友達の良いところを「ほかの人」にコッソリ話すと、すごい魔法がかかる!
友達の素敵なところを見つけたとき、あなたならどうしますか?
「〇〇ちゃん、今日の服かわいいね!」「〇〇くん、サッカー上手だね!」と、本人に向かって直接伝えるのも、もちろんとても素晴らしいことです。言われた友達も、きっとニッコリうれしい気持ちになるでしょう。
でもね、クラスでみんなから「この人と一緒にいると居心地がいいな」と圧倒的に愛されている子は、もうひとつ上の「特別な魔法」を使っています。
その魔法とは、「友達の良いところを、あえて本人ではない『ほかの人』に話す」ということなんです。
「えっ? 本人に言わないで、ほかの人に話すの? それってコソコソ話みたいじゃない?」と不思議に思うかもしれませんね。いいえ、ちがいます。これは、いじわるなヒソヒソ話とは真逆の、人を世界一幸せにする「秘密の配達」なのです。
本人がいないところで、別の友達や先生、おうちの人に「〇〇ちゃんって、実はすごく優しいんだよ」「〇〇くんのあのアイデア、本当にすごかったんだよ」と話す。たったこれだけのことで、なぜかあなたの周りに友達がどんどん集まり、クラス全員から信頼されるようになっていきます。
今回は、なぜこの「本人以外に伝える」という行動が、あなたの魅力を何倍にも高めてくれるのか、その秘密を解き明かしていきましょう!
クラスの日常でよくある!こんな「かげほめ」の場面
具体的に、学校生活の中でどんな風にこの魔法を使えばいいのか、いくつかのアクションを見てみましょう。今日からすぐに真似できる場面ばかりですよ。
場面①:給食の配ぜんの時間
給食のとき、スープをこぼさないように、みんなの分をすごくてきぱきと分けてくれたAくんがいたとします。
もちろん、配ぜん台の前で「Aくん、ありがとう!」と伝えるのも素敵です。でも、席に戻ったあと、となりの席のBちゃんに、こう話しかけてみてください。
「ねえ、今日のAくんの給食の配ぜん、見ちゃった! すごく手際がよくてカッコよかったよね」
場面②:掃除の時間や係活動
掃除の時間、誰もやりたがらない冷たい水で雑巾をしぼって、黙々とほうかごの黒板をきれいに拭いていたCさん。
掃除が終わったあと、担任の先生に連絡帳を出しに行くついでに、サラッとこう言ってみます。
「先生、今日の掃除でCさんが黒板をピカピカにしてくれたんです。すごくきれいになりました!」
場面③:おうちでの会話
学校から帰ってきて、おうちの人に「今日学校どうだった?」と聞かれたときです。
「今日ね、ドッジボールでDくんがボールを譲ってくれたんだ。Dくんって、いつも周りをよく見てて優しいんだよ」
どうでしょうか? これを聞いた周りの人は、どんな気持ちになると思いますか?
Bちゃんも、先生も、あなたのおうちの人も、みんな「へえ! そんな良いところがあったんだ! 教えてくれてありがとう」「そんな友達の良いところに気づけるあなたも、すごく心があたたかい子だなあ」と、感動してしまうのです。
なんで「本人以外」に言うと仲良くなれるの?(学術的なひみつ)
実は、この「友達の良いところを本人以外に伝える」という行動がなぜこんなに効果的なのかは、大昔からの人間の歴史を調べる「文化人類学(ぶんかじんるいがく)」や、数字やデータを使って事実を解き明かす「統計学(とうけいがく)」という学問でも証明されている、すごすぎる事実なのです。
ちょっと難しい言葉が出てきましたが、分かりやすく噛み砕いて説明しますね!
1. 文化人類学のひみつ:「ウワサの力」は人類最高の武器だった!
むかしむかし、まだ人間がマンモスを追いかけていた大昔の時代、人間はグループ(仲間)を作って助け合わないと生きていけませんでした。
その時代から、人間には「ほかの人の評判(ウワサ)を気にする」という心が強く組み込まれていました。「あの人は仲間に優しくしてくれるか?」「あの人は信用できるか?」という情報を、みんなでおしゃべりしながら交換していたのです。
文化人類学の研究によると、人間は「本人から直接言われたこと」よりも、「ほかの人からまわりまわって聞いたこと」の方を、なんと何倍も強く信じ込んでしまうというクセを持っています。
たとえば、友達から直接「私って絵を描くのが上手なんだよ!」と言われると、「自分で言っちゃうんだ…」と少し思ってしまうことがありますよね。でも、別の友達から「〇〇ちゃんがね、『あなたの描く絵は色づかいが天才的だ』って大絶賛していたよ!」と聞かされたらどうでしょう?
「えっ! 本人がいないところで私をほめてくれてたの!? 本当に私のことを評価してくれてるんだ!」と、100%の純度で信じられますよね。直接言われるよりも照れくささがなくて、素直に心の奥までうれしさが届くのです。
2. 統計学のひみつ:「優しさのデータ」は広がりやすい!
たくさんのデータや数字を集めて分析する「統計学」の視点から見ても、面白いことが分かっています。
あなたが友達1人に直接「すごいね」とほめ言葉を渡すと、そのほめ言葉は「1通の手紙」としてその人だけに届いて終わります。これだけでも素晴らしいことですが、広がりは「1」です。
しかし、あなたが「〇〇ちゃんの良いところ」を別の誰かに話すと、統計的に見て、そのお話は「平均して3人以上の耳に届き、最終的に必ず本人の元へ帰っていく」というデータの流れ(口コミの波)が生まれることが知られています。
- あなたがBさんに「Aちゃんの優しさ」を話す。
- Bさんが「ねえねえ、Aちゃん! あなたのこと、あの人がすごくほめてたよ!」とAちゃんに伝える。
- Aちゃんは「私をほめてくれたこと」と「それを教えてくれたBちゃんの親切さ」の両方に感動する。
- Aちゃんは、あなたのことを「陰で私のことを応援してくれる、最高の親友だ」と深く信頼するようになる。
つまり、直接言うよりも、間接的に伝える方が、クラス全体に「良い空気」が広がる確率(統計的な確率)が格段に跳ね上がるのです。あなたは、たった一言ほかの人に話しただけなのに、クラス中にハッピーの種をまいたことになります。
今日からできる!「かげほめ」3つのステップ
「よし、明日からやってみよう!」と思ったあなたへ、失敗せずにクラスでいちばん愛される子になれる「かげほめ(陰でほめる)」の3ステップを伝授します!
ステップ1:小さな「すてき」を見つける(観察ルーペ)
まずは、友達の「当たり前」に見える行動の中に隠れた「すてき」を探してみましょう。大げさなことでなくて構いません。
- 消しゴムを落とした子に、サッと拾ってあげていた。
- 体育のあと、みんなの散らかったボールを1人でカゴに戻していた。
- 授業中、先生の話をすごくうなずきながら聞いていた。
- グループワークで、意見が出なくて困っているときに「〇〇ちゃんはどう思う?」と優しく声をかけていた。
ステップ2:ほかの友達や先生、家族に話してみる(しあわせの配達人)
見つけた「すてき」を、その場にいない誰かに伝えます。ポイントは、「独り言みたいに、サラッと言うこと」です。
「ねえねえ聞いて! 〇〇くんって、じつはすごく掃除が丁寧なんだよ」「私、〇〇ちゃんのあの優しい言い方がすごく好きなんだよね」と、自分が感動した気持ちを素直にそのまま話してみましょう。
ステップ3:「巡り巡って届く」のを楽しみに待つ(魔法のタイムカプセル)
話したあとは、「本人に届くかな?」と焦らなくて大丈夫。魔法のタイムカプセルのように、忘れかけたころに必ず本人に届きます。
もし本人に直接届かなくても、あなたの話を聞いた周りの人は「この子と一緒にいると、人の悪口じゃなくて、良いところばかり聞けるから楽しいな!」と感じて、あなたの周りには自然と笑顔があふれるようになります。
ここだけは注意!「かげほめ」を大成功させるルール
この魔法を使うときに、ひとつだけ気をつけてほしい「大切なルール」があります。これを破ってしまうと、魔法の効果が消えてしまうのでしっかり覚えておいてくださいね。
ウソや大げさすぎるお世辞(せじ)は言わない
心から思っていないのに、「とりあえずほめなきゃ」と思ってウソをつくのはNGです。人間は不思議なもので、ウソのほめ言葉には違和感を感じ取ってしまいます。
本当に「あ、いいな」「すごいな」と心が動いた瞬間だけを言葉にしましょう。小さくても本物の気持ちなら、相手の心にズドンと響きます。
最後に「でもね…」と付け足さない
せっかく良いところを話しているのに、最後に余計な一言を付け足してしまう人がいます。
「〇〇ちゃんって絵がすごく上手だよね! ……まあ、勉強は全然できないんだけどね」
これは絶対にダメです! 後半のマイナスの言葉のほうが強く残ってしまうので、ただの「悪口」になってしまいます。良いところを伝えるときは、良いところ「だけ」をピュアに話すのが、クラスで愛される子の鉄則です。
明日学校で使ってみよう!「魔法のひと言」フレーズ集
明日、学校に行ったらそのまま使えるおすすめのフレーズを用意しました。自分の言葉に変えて、使ってみてくださいね!
友達に言うとき
- 「〇〇くんって、いつも係の仕事をだまって最後までやってて、本当にかっこいいよね」
- 「〇〇ちゃんのあの笑い声を聞くと、こっちまで元気になっちゃうんだよね」
- 「今日の算数の時間、〇〇さんの説明がすごくわかりやすくて感動しちゃった」
先生に言うとき
- 「先生! 〇〇くんが重い図工の材料を運ぶのを手伝ってくれて、すごく助かりました!」
- 「〇〇さん、朝の読書の時間にすごく集中して読んでいてすごかったです」
おうちの人に言うとき
- 「今日ね、クラスの〇〇ちゃんが面白い冗談を言って、みんなを笑顔にしてくれたんだよ」
友達のいないところで、その子の「良いところ」を語るあなた。
それはまるで、見えないところで美しい花を咲かせる魔法使いのようです。あなたが咲かせたその花は、めぐりめぐって、クラス全体を明るく照らし、最終的には「あなた自身が、クラスでいちばん愛される存在」という最高のご褒美になって返ってきます。
さあ、明日は誰の「すてき」を見つけて、誰にコッソリ教えてあげますか? ワクワクしながら学校の門をくぐってみてくださいね!