれる素敵な仲間」を引き寄せることにつながるのです。
明日、学校で友達に消しゴムや定規、ノートを借りる瞬間がやってきたら、ぜひ思い出してください。
「返しときに、小さなありがとうを添えてみよう」と。
その小さな一歩が、キミをクラスの人気者、そして「感じがいい人」へ近づけてくれる、最高の魔法のルールなのです。