いろいろな人の話を聞いてみる

📖 『もっと仲良くなれる!だれからも好かれる「神」コミュニケーション術』
ー 第9章:ちがいを認め合おう ー
\ 毎日がもっと楽しくなる、すべての小学生へ贈るヒント /
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いろいろな人の話を聞いてみる

クラス替えがあって新しいグループになったとき、あるいは、いつもと違う係活動で初めて一緒になった人と組んだとき、「この人、なんだか自分とは考え方が違うな」と感じたことはありませんか?

例えば、あなたは「係の仕事は先にパパッと終わらせて、残りの時間は自分の好きなことをして過ごしたい」タイプだとします。それなのに、一緒になったお友達は「一つひとつの作業をじっくり時間をかけて、みんなで確認しながら進めたい」というタイプだったら……。

「どうしてサクサク進めてくれないんだろう」「ちょっと遅いなあ」と、もやもやしてしまうかもしれません。でも、ちょっと待ってください。ここで相手のことを「めんどくさいな」と決めつけてしまうのは、もったいないのです。

今回は、自分とは違う考え方や生き方をしているお友達の「お話」をしっかりと聞いて、世界をグッと広げるための秘密の作戦をお伝えします。この作戦を知ると、クラスのどの子とも楽しくお話しできるようになり、みんなから「なんだかこの人と話しているとホッとするな」と好かれるようになりますよ。

「文化人類学」から学ぶ、世界はひとつじゃない!というお話

「文化人類学(ぶんかじんるいがく)」という言葉を聞いたことはありますか? 少しむずかしい名前ですが、とってもワクワクする学問です。

世界中には、私たちが住んでいる日本とはまったく違う国や地域がたくさんありますよね。朝ごはんにお米ではなくスープを飲む国もあれば、お休みの日の過ごし方が全然違う国もあります。文化人類学は、そういう「世界中の人たちの暮らしや考え方のちがい」を研究する学問です。

この文化人類学のとても大切な考え方に、「どの人の考え方や生き方にも、それぞれその人なりの理由や素晴らしい意味がある」というものがあります。これを学問の言葉で「文化的相対主義(ぶんか的そうたいしゅぎ)」と呼ぶのですが、小学生のみんな風に言うなら、「自分の『当たり前』だけが、世界の『正解』とは限らない」ということです。

世界には、国だけでなく、学校の中、もっと言えば「自分のクラス」の中にも、たくさんの「小さな文化(ちがい)」があります。

  • ノートのまとめ方をカラフルにすることが一番大事だと思う人
  • ノートは黒いペン一本でシンプルにまとめるのが一番だという人
  • お掃除の時間は、おしゃべりせずに黙々と隅っこをきれいにするのが好きな人
  • みんなでおしゃべりしながら楽しくほうきを動かすのが好きな人

どれが正しくて、どれが間違っているということはありません。みんな違ってみんないいのです。文化人類学者のように「へえ、この人から見ると、世界はそんな風に見えているんだな!」と面白がる気持ちを持つだけで、人間関係のトラブルはスーッと消えていき、逆に新しい発見で毎日が楽しくなります。

自分と違うお友達の「本音」を引き出す3つのステップ

では、明日から学校で、自分とは違う考え方のお友達とどうやってお話しすればいいのでしょうか? 相手の「ちがい」を面白がり、もっと仲良くなれる3つのステップを紹介します。

ステップ1:「へえ、そうなんだ!」と一度ぜんぶ受け止める

お友達と意見が分かれたとき、一番やってはいけないのが「えー、それ変だよ」「普通はこうでしょ!」と否定してしまうことです。

否定された相手は、「あ、自分の意見を言っちゃいけないんだな」と心を閉ざしてしまいます。そうではなく、まずは相手の意見をそのまま受け止めましょう。

【学校での具体例】
図工の時間に、グループで使う段ボールの切り方について相談しています。あなたは「ハサミで一気に切ろうよ!」と言いました。でも、お友達は「カッターで線を引いてから丁寧に切ったほうが安全だよ」と言います。

ここで「え、カッターなんてめんどくさいよ!」と言う代わりに、こう言ってみてください。
「そっか、カッターで丁寧に切るほうが安全だと思うんだね。へえ、その発想はなかったな!」

これだけで、相手は「自分の意見を聞いてもらえた!」と安心します。安心すると、あなたに対する好感度がグッと上がります。

ステップ2:「どうしてそう思うの?」とワクワクしながら質問する

相手の意見を受け止めたら、次は「どうしてそのやり方が好きなんだろう?」と、探検家のような気持ちで質問してみましょう。

ここで大切なのは、「なんでそんなことするの?」と怒っているように聞くのではなく、「それを知りたいな!」というワクワクした目で聞くことです。

【家のお手伝いでの具体例】
お母さんやきょうだいと、リビングのお片付けをしているときを想像してください。あなたは「本はぜんぶ本棚の上の段にまとめよう」と言いました。でも、妹や弟は「表紙の絵が好きだから、表紙が見えるように並べたい!」と言います。

そんなときは、
「表紙が見えたほうがカッコいいもんね! どうしてその絵を一番前に置きたいの?」と聞いてみましょう。

「だって、この恐竜の絵を見ると元気が出るから、いつも目に入るところに置きたいんだよ」と教えてくれるかもしれません。「なるほど、そんな理由があったんだ!」と、相手の心の中の素敵な理由に出会うことができます。

ステップ3:「私のやり方はね……」と自分の意見も押し付けずに伝える

相手の話をしっかり聞いたあとは、あなたの考えも優しく伝えましょう。

ここでも、「だから私の言う通りにして!」ではなく、「私はこういう風に考えることが多いんだよね。これも一つの作戦としてどうかな?」というスタンスで話すのがポイントです。

文化人類学では、お互いの文化を行ったり来たりして、お互いの良いところを学び合うことを大切にします。それと同じで、「あなたのやり方も素敵だし、私のやり方も面白いね。じゃあ今回はこうしてみる?」と、二人の考えをミックスした「新しい作戦」を考えてみるのです。

【クラスの係活動での具体例】
黒板のまわりの掲示物(係のポスター)を作るとき。派手に飾り付けたい派のあなたと、スッキリ見やすくしたいお友達がいます。

お互いの話を聞き合ったあとで、こう言ってみましょう。
「そっか、スッキリ見やすいと文字が読みやすくていいよね! 私はパッと見て楽しい気分になる派なんだけど、じゃあ『真ん中はスッキリ文字を書いて、周りに楽しい飾りを少しだけつける』っていうのはどうかな?」

こうやってお互いの意見を話し合いながら作ったものは、一人だけで作ったものよりも何倍も素晴らしいものになります。そして何より、そのお友達との絆がぐっと深まります。

今日からできる「ちがいを楽しむ」ミッション

人に好かれる人というのは、決して「みんなと同じ意見に合わせてばかりいる人」ではありません。

むしろ、「自分とは違う意見や考え方を持っているお友達に出会ったとき、目をキラキラさせて『それってどういうこと?』と面白がれる人」こそが、周りから愛され、信頼されるのです。

文化人類学のメガネをかけて世界を見ると、学校は「ちがい」であふれるワクワクするテーマパークのように見えてきます。自分とは違う考え方に出会うたびに、「うわ、新しい世界をまた一つ知っちゃった!」と心の中でガッツポーズをしてみてください。

明日、学校でクラスのお友達とお話しするとき、いつもより少しだけ「この人はどんな風に考えているんだろう?」と気にしながら、耳を傾けてみましょう。

「へえ、そんな風に考えるんだね、教えてくれてありがとう!」

その一言が言えたとき、あなたはもう、周りのみんなから「この人となら、もっとお話ししたいな」「もっと仲良くなりたいな」と思われる、ステキなコミュニケーションの達人になっていますよ。

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