約束の時間は5分前に守る
「〇〇くん、待ち合わせの時間の5分前だよ。すごいね!」
公園のベンチで友達を待っているとき、待ち合わせ時間よりも少し早くやってきた友達に、そう言われたことはありませんか? あるいは、自分が友達を待たせてしまって、あわてて走ってきたときのドキドキを思い出してみてください。
「ごめん!お待たせ!」と謝りながら、心の中で「あーあ、またやっちゃったな」とちょっぴり落ち込むこと、ありますよね。時計の針は待ってくれないし、時間はどんどん過ぎていきます。
でも、安心してください。今日からできる「ある小さなコツ」を知るだけで、あなたはクラスのみんなから「信頼できる!」「一緒にいると安心する!」と大人気になれるのです。その秘密は、時計の針を見るタイミングを変えることだけにあります。
なぜ「ちょうど」じゃダメなの?時間のヒミツ
学校でこんなふうに先生に言われたことはありませんか?
- 「チャイムが鳴る前に席につきましょう」
- 「係の仕事の時間は守りましょう」
約束の時間に「ちょうど」行くのは、一見すると「ちゃんと守っているからいいじゃない!」と思えますよね。9時の約束なら、9時ぴったりに着けば遅刻ではありません。
しかし、「感じがいい人」や「クラスで好かれる人」は、ぴったりではなく「5分前」に行きます。なぜなら、人間の心には「待たされると、少し悲しくなったり、イライラしたりする」という不思議な仕組みがあるからです。
もしあなたが友達を10分待たされたとします。待っている間、どんな気持ちになりますか?
- 「もしかして、来るの忘れられているのかな…」
- 「私との約束って、そんなに大切じゃないのかな…」
- 「寒い中、なんでずっと立っているんだろう…」
こんな風に、時間が過ぎれば過ぎるほど、悲しい気持ちや不安な気持ちが大きくなってしまいます。つまり、時間を守るということは、ただ時計の数字を合わせることではなく、「友達の不安な時間を減らすこと」なのです。
頭のいい人たちが使っている「ゲーム理論」の魔法
ここで、少しだけ大人も使っているすごいお話をしますね。それは「ゲーム理論(りろん)」というお勉強です。
なんだか難しそうな名前ですが、かんたんに言うと「みんながどうやって行動したら、お互いにとって一番ハッピーになれるかを考えるルール」のことです。
ゲーム理論の中に、人間は「相手が自分を大切にしてくれたら、自分も相手を大切にしたくなる」という法則があります。これを心理学や社会のルールでは「信頼のキャッチボール」と呼びます。
例えば、あなたが友達との約束に「5分前」に行くとします。相手はこう思います。
「わあ、僕との約束のために、わざわざ早めに来てくれたんだ! 嬉しいな!」
そうすると、相手の心の中に「僕も、〇〇くんとの約束を絶対に大切にしよう!」という気持ちが生まれます。これがゲーム理論の魔法です。あなたが先に「優しさのパス」を出すことで、相手からも「優しさのパス」が何倍にもなって返ってくるのです。
逆に、あなたがいつも時間に遅れたり、ちょうどギリギリに走ってきたりすると、相手は「僕との約束は、そんなに大切じゃないんだな」と感じてしまいます。すると、相手もだんだんあなたとの約束を守らなくなったり、遊びに誘ってくれなくなったりしてしまうのです。
時間を守ることは、ただ怒られないためだけではありません。「私はあなたのことを大切に思っていますよ」というサインを、行動であらわす最高の方法なのです。
明日からできる!「5分前行動」の3つのステップ
「でも、どうやったら5分前に行動できるようになるの? ついついテレビを見すぎちゃうし、ゲームがやめられないよ!」
そんな声が聞こえてきそうです。大丈夫、意志の力(がんばろうとする気持ち)に頼る必要はありません。誰でもできる簡単な「3つのステップ」を試してみましょう。
ステップ1:逆算して「出発のタイマー」をセットする
例えば、日曜日にお友達と公園で10時に遊ぶ約束をしたとします。公園まで歩いて10分かかるとしたら、何時に家を出ればいいでしょうか?
「10分前だから、9時50分に出ればいいや!」……これではダメです。5分前行動をするためには、さらに5分早くしなければいけません。
- お友達との約束:10:00
- 目標到着時間(5分前):9:55
- 移動にかかる時間(10分):9:45に出発!
つまり、家を出る時間は「9時45分」になります。スマホや時計のアラームで、この「9時45分」の少し前に「そろそろ準備の時間だよ」というアラームをかけておきましょう。これだけで、時間に遅れる心配がグッと減ります。
ステップ2:学校の「係の仕事」や「掃除」で練習する
まずは学校生活の中で練習してみましょう。たとえば、給食当番のときや、お掃除のときです。
「チャイムが鳴ってから移動する」のではなく、「チャイムが鳴る前に、もう仕事の場所について準備が終わっている状態」を目指します。
「〇〇さん、もう準備して待っていてくれたの? さすがだね!」と、先生や係のグループの友達からほめられるはずです。その「ほめられた気持ち」が、次のやる気につながります。
ステップ3:おうちのお手伝いで「時間感覚」をみがく
おうちのお手伝いも、時間感覚をきたす大チャンスです。
「お母さん、夕方の5時までにリビングの片づけを終わらせるね!」と自分で時間を決めてみます。もし5時よりも前の「4時55分」に終わらせることができたら大成功です。
おうちの人に「約束より5分も早くできたよ!」と報告してみてください。「すごいね、ありがとう!」と笑顔になってもらえると、すごく気持ちがいいですよ。
時間を制する者は、クラスの人気者になる!
時間を守る人は、周りの人からこんなふうに見られます。
- 「あの人と一緒だと、いつも計画通りに楽しく遊べるな」
- 「大切なことをきちんとしてくれるから、学級委員や係の仕事を任せても安心だな」
- 「いつも余裕があって、かっこいいな」
反対に、いつも時間に遅れてしまうと、本当はとっても優しい心の持ち主なのに、「だらしない人」「自分勝手な人」という誤解をされてしまうことがあります。それはとってももったいないことです!
時間は、みんなに平等にあたえられている宝物です。その宝物をどう使うかで、あなたのまわりの世界は大きく変わります。
「5分前の魔法」を使えば、あなたは周りの人から信頼され、クラスで一番の「みんなから好かれる人気者」に近づくことができます。
さあ、明日の学校や休日のお出かけから、時計の針をほんの少しだけ早めに見てみませんか? 「5分前の余裕」が生み出すステキな笑顔と信頼の連鎖を、ぜひあなた自身で体感してみてくださいね。