お願いをするときは「〜してくれる?」と聞く

📖 『クラスでいちばん好かれる子の秘密 〜敵を作らない50の魔法の習慣〜』
ー 第2章:会話で相手を笑顔にする「言葉」の習慣 ー
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お願いをするときは「〜してくれる?」と聞く
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お願いをするときは「〜してくれる?」と聞く

学校で、こんな場面はありませんか?

係の活動でポスターを作っているとき、隣の席の友達に「のり、貸して!」と言ってしまうこと。あるいは、家で宿題をしているときに、お母さんに「お茶、持ってきて!」と言ってしまうこと。

言った本人は「ちょっと貸してほしいだけ」と思っているかもしれません。でも、言われた相手は、なんだか命令されたような気持ちになって、少しだけ「うっ」と心が重くなることがあるのです。これが積み重なると、知らないうちに「あの人はいつも偉そうだな」と、敵を作ってしまう原因になります。

実は、言葉には「相手の心を動かす魔法の形」があります。それが、「〜して!」という命令形ではなく、「〜してくれる?」というお願いの形です。

「命令」と「お願い」のちがいを知ろう

言葉の専門家たちは、私たちが普段使っている言葉の中に「相手を尊重する気持ち」がどれくらい入っているかを研究しています。これを「語用論(ごようろん)」といいます。

この考え方では、言葉はただの道具ではありません。相手との関係をスムーズにするための「クッション」のような役割をしています。

  • 「のり、貸して!」(命令):相手の都合を考えず、自分の目的を押しつけている。
  • 「のり、貸してくれる?」(お願い):相手に「貸す」か「貸さない」かを選ぶ自由をわたしている。

「〜してくれる?」と聞くことは、相手に「あなたの力が必要です。貸してくれたら嬉しいな」というメッセージを伝えることと同じです。人は、自分を頼りにされると、うれしい気持ちになるものです。この小さなちがいが、クラスのみんなから好かれるか、それとも「ちょっと苦手だな」と思われるかの分かれ道になります。

明日からできる!「魔法の言葉」のつかい方

では、具体的にどんなふうに言葉を変えればいいのか、学校生活のシーンで見てみましょう。今日からすぐに使える「魔法」ばかりですよ。

1. 係の仕事をお願いするとき

黒板消しを忘れてしまったとき、近くの友達にどう声をかけますか?

  • × 「黒板消し、取って!」
  • 「悪いんだけど、黒板消しを取ってくれる?」

「悪いんだけど」という言葉を先につけると、さらに丁寧になります。これは「相手の時間を少し使わせてごめんね」という気持ちを表す、とても素敵な言葉です。

2. 掃除の時間に協力してほしいとき

机を運ぶのが重くて、友達に手伝ってほしいときはどうでしょう。

  • × 「机、運ぶの手伝ってよ!」
  • 「これ重いから、一緒に運んでくれる?」

「一緒に」とつけることで、相手を「手伝い係」ではなく「パートナー」として大切にしていることが伝わります。

3. 家でお手伝いをお願いするとき

お母さんにおやつを出してほしいときも同じです。

  • × 「おやつ、持ってきて!」
  • 「お腹すいちゃったんだけど、おやつを持ってきてくれる?」

「お腹がすいた」という自分の気持ちを先に伝えると、相手は「それなら持ってきてあげようかな」と納得しやすくなります。

どうして「〜してくれる?」が最強なのか

社会言語学という学問では、人は「自分に決定権があるとき」に、もっとも気持ちよく行動できるとされています。これを「ポジティブ・フェイス」といいます。簡単に言うと、「自分は大事にされている」「自分で選んでいる」と感じたいという心のことです。

「〜して!」と命令されると、相手は「やらされている」と感じて、心が反発してしまいます。でも、「〜してくれる?」と聞かれると、相手は「自分で決めて、この子を助けてあげよう」という気持ちになれます。助けてあげた側も、「自分は優しいことをした」という満足感を得られるのです。

これこそが、敵を作らない最大の秘訣です。お願いをすることで、相手に「いいことをした」という気持ちまでプレゼントできるのですから。

「ありがとう」をセットにするのを忘れずに

最後に、もっとも大切な仕上げをお伝えします。

「〜してくれる?」と聞いたあと、相手が動いてくれたら、必ず「ありがとう!すごく助かったよ」と笑顔で言いましょう。この「ありがとう」があるだけで、相手は「またこの子のために何かしてあげようかな」という気持ちになります。

言葉は、投げかけるボールのようなものです。トゲトゲしたボールを投げれば、相手もトゲトゲしたボールを返してきます。でも、優しくふんわりとした「お願いのボール」を投げれば、相手もきっと、優しい笑顔のボールを返してくれます。

明日、学校に行ったら、まずは隣の席の友達に「消しゴム、貸してくれる?」と聞いてみてください。そのとき、相手がどんな顔をするか、じっくり観察してみましょう。きっと、今までよりもずっと優しい表情で「いいよ」と言ってくれるはずです。

言葉一つで、あなたの周りはもっと温かくて、楽しい場所になります。さあ、明日はどんな「お願い」をしてみますか?

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