聞き取りやすい声の大きさで話す
「おはよう!」と元気よくあいさつをしたのに、相手に気づいてもらえなかったこと、ありませんか? もしかすると、あなたの声が小さすぎて、相手の耳まで届いていなかったのかもしれません。せっかくのステキなあいさつも、相手に聞こえなければ、ないのと同じことになってしまいます。
でも、安心してください。声の大きさは、ちょっとしたコツで自由自在にコントロールできます。聞き取りやすい声で話せるようになると、クラスのみんなはあなたの言葉に耳をかたむけるようになり、自然と「この人と話すと楽しいな」と感じるようになります。これは、心理学の世界でも証明されている「好感度アップ」の近道なのです。
「ちょうどいい声」は、相手との距離で決まる
心理学では、相手との距離によって「心地よいと感じる声の大きさ」が変わると考えられています。これを「パーソナル・スペース」と呼ぶこともありますが、声についても同じことが言えるのです。
例えば、休み時間にとなりの席の友だちに話しかけるときと、教室の反対側にいる係のメンバーに声をかけるとき。同じ大きさの声で話してはいませんか?
- となりの席の友だちへ:耳元でささやくような、小さな声で十分です。
- 少しはなれた友だちへ:相手の机まで声が届くように、少しだけお腹に力を入れましょう。
- 教室の反対側へ:黒板の前にいる先生に話しかけるときくらい、ハッキリとした声で届けましょう。
まずは、「相手は今、自分からどれくらいはなれているかな?」と、一瞬だけ考えてみてください。この「相手を思いやるひと呼吸」こそが、好感度を高める魔法のスイッチです。
「聞き取りやすい」には理由がある
社会言語学という、言葉と社会のつながりを研究する学問では、「相手が聞き取りやすい声」には共通点があると言われています。それは、ただ大きい声を出せばいいというわけではない、ということです。
大きな声で叫ぶと、相手はびっくりしてしまいますよね。そうではなく、「相手の耳にすっと入ってくる声」を意識してみましょう。
- 語尾をハッキリさせる:「おはようございま…」と消えてしまわずに、「おはようございます!」と最後まで言い切るだけで、自信があるように見えます。
- 口を少しだけ大きく開ける:おにぎりを食べながら話すのとはちがって、口を縦に開くと声が通りやすくなります。
- 相手の目を見る:これがいちばん大切です。目と目が合うと、声は相手にまっすぐ届きやすくなります。
ためしに、明日の朝、クラスに入ったときにやってみてください。いつもより少しだけ口を大きく開けて、相手の目を見て「おはよう!」と言ってみるのです。きっと、相手も笑顔で「おはよう!」と返してくれるはずです。
「声の魔法」を練習してみよう
「でも、はずかしくて大きな声を出すのは苦手だな」と思う人もいるかもしれませんね。そんなときは、家でお手伝いをするときに練習してみるのがおすすめです。
お母さんやお父さんに「ただいま!」と言うとき、リビングの入り口からキッチンまで、声が届くように意識してみましょう。もし聞こえなかったら、「もう一回!」と明るく言い直してみてください。家で練習した「ちょうどいい声」は、学校でも自然と出せるようになります。
聞き取りやすい声で話すことは、相手に対する「あなたと仲よくなりたいです」という最高のサインです。声が届くと、相手の心も開きます。心理学では、これを「返報性の原理」といいます。こちらが心を開いて声を届ければ、相手もあなたに心を開いてくれるという法則です。
明日、学校に行ったら、まずはだれか一人に「おはよう」と声をかけてみてください。相手の目を見て、相手の耳まで声が届くように、ほんの少しだけ声をはずませるのがコツです。
あなたが放ったその「聞き取りやすい声」は、クラス中に広がって、やがてあなたを一番の人気者にする魔法の種になります。自信を持って、その声を響かせてみてくださいね。