教室の掃除をみんなの分まで少しやる

📖 『クラスでいちばん好かれる子の秘密 〜今日からできる「愛されコミュニケーション」50のルール〜』
ー 第5章:もっと仲良くなるための「小さな習慣」 ー
\ 毎日がもっと楽しくなる、すべての小学生へ贈るヒント /
教室の掃除をみんなの分まで少しやる
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教室の掃除をみんなの分まで少しやる

そうじの時間が終わる直前、自分の担当(たんとう)の場所がきれいにふけたとき、あなたはどうしていますか?

「ふぅ、やっと終わった!」と思って、チャイムが鳴るのをじっと待っていたり、友達とおしゃべりを始めたりしていませんか? もちろん、自分の決まった仕事をしっかりやるだけでも、とっても立派(りっぱ)なことです。

でもね、クラスでみんなから「あの子と一緒だと楽しいな」「なんだか応援(おうえん)したくなるな」と思われている“愛されっ子”は、ここであともう一歩だけ、ちがう行動をとっています。

それが、「みんなの分のそうじを、ほんの少しだけ手伝う」ということなのです。

例えば、こんな場面を思い出してみてください。

  • 机(つくえ)を後ろに運ぶとき、となりの席の子の机もいっしょに引いてあげる。
  • 黒板(こくばん)消しの担当の子が大変そうだから、下の粉うけをサッとぞうきんでふいてあげる。
  • ゴミ捨て場(ば)に行く友達に「あ、その小さなゴミも一緒に入れて!」と拾って渡す。
  • 廊下(ろうか)をふき終わったら、まだ終わっていない教室のすみっこを「ここ、ふこうか?」と声をかける。

ほんの数秒、ほんの少しの手間ですよね。でも、この「ほんの少し」が、あなたの印象(いんしょう)をガラリと変える大きな魔法(まほう)になるのです。

どうして「人の分までやる」と好かれるの?

「でも、どうして自分の仕事じゃないのにやると、みんなから好きになってもらえるの?」と不思議に思うかもしれませんね。

実はこれには、昔から世界中の人間を研究してきた「文化人類学(ぶんかじんるいがく)」と、たくさんの数字を集めて答えを見つける「統計学(とうけいがく)」という、2つのすごい学問で証明(しょうめい)されている「科学的な理由」があるのです!

世界の歴史が教えてくれる「おくりもの」のヒミツ(文化人類学)

「文化人類学」とは、世界中の色々な国の人や、大昔から人間がどうやって仲間と仲良くくらしてきたかを調べる学問です。

この学問の研究によると、大昔の人たちは、お互いに獲物(えもの)をとったり木の実を集めたりして助け合って生きていました。その中で、とっても大切な人間関係のルールが生まれました。それが「人から何かをもらったら、自分もお返しをしたくなる」という心です。

昔の人は、余ったお肉や果物を「どうぞ」と仲間に分け与えました。すると、もらった人は「ありがとう!今度、自分が獲物をとったら、絶対にあの人に一番にあげよう!」と思ったのです。

そうじの時間も、まったく同じです!

あなたが自分の分だけでなく、友達のそうじをほんの少し手伝ってあげると、相手の心の中には「思いやりのプレゼント」が届きます。すると相手は、昔の人と同じように「あ、手伝ってくれた!うれしいな。今度、あの人が困っていたら、絶対に助けてあげよう」と、心の中で決めるのです。

こうして「お返ししたい心」がクラス中に広がっていくと、あなたはいつの間にか、全員から「一番助けてあげたい大切な仲間」と思われるようになります。

数とデータでわかった!「小さな親切」のすごい力(統計学)

もうひとつ、「統計学」という学問の力も借りてみましょう。統計学とは、何百人、何千人というたくさんの人のデータを集めて、「これをすると、どれくらいの確率で良いことが起きるか」を数字でたしかめる学問です。

世界中の有名な大学で行われた統計(データ集め)によると、驚(おどろ)くような結果が出ています。

  • 「見返りを求めずに人の手伝いをする人」は、クラスでの人気が平均(へいきん)して高くなる。
  • 1日に「小さな親切」を3回以上行った人は、自分自身の気持ちもワクワクして明るくなり、勉強やスポーツの成績(せいせき)まで上がりやすくなる。
  • 「手伝ってもらった人」だけでなく、その様子を遠くから見ていた周りの人までもが、手伝った人のことを「親切でステキな人だ」と評価する。

つまり、あなたがそうじを少し手伝うだけで、手伝ってもらった友達はもちろん、それを見ていた周りのクラスメイトや担任(たんんにん)の先生までもが、あなたのファンになってしまうのです! 統計学のデータから見ても、「みんなの分まで少しやる」というのは、ものすごく得(とく)をするトクベツな習慣(しゅうかん)だと言えますね。

明日からできる!「みんなの分まで少しやる」3つの作戦

「よし、明日からやってみよう!」と思ったあなたへ。いきなり全部をやる必要はありません。まずは、明日からすぐに使える3つの超(ちょう)かんたん作戦を紹介(しょうかい)します!

作戦1:「あと1分」だけ手を動かす作戦

自分の担当場所のそうじが終わったら、心の中で「いち、に、さん……」とカウントダウンをして、「あと1分だけ」そうじを続けてみましょう。

自分のぞうきんがきれいなら、まだ床(ゆか)をふいている友達のとなりに並んで、すっと廊下を1回ふくだけでOK。「あと1分」なら、全然つかれませんよね。でも、その1分が友達にとっては「救(すく)いの神様」に見えるのです。

作戦2:「いっしょにやろう!」の魔法(まほう)の言葉

手伝うときに「やってあげるよ!」と言うと、なんだか威張(いば)っているように聞こえてしまうことがあります。

愛されっ子が使う魔法の言葉は、「いっしょにやろう!」「これ、あっちに運んじゃうね!」です。

「手伝ってあげる」ではなく、「仲間としていっしょにやる」という気持ちで声をかけると、相手も素直(すなお)に「ありがとう!」と言いやすくなります。

作戦3:「ひそかなヒーロー」ゲームを楽しむ

あえて誰(だれ)にも気づかれないように、サッと片付けてしまうのも面白い作戦です。

  • そうじ用具入れのホウキが倒(たお)れていたら、だまって真っ直ぐに立てかけておく。
  • 黒板消しクリーナーの周りに飛び散った粉を、ティッシュでサッとふき取る。
  • ゴミ箱からあふれそうなゴミを、上からぎゅっと押(お)さえて入りやすくしておく。

誰からも「ありがとう」と言われなくても構いません。「ふふふ、今日もクラスの平和を守ってしまったぞ」と、心の中でひそかにヒーロー気分を味わってみてください。こういう「だまって良いことをする姿」は、神様…じゃなくて、クラスの誰かが必ずどこかで見ているものです。

学校や家で使える!「ちょい足し」親切のアイデア帳

この習慣は、そうじの時間以外でも大活躍(だいかつやく)します! 学校生活や家でのアイデアをいくつか集めてみました。できそうなものを探してみてくださいね。

【給食(きゅうしょく)の時間】

自分の給食を運んだあと、まだ配膳(はいぜん)台で重そうにお盆(ぼん)を持っている友達がいたら、「牛乳(ぎゅうにゅう)だけ持ってあげるね」と手助けする。牛乳パックをまとめるときに、となりの人の分も一緒にたたんであげる。

【係活動や日直】

日直の友達が黒板を消しているとき、消しカスが下に落ちていたら、ミニちりとりでサッと集めてあげる。プリント配りの係の子が忙(いそが)しそうなら、「うしろの列の分、配っておくね!」と束(たば)を受け取る。

【家でのお手伝い】

自分の食べたお皿を台所に下げるとき、お父さんやお母さん、兄弟のお皿も「ついでに持って行くよ」と運んであげる。自分の脱(ぬ)いだ靴(くつ)をそろえるときに、となりに並んでいる家族の靴も、かかとをトントンとそろえてあげる。

どうですか? どれも「10秒」もかからないことばかりですよね。この「10秒の親切」を積み重ねることが、愛されっ子への一番の近道なのです。

やる時のちゅうい点:「おせっかい」にならないためのルール

最後に、ひとつだけ気をつけてほしい大切なルールがあります。それは、「相手の仕事を横取り(よこどり)しない」ということです。

例えば、友達が一生懸命(いっしょうけんめい)に黒板を消していて、「自分で最後までやりきりたい!」と思っているときに、勝手に横から黒板消しをうばって消してしまうと、相手は「あーあ、自分がやりたかったのに…」と悲しい気持ちになってしまいます。

だから、手伝うときは次の「愛されマナー」を守りましょう。

  • 相手が困っているか、大変そうにしているかを見る(楽しそうに集中しているときは見守る)。
  • 「なにか手伝うことある?」と、一言聞いてからやる。
  • 手伝ったあとに「ドヤ顔(自慢気な顔)」をしない。「ついでだから全然気にしないで!」という笑顔でいる。

このマナーさえ守っていれば、あなたの親切が「おせっかい」になることは絶対にありません!

自分の担当が終わったあとの、ほんの少しの思いやり。明日、そうじの時間のチャイムが鳴ったら、まずは教室を見渡してみてください。困っている友達や、手出しできそうな場所が、きっと宝探し(たからさがし)のように見つかるはずです。

「あと1分だけ、みんなのために」。この小さな習慣をはじめた瞬間(しゅんかん)から、あなたの周りには笑顔と「ありがとう」があふれ出しますよ!

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