負けても文句を言わない

📖 『もっと仲良くなれる!だれからも好かれる「神」コミュニケーション術』
ー 第8章:みんなで協力して遊ぼう ー
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負けても文句を言わない
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負けても文句を言わない

校庭でのドッジボール大会や、雨の日の教室でのすごろく、そしてグループでの係活動のゲームの時間。みんなは、勝負に負けたとき、どんな気持ちになりますか?

「あーあ、せっかく勝てそうだったのに!」

「今の、ぜったい反則だよ!」

「〇〇くんが足をひっぱったから負けたんだ……」

こんな風に、悔しさのあまり文句を言ったり、まわりのせいにしてしまったりしていませんか? 気持ちはとってもよく分かります。勝ちたい!という気持ちが強ければ強いほど、負けたときのショックや悔しさは大きいものです。

でもね、ちょっと周りを見渡してみてください。いつもゲームで負けても「楽しかったね!」「すごい作戦だったね!」と笑っている子は、クラスの人気者になっていませんか? 逆に、負けて文句ばかり言っている子は、次に遊ぶとき「またあのこと遊ぶと面倒だな……」と、誘われなくなってしまっていませんか?

実は、「負けたときの態度」には、まわりの人からのあなたへの印象を大きく変える、すごい秘密がかくされているのです。今日は、負けても文句を言わないことが、どうして最強のコミュニケーションになるのか、その秘密をいっしょに見ていきましょう!

なぜ、文句を言うとみんなは離れていっちゃうの?

ゲームで負けたときについ文句を言ってしまうのは、人間の脳の仕組みが大きく関係しています。行動経済学(こうどうけいざいがく)という、人間がどうしてそういう行動をするのかを研究する学問の中に、とても面白い実験があります。

人間は、「何かを得たときの喜び」よりも、「何かを失ったときのショック」の方を、なんと約2倍も強く感じるという性質があります。これを経済学の言葉で「損失回避(そんしつかいひ)バイアス」と呼びます。

むずかしい言葉に聞こえるけれど、かんたんに言うとこうです。テストで100点を取ったときの嬉しさよりも、テストでうっかり名前を書き忘れて点数が下がったときのショックの方が、心にズシンと重く残るということです。

ゲームでも同じです。「勝つという喜び」を失ったとき、脳はものすごいショックを受けます。そのショックから自分を守るために、ついつい「文句を言って、自分のせいじゃないことにする」という行動をとってしまうのです。

あなたの心を守る「言い訳」が、まわりを遠ざける

「負けたのは、風が強かったからだ」

「あいつのパスが変だったからだ」

こうやって文句を言うのは、あなたの脳が「負けたショック」からあなたを守ろうとしているサインです。だけど、まわりの友達はどう思うでしょうか?

「あ、この子は負けたら人のせいにするんだな」

「なんだか一緒に遊んでいて楽しくないな」

そう感じて、だんだんあなたと距離を置くようになってしまいます。行動経済学では、人間は「損をするリスク(この場合、嫌な気持ちになるリスク)を徹底的にさけようとする生き物である」と考えます。文句を言う人は、まわりの人にとって「一緒にいると嫌な気持ちになるリスク(損)」になってしまうのです。

明日からできる!「神・負け方」3つのステップ

「じゃあ、負けて悔しいときはどうすればいいの? 我慢しなきゃいけないの?」

いいえ、我慢する必要はありません。悔しいときは悔しがっていいのです。大切なのは、「悔しさをバネにして、相手や仲間をリスペクト(尊敬)する言葉にかえる」ということです。

ここで、明日から学校ですぐに使える「神・負け方」の3つのステップを紹介します!

  • ステップ1:まずは「楽しかった!」と口に出す

    ゲームが終わったら、結果がどうであれ、一番最初に「あー、楽しかった!」「いい勝負だったね!」と口に出してみましょう。不思議なことに、言葉にすることで、脳が「これは楽しい体験だったんだ」と勘違いし、悔しさがスッと軽くなります。
  • ステップ2:勝った相手を「ほめる」

    「今の作戦、すごかったね!」「よくあのボール取れたね!」と、勝った相手のすごいところを一つだけ見つけて伝えてみましょう。相手はとても嬉しい気持ちになりますし、あなたを見る目が「ライバル」から「かっこいい人」に変わります。
  • ステップ3:自分のプレイの「良かったところ」を見つける

    負けたとしても、チームメイトとうまくパスがつながった瞬間や、あきらめずに走った瞬間があったはずです。「負けちゃったけど、最後のあのプレイはカッコよかったよね!」と自分やチームをはげましましょう。

クラスのグループワークで実践してみよう!

例えば、図工の時間や総合の時間のグループ対抗ゲームで、あなたのグループがビリになってしまったとします。ここで、こんな風に言えたらどうでしょう?

「うわー、負けちゃった!でも、みんなであーでもないこーでもないって作戦を考えるの、めっちゃ楽しかったね! 次は絶対に勝つぞ!」

こんな風に言える人は、クラスの中で圧倒的に「かっこいい人」になります。みんな、「この人となら、また一緒にチームを組みたい!」と思いますよね。

「ゲーム理論」で考える、みんなが笑顔になる方法

行動経済学の中には、「ゲーム理論」という考え方もあります。これは、「まわりの人とどう関われば、自分にとっても相手にとっても一番トクになる(ハッピーになる)か」を考える方法です。

みんなで遊ぶとき、全員が「勝っても負けても、お互いを認め合って楽しく遊ぶ」というルール(空気感)を作れたらどうなるでしょうか?

  • 誰も嫌な気持ちになりません。
  • 「また明日もこのメンバーで遊びたいな」とワクワクします。
  • クラス全体の空気が明るくなり、学校に行くのがもっと楽しくなります。

つまり、あなたが「負けても文句を言わない」という選択をすることは、自分一人が我慢することではなく、「その場にいる全員のハッピーを増やす魔法の行動」なのです。

今日から君も「神・コミュニケーター」

ゲームは、勝つときもあれば負けるときもあります。もし毎回勝ってばかりだったら、実はゲームはあまり面白くありません。負けるかもしれないドキドキがあるからこそ、勝ったときの喜びは何倍にもふくらむし、負けたときの悔しさから新しい作戦を思いつくことができます。

負けることは、恥ずかしいことではありません。むしろ、負けたときにどんな態度をとるかで、あなたの本当のカッコよさが試されます。

次に学校でゲームをするとき、もし負けてしまっても、ぐっと文句を飲み込んで、こう言ってみてください。

「負けたぁ!くやしい!でも、いい勝負だったね。ありがとう!」

その一言を聞いたまわりの友達は、あなたのことを「なんて心が広くて、かっこいいんだ!」と見直すはずです。そして、次の遊びには、きっと一番最初にあなたを誘ってくれるでしょう。

さあ、明日の学校の休み時間、どんなゲームで遊ぼうか? 負けても笑顔で楽しめる準備をして、元気に教室へ行こう!

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