「うん、うん」とうなずきながら聞く

📖 『クラスのみんなと仲良く過ごすための「敵をつくらない」10の魔法』
ー 第2章:聞き上手はみんなのヒーロー ー
\ 毎日がもっと楽しくなる、すべての小学生へ贈るヒント /
「うん、うん」とうなずきながら聞く
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「うん、うん」とうなずきながら聞く

友達とおしゃべりをしているとき、あいてがポカンとした顔で、ロボットみたいにカチコチに固まっていたら、あなたはどう思いますか?

「あれ? ぼくの話、おもしろくないのかな?」
「わたし、なにか変なことを言っちゃったかな……?」

そんなふうに、ちょっと不安になったり、悲しくなったりしますよね。そして、だんだんその人と話すのがイヤになってしまうかもしれません。じつは、学校で「あいつとは気が合わないな」「なんだかイライラするな」と敵(てき)を作ってしまう一番の原因は、話を聞いているときの「あなたの顔とからだの動き」にあるのです!

でも、安心してください。クラスの全員から「この人と話すとすごく楽しい!」「また話したいな!」と思われて、絶対に敵を作らなくなる超強力な魔法があります。それが、「うん、うん」とうなずきながら話を聞くことです。

「えっ、ただ首を上下に動かすだけ?」と思ったあなた。そう、たったそれだけです。でも、この小さく首をふる動きには、みんなが知らない「心のひみつ」がかくされているのです。

心理学がしょうめい! うなずくだけで「味方」になれる理由

心がどんなふうに動くかを研究する「心理学(しんりがく)」という学問では、うなずくことのすごさが、たくさんの実験で証明されています。

人間には、自分の話を聞いてくれている人に対して、無意識(むいしき)に「この人は自分の味方だ!」「自分のことを認めてくれている!」と感じる心の仕組みがあります。心理学ではこれを「承認(しょうにん)の欲求(よっきゅう)」が満たされた状態と言います。難しく聞こえるかもしれませんが、かんたんに言うと「自分のことが伝わって、心がほっと安心した状態」のことです。

あなたが「うん、うん」とうなずくだけで、あいての脳には次のようなサインがとどきます。

  • 「あなたの話をちゃんと聞いていますよ」(安心のサイン)
  • 「あなたの考え、すごくいいですね!」(さんせいのサイン)
  • 「わたしはあなたの敵ではありませんよ」(味方のサイン)

つまり、うなずきは「言葉を使わない、心のバリアを解除(かいじょ)する魔法の合図」なのです。うなずいてくれる人に対して、人間は絶対に「敵だ!」と思うことができません。だから、聞き上手な人はクラスのみんなから愛されるヒーローになれるのです!

マスターしよう! 場面でつかう「3つのうなずきテクニック」

うなずくと言っても、ずっと同じ速さで首をふっていればいいわけではありません。場面に合わせてうなずき方を変えられるようになると、あなたはプロの「聞き上手」になれます。明日から使える3つのレベルを覚えておきましょう!

レベル1:【ちょこっとうなずき】(リズムをあわせる)

友達が「昨日ね、新しいゲームを買ってもらったんだ」と言ったときに、首を1〜2回、ちょこんと小さくゆらします。

【使い方】
普段(ふだん)のおしゃべりや、友達がどんどん話を進めているときに使います。「うなずきながら話を聞いてるよ」というリズムをあわせるための、基本(きほん)のテクニックです。

レベル2:【大(だい)うなずき】(おどろきと、うれしさを伝える)

友達が「テストで100点とったんだ!」「サッカーの試合でゴールを決めたよ!」と言ったときに、首を「うん! うん!」と大きく、力強く動かします。

【使い方】
あいてが自慢(じまん)したいときや、うれしい報告(ほうこく)をしてくれたときに使います。目も少し大きく開けてうなずくと、「すごーい!」という気持ちが100倍伝わります。

レベル3:【じっくりうなずき】(優しさをとどける)

友達が「じつはね、大事にしていたケシゴムをなくしちゃったんだ……」と、落ち込んでいるとき。首を「う……ん、う……ん」と、ゆっくり深く動かします。

【使い方】
あいてが悲しいとき、困っているときに使います。「あなたの悲しい気持ち、よく分かるよ」という温かい気持ちが、言葉以上に伝わります。

明日学校でやってみよう! クラスの具体例(ぐたいれい)

さあ、この「うなずきの魔法」を学校のどこで使えばいいか、具体的なシーンを見ていきましょう!

シーン①:班(はん)の話し合い・学級会(がっきゅうかい)で

運動会のスローガンを決めたり、係(かかり)の仕事について班で話し合ったりするとき、みんなの前で発言(はつげん)するのって、ちょっと緊張(きんちょう)しますよね。「変なこと言ったらどうしよう」とみんな不安なのです。

そんなとき、友達が発言したら、まっさきに「うん、うん」とうなずいてあげましょう!

【効果】
発言した友達は「よかった! わたしの意見を聞いてくれた!」と救(すく)われた気持ちになります。あなたはその友達にとって「いつも味方になってくれる頼もしい存在」になり、グループの中での信頼(しんらい)が一気に高まります。

シーン②:休み時間のおしゃべりで

休み時間に、友達が好きなアニメやユーチューバーの話をしてきたとき。たとえあなたがそのアニメをあまり知らなくても、あいての顔を見て「うん、うん、へえー!」とうなずきます。

【効果】
人は、自分の大好きなものについて楽しそうに聞いてくれる人を、大好きになります。「この人と話すと、いつも気分がいいな!」と思わせることができたら、もう敵なんて一人もできません。

シーン③:家でのお手伝いや、家族との会話で

この魔法は学校だけじゃなく、家でも使えます! おうちの人が「今日のお皿洗いを手伝ってくれる?」と言ったとき、あるいは「今日もお仕事つかれたな」と言ったとき、おうちの人の目を見て「うん、うん」とうなずいてみましょう。

【効果】
「なんてしっかりした、優しい子なんだろう!」とおうちの人も大感激(だいかんげき)。家の中がパッと明るくなって、あなたのことをもっと応援(おうえん)してくれるようになります。

やってはいけない! 2つの「もったいない失敗」

うなずきは強力な魔法ですが、使い方を間違えると、ぎゃくに「てきとうに聞いてるな?」と思われてしまうことがあります。次の2つには気をつけましょう。

1. 首ふり人形みたいに「高速うなずき」をする

「うんうんうんうんうんうん!」と、ハトのように首をものすごいスピードで振り続けるのはNGです。「早く話を終わらせてほしいのかな?」とあいてをイライラさせてしまいます。うなずきは、「あいてのおしゃべりのスピード」にあわせるのがコツです。

2. 目を合わせないで「ながらうなずき」をする

教科書を見ながら、あるいはノートに落書きをしながら「うん、うん」とうなずいても、魔法はかかりません。心理学では、目線を合わせることを「アイコンタクト」と呼びますが、目線とセットになってはじめて、うなずきは魔法の力を発揮(はっき)します。あいての顔(特におでこや鼻のあたり)をしっかり見てうなずきましょう。

明日のミッション:うなずきの魔法を5回つかってみよう!

さあ、うなずきの秘密を知ったあなたは、もう昨日までのあなたとは違います。クラスの「聞き上手ヒーロー」への第一歩を踏み出しました!

明日、学校に行ったら、自分の中でこんな「うなずきクエスト」をやってみてください。

【明日のミッション】
朝、学校についてから帰るまでに、友達や先生の話に「5回」あわせ、「うん、うん」と心を込めてうなずくこと!

  • 朝の会で、先生が話しているとき。
  • 1時間目の授業で、となりの席の友達が意見を言ったとき。
  • 休み時間に、友達が最近ハマっていることについて話しかけてきたとき。
  • 給食の時間に、班の友達が「これ美味しいね」と言ったとき。
  • 掃除(そうじ)の時間に、係の仕事の相談をしているとき。

5回うなずくのを達成(たっせい)したとき、友達の表情を見てみてください。きっと、あなたに向かってニッコリと温かい笑顔を向けてくれているはずです。

うなずくことは、お金もかからず、準備(じゅんび)もいらない、世界でいちばん簡単な「友達づくりの魔法」です。明日、学校の門をくぐったら、さっそく「うん、うん」と笑顔で首をふってみてください。あなたのまわりに、温かい味方の輪がどんどん広がっていきますよ!

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