相手の言葉をそのまま繰り返して返す
クラスでいつも楽しそうに話している人、周りに人が集まってくる人には、ある「ひみつのルール」があります。それは、相手が言った言葉を、そのままオウム返しのように繰り返すことです。
「えっ、そんなことしたら、バカにしているみたいにならない?」と心配する人もいるかもしれません。でも、だいじょうぶ。やり方さえ覚えれば、相手は「この人は自分の話をしっかり聞いてくれている!」「もっと話したい!」と、あなたに夢中になるはずです。
「オウム返し」は、魔法のあいず
言葉の専門家たちは、相手の言葉を繰り返すことを「バックトラッキング」と呼ぶことがあります。これは、相手が投げたボールを、もう一度相手に優しく投げ返すようなものです。
例えば、友達がこんなふうに言ってきたとします。
- 友達:「昨日、すっごくおいしいケーキを食べたんだ!」
- あなた:「へえ、すっごくおいしいケーキを食べたんだね!」
ただ繰り返しただけなのに、友達は「そうなんだよ!聞いてよ、実はね……」と、もっと詳しく話したくなるはずです。これは、あなたの心の中に「あなたの話をちゃんと受け取ったよ」というサインが伝わったからです。
なぜ、繰り返すだけで好かれるの?
ことばの研究によると、人間は「自分のことをわかってくれる人」を無意識のうちに味方だと感じます。これを「共感(きょうかん)」といいます。相手と同じ言葉を使うことで、心と心の距離がぐっと縮まるのです。
もし、友達が「昨日、テストで失敗しちゃって悲しいんだ」と言ったとき、「それは大変だったね」とだけ返すよりも、「テストで失敗しちゃって悲しいんだね」と繰り返すほうが、相手は「この人は自分の気持ちをそのまま受け止めてくれた」と強く感じます。
相手の言葉を繰り返すことは、相手の心に「あなたの味方だよ」というメッセージを届ける、一番かんたんで強力な魔法なのです。
明日からできる!「魔法のオウム返し」3つのステップ
では、具体的にどうやって使えばいいのか、学校生活の場面で見ていきましょう。
- ステップ1:相手の言葉の「大事な部分」をそのまま使う
相手が言った言葉を全部マネする必要はありません。相手が一番言いたそうな言葉を、そのまま借りてみましょう。
例:「今日、図工の時間に絵の具をこぼしちゃってさ」
→「絵の具をこぼしちゃったんだね!」 - ステップ2:表情とセットにする
ただロボットのように繰り返すだけではダメです。相手が悲しそうなら悲しい顔で、楽しそうならニコニコしながら繰り返します。相手の表情を鏡のようにマネするイメージです。 - ステップ3:最後に一言だけプラスする
繰り返したあとに、自分の感想を少しだけ付け加えると、もっと会話がはずみます。
例:「今日、ドッジボールで勝ててうれしかったんだ!」
→「勝ててうれしかったんだね!すごいじゃん、どのくらい勝ったの?」
係の仕事や家のお手伝いでも大活躍
この魔法は、友達関係だけではありません。クラスの係活動や、家でのお手伝いでも使えます。
例えば、給食係で友達が「お皿、重いから気をつけてね」と言ったら、「お皿、重いんだね。わかった、気をつけるね!」と返してみてください。それだけで、友達は「この人とは協力しやすいな」と、あなたを頼もしいパートナーだと思うようになります。
お家でお母さんに「今日、部屋の掃除が大変だったわ」と言われたら、「部屋の掃除が大変だったんだね。いつもありがとう」と返してみましょう。お母さんもきっと、あなたの言葉にほっとするはずです。
「聞き上手」は、誰でもなれる
「話し上手」になるのは難しいけれど、「聞き上手」になるのは、この魔法を使えば今日からすぐにできます。相手の言葉を繰り返すことは、相手にとって「あなたは私にとって大切な人です」という最高のプレゼントになります。
明日、学校に行ったら、誰かの言葉の「最後の一言」を繰り返してみてください。相手の目の輝きが変わるのを、きっとあなたも感じられるはずです。
さあ、魔法の準備はできましたか?明日の休み時間が、あなたにとって新しい友達との出会いの場になりますように。