苦手な人にも、まずは挨拶だけはする
クラスに一人や二人、どうしても「ちょっと苦手だな」「話しかけにくいな」と感じる相手はいませんか? 休み時間にその子の近くを通ると、なんとなくドキドキしたり、わざと目をそらしてしまったりすることもあるかもしれませんね。
でも、安心してください。実は、「苦手な相手と仲良くなる」ために、長いおしゃべりは必要ありません。必要なのは、たった一言の「挨拶」だけなのです。
「挨拶」は、心のバリアを壊す魔法の鍵
心理学には「単純接触効果(たんじゅんせっしょくこうか)」という言葉があります。これは、何度も繰り返し会ったり、短いやり取りをしたりするだけで、その人に対して「なんだか安心できるな」「親しみを感じるな」と脳が勝手に感じてしまう仕組みのことです。
脳は不思議なもので、知らないものや、あまり会わないものに対しては「敵かもしれない!」と警戒してしまいます。でも、挨拶を交わすだけで、脳の中では「この人は敵じゃないぞ」という信号が送られ、警戒心が少しずつ解けていくのです。これを「心のバリアを壊す」と呼んでいます。
つまり、挨拶をするだけで、あなたの脳も相手の脳も「この人とは安全な関係だ」と納得してくれるというわけです。
「おはよう」だけで、関係は少しずつ変わる
では、具体的にどうすればいいのでしょうか。苦手な相手に、急にニコニコ話しかける必要はありません。まずは、次の3つのステップを試してみてください。
- ステップ1:通りすがりに「おはよう」とだけ言う
相手の目を見なくても大丈夫です。すれ違う時に、小さな声でもいいので「おはよう」とつぶやいてみましょう。 - ステップ2:相手の反応を気にしない
挨拶を返してくれなくても、落ち込む必要はありません。相手も「えっ、今話しかけられた?」とびっくりしているだけかもしれませんから。 - ステップ3:毎日続ける
これが一番大切です。1日だけ挨拶してやめるのではなく、毎日続けてみてください。すると、ある日突然、相手から「おはよう」と返ってくる瞬間が必ず訪れます。
係活動で一緒になった時や、給食当番で並んでいる時。そんな時に「おはよう」や「お疲れ様」を言うだけで、相手のあなたに対する態度は、少しずつ、でも確実に変わっていきます。
「挨拶」は、あなた自身を守る盾になる
実は、苦手な人に挨拶をすることは、相手のためだけではなく、あなた自身のためにもなります。なぜなら、自分から挨拶ができるようになると、自分の心の中に「私は誰にでも堂々と接することができる」という自信が生まれるからです。
クラスの中で、誰にでも平等に挨拶をしている人を想像してみてください。その人は、周りから見てとてもかっこよく、頼りがいがあるように見えませんか? 挨拶を続けることは、あなたを「クラスのみんなから信頼される人」へと成長させてくれるのです。
もし、相手が挨拶を無視したとしても、それはあなたのせいではありません。相手が恥ずかしがり屋なだけかもしれないし、たまたま考え事をしていただけかもしれません。あなたは、あなたのペースで「挨拶という魔法」を使い続けてください。
明日からできる「挨拶の工夫」
明日、学校に行ったら、まずは苦手な子の近くを通る時に、心の中で「おはよう!」と唱えてみてください。声に出すのが恥ずかしければ、まずは「会釈(えしゃく)」だけでもOKです。少しだけあごを引いて、相手の方を向く。それだけで、脳は「あ、挨拶しようとしたんだな」と認識してくれます。
挨拶を積み重ねていくと、いつの間にか「あれ、この子って意外と面白いかも?」「意外といいやつかも?」という発見があるはずです。苦手だったはずの相手が、気づけば一番の味方になっている。そんな素敵な未来が、明日の「おはよう」から始まります。
さあ、深呼吸をして、明日の朝、クラスのドアを開けてみましょう。あなたが勇気を出して言ったその一言が、クラスの空気を変える、最高のスタートになるはずですよ。