夜はしっかり寝て機嫌をよくする
学校で、なんだかイライラして友達に強い口調で言ってしまったり、宿題をやっていて小さなことでお母さんに怒ってしまったりした日ってありませんか?「本当はそんなこと言いたくなかったのにな……」と、あとからちょっぴり後悔することもありますよね。
そんなとき、「自分は性格が悪いのかな」なんて落ち込む必要はまったくありません! もしかしたらそのイライラや不機嫌は、あなたのせいではなく、「脳の疲れ」が原因かもしれないのです。
今回は、だれとでも仲良く、まわりの人を笑顔にするためにいちばん大切な、「しっかり寝て、自分の機嫌をよくする方法」についてお話しします。これを知れば、明日からの学校生活がもっと楽しく、ラクになりますよ。
脳科学でわかる!睡眠不足が「イライラ」を生む理由
「早く寝なさい!」と毎日お家の人に言われて、「めんどくさいな」「まだテレビを見たいのに」と思っていませんか? 実はこの睡眠、ただ体の疲れをとるだけではないんです。脳科学という科学の分野で、とても大切な秘密が分かっています。
脳の中にある「がまん係」がバテている
人間の頭の中、おでこのすこし裏あたりには、「前頭葉(ぜんとうよう)」という場所があります。ここは、いわば「脳の司令塔(しれいとう)」であり、「がまん係」です。
- 「今、これを言ったら友達が傷つくからやめておこう」
- 「順番をぬかしたいけれど、ぐっと我慢して並ぼう」
- 「めんどくさいけれど、係の仕事をさいごまでやりきろう」
こういう「正しい判断」や「感情をコントロールすること」をぜんぶ引き受けてくれているのが、この前頭葉の「がまん係」なのです。
しかし、夜遅くまでゲームをしたり、テレビを見たりして睡眠時間が足りなくなると、この「がまん係」は一気にパワー不足になってしまいます。エネルギーが切れたロボットのように、うまく働かなくなってしまうのです。
寝不足の脳は「怒りモード」になりやすい
「がまん係」が疲れて眠っていると、脳の別の場所にある「感情係(本能をつかさどる部分)」が暴走しはじめます。ほんの小さなこと、たとえば友達に「えー、それ違うよ」と言われただけで、「なんだよ!」とカッとなってしまうのは、このためです。
つまり、寝不足のときのあなたは、「怒りスイッチが入りやすい状態」になっているだけ。あなたの心が意地悪なのではなく、脳が「助けて!眠らせて!」とSOSを出しているサインなのです。
クラスの「人気者」のヒミツは、じつは「睡眠」にある
クラスを見渡してみると、いつもニコニコしていて、だれとでも仲良くできて、先生からも信頼されている「人気者」の子がいませんか? あの子たちがみんなに好かれるのは、もしかすると、夜にしっかり寝て「ご機嫌な自分」をキープできているからかもしれません。
脳科学的に見ても、機嫌のいい人には自然と人が集まります。なぜなら、人間の脳には「ミラーニューロン」という、まわりの人の感情を鏡のようにうつしとる性質があるからです。
- クラスの誰かがイライラして机をドンドンとたたいていると、まわりの人までなんだかイヤな気持ちになりますよね。
- 逆に、誰かが朝から「おはよう!」とニコニコ機嫌よくしていると、こっちまでうれしい気持ちになります。
つまり、あなたがしっかり寝て機嫌よくすごすことは、クラス全体の空気を明るくする最高のプレゼントになるのです!反対に、寝不足で不機嫌でいることは、まわりの友達の脳にもイヤな緊張感をうつしてしまいます。
今日からできる!「ぐっすり眠ってご機嫌になる」3つの作戦
「早く寝たほうがいいのは分かったけれど、夜になるとやりたいことがたくさんあって、つい遅くなっちゃうんだよなあ……」そんなあなたのために、今日からすぐに試せる、とっておきの作戦を3つ紹介します。
1. 寝る1時間前は、スマホやテレビ、ゲームの画面をオフにする
これが一番大切です!スマホやゲームの画面から出ている強い光(ブルーライト)を夜遅くに見ると、脳は「あ、いまはまだお昼だ!」とだまされてしまいます。すると、眠気をよぶホルモンが出なくなってしまい、ベッドに入っても目が冴えてしまうのです。
【おすすめのアクション】
寝る1時間前になったら、ゲームやタブレットをピッとしまって、お気に入りの本を読んだり、明日の時間割を準備したりする時間にしてみましょう。これだけで、脳が「もうすぐ寝る時間だな」とスッと休む準備を始められます。
2. 朝起きたらすぐに「太陽の光」をあびる
「夜しっかり寝る」ためには、じつは「朝の行動」がとっても重要です。朝、カーテンを開けて太陽の光をたっぷり浴びると、脳のなかで「夜になったら眠くなるスイッチ」の予約が完了します。
【おすすめのアクション】
学校に行く前、あるいは起きてすぐに、お部屋の窓をガーッと開けて、太陽の光を1分だけでいいので浴びてみましょう。「今日もいい天気だな」と感じるだけで、脳のスイッチがパキッと切り替わります。
3. 自分のための「おやすみルーティン」をつくる
毎日同じ時間にベッドに入るために、自分だけの「寝る前の合図(ルーティン)」をつくってみるのもおすすめです。
【おすすめのアクション】
「お風呂に入ってさっぱりする → 好きな音楽を少しだけ聴く → 明日のハンカチとティッシュをポケットに入れる → お布団に入る」というように、寝る前の決まった流れをつくります。これを続けると、体と脳が「この一連の動きが終わったら、眠る時間なんだな」と自然に理解できるようになります。
自分を大切にすることが、まわりの人を大切にすることにつながる
「だれからも好かれたい」「友達と仲良くしたい」と思うとき、私たちはつい、「もっと上手に話そう」「面白いことを言おう」と、おしゃべりのテクニックばかりを気にしがちです。
でも、本当に大切なのは、テクニックではありません。あなた自身が心も体も健康で、ゴキゲンでいることです。
疲れたときは無理をせず、「今日はもう遅いから寝よう!」と自分を休ませてあげること。それこそが、自分を大切にするということです。そして、自分を大切にできた人は、翌日学校で、自然とやさしい笑顔をまわりの友達にわけてあげることができます。
さあ、今夜はいつもより少しだけ早くお布団に入ってみませんか?
ぐっすり眠って、明日の朝は最高の「おはよう!」をクラスのみんなに届けに行きましょう。機嫌のいいあなたを、みんな待っています!