悪いことをしたときはすぐに謝る
学校で、こんなことってありませんか?
図工の時間に使おうとしていた色えんぴつを、うっかり床に落としてしまって、近くにいたお友達の足を踏んでしまったとき。「あ、やっちゃった!」と心の中で思ったのに、なんだか恥ずかしくて、そのまま知らんぷりをしてしまった……。
給食の時間を急いでいて、お友達の牛乳を机からはたき落としてしまったとき。「わざとじゃないもん」と口では言ったけれど、本当はすごく焦っていて、どうしていいか分からず、謝るタイミングを逃してしまった……。
誰だって、自分が悪いことをしたと分かっているのに、すぐに「ごめんなさい」と言うのは、ドキドキするし、勇気がいるものです。「怒られるかもしれない」「嫌われるかもしれない」と思うと、口がへの字に曲がってしまって、言葉が出てこなくなりますよね。
でも、安心してください。きょうは、まちがえたときに素直に「ごめんなさい」が言えるようになる、とっておきの心の魔法をお伝えします。この魔法を使うと、不思議とみんなから信頼され、「この子といると安心だな」と思われる人になれるのです。
なぜ「ごめんなさい」が言えないのかな?心の中のひみつ
まずは、どうして私たちは「悪い」と分かっているのに、すぐに謝れないのか、その理由を知ることから始めましょう。
実はこれ、心の仕組みを研究する「心理学」という学問で、とてもよく調べられていることなんです。人間の心には、自分が傷つかないように守ろうとする「防衛本能(ぼうえいほんのう)」というパワーが備わっています。
心理学で分かる!心がフリーズする理由
- 怒られる恐怖:「先生やお母さんに怒られるかもしれない」という不安が、一番に頭に浮かんでしまうから。
- プライドの壁:「自分が悪いと認めるのは、負けたみたいで悔しい」「かっこ悪いところを見せたくない」という気持ちが邪魔をするから。
- どう言えばいいか分からない:頭が真っ白になってしまい、正しい言葉がすぐに出てこないから。
つまり、「ごめんなさい」がすぐに言えないのは、あなたが意地悪な子だからではありません。あなたの心が、あなた自身を守ろうと一生懸命に働いているからなのです。そう思うと、少しホッとしませんか?
でもね、この「防御パワー」をそのままにしておくと、お友達との間にすきま風が吹いてしまいます。「あの子、謝らなかったな……」という小さなモヤモヤが、だんだん大きな壁になってしまうのです。
「すぐに謝る」が生み出す、すてきな奇跡
心理学の研究では、おもしろいことが分かっています。それは、「すぐに素直に謝る人は、謝らない人よりも、まわりからの好感度がぐっと上がる」ということです。
「えっ、悪いことをしたのに、好感度が上がるの?」って思いますよね。不思議ですが、本当なんです。
人間は、完璧な人よりも、すこし隙があって「あ、まちがえちゃった!」と素直に認められる人のほうが、親しみやすさを感じます。すぐに「ごめんなさい」が言える子は、まわりの人から見ると、こんなふうに映ります。
- 自分の行動に責任が持てる、かっこいい子だな!
- 嘘をつかないから、信頼できるな!
- 人の気持ちが分かる、やさしい子だな!
つまり、「ごめんなさい」は、ただの「おわびの言葉」ではなく、「私たちはこれからも仲よしでいようね」という、最高のラブレターのようなものなのです。
明日から使える!「すっきり謝る」3つのステップ
「よし、謝ろう!」と決心しても、いざその時になると緊張してしまいますよね。そこで、学校生活のさまざまな場面で使える、魔法の謝り方3つのステップを伝授します。
ステップ1:まずは「ごめんなさい」を一番最初に言う
言い訳は、あとからいくらでもできますが、謝るときはまず「ごめんなさい」の一言を最優先にしましょう。
【学校の具体例】係の仕事で、掲示物(けいじぶつ)のポスターを破ってしまったとき。
✖ ダメな例:「だって、のりが乾いてなくて、風が吹いたから……」と、言い訳から入る。
〇 すてきな例:「ポスターを破ってしまって、ごめんなさい!」と、まずは謝る。
言い訳を先にすると、先生やお友達は「反省していないのかな?」と感じてしまいます。まずは素直に非を認めることが、大人の第一歩です。
ステップ2:何について謝っているのかを伝える
ただ「ごめんなさい」と言うだけでは、相手に気持ちが伝わりにくいことがあります。どこがいけなかったのか、自分の口からはっきりと伝えましょう。
【お友達関係の具体例】遊んでいるときに、お友達の作ったブロックの街を、うっかり蹴飛ばして壊してしまったとき。
〇 すてきな例:「せっかく一生懸命作ったブロックの街を、足で蹴飛ばして壊してしまって、本当にごめんなさい」
ここまで言えると、お友達は「この子は自分のせいでここが壊れたって、ちゃんと分かってくれているんだな」と安心します。
ステップ3:これからの「お約束」をセットで伝える
謝ったあとで、「次はどうするか」を伝えることができると、好感度はマックスになります!心理学ではこれを「挽回(ばんかい)の法則」と呼びます。失敗したあと、どれだけ取り戻す行動ができるかが大切なのです。
【おうちのお手伝いの具体例】お母さんに頼まれていたお皿洗いを忘れちゃって、テレビゲームに夢中になっていたとき。
〇 すてきな例:「お皿洗いを忘れて遊んでいて、ごめんなさい!今からすぐにお皿を洗います。これからは、ゲームの前に終わらせるようにするね」
ここまで言えたら、お母さんも「そこまで考えてくれたなら許すよ」と、あたたかい笑顔を返してくれるはずです。
「でも」「だって」の口ぐせをストップしよう
ここで、謝るときに絶対に使ってはいけない「魔法の反対の言葉」をお伝えします。
それは、「でも」と「だって」です。
お友達に「ねえ、さっきの言い方、ちょっときつかったよ」と言われたとします。そんなとき、心の中で「だって、あっちが先に意地悪してきたんだもん!」と思っても、それを口に出しては台無しです。
「でも」「だって」を使った瞬間、あなたの「ごめんなさい」は、「私は悪くありません、相手が悪いです」というメッセージに変身してしまいます。これでは、お友達はもっと怒ってしまいますよね。
もし、自分にも言い分があるときは、どうすればいいでしょうか?
まずは、相手の気持ちを受け止めて謝ります。「いやな気持ちにさせてしまって、ごめんなさい」。そのあとで、もしどうしても聞いてほしいときは、「あのね、実はこういう理由があって……」と、落ち着いて静かな声で話してみましょう。順番を間違えないことが大切です。
謝ったあとは、自分をたくさんほめてあげよう
勇気を出して「ごめんなさい」と言えた日は、夜、布団に入る前に、自分の頭を自分でナデナデしてあげてください。
「きょうは、まちがえたときにすぐに謝ることができて、本当にかっこよかったな」
「自分の心に正直に、すてきな行動ができたな」って。
「ごめんなさい」を言える人は、心が強い人です。弱い人は、自分がまちがえても、それを認めることができません。強い人だけが、素直に「ごめんなさいてへぺろ、次からがんばるね」と言えるのです。
明日、もし学校で何かうまくいかないことがあったり、お友達に迷惑をかけてしまったりしたら、今日のこのページを思い出してください。深呼吸をひとつして、笑顔でこう言ってみましょう。
「ごめんなさい!」
その一言で、あなたのまわりには、パッと明るい笑顔の輪が広がっていきますよ。さあ、明日もすてきな一日を始めましょう!