誰かが悪口を言っている輪には入らない

📖 『だれとでも仲よくなれる!「好かれる子」になるための10の魔法』
ー 第6章:悪口を言わない ー
\ 毎日がもっと楽しくなる、すべての小学生へ贈るヒント /
誰かが悪口を言っている輪には入らない
全 40 ページ中 22 ページ目

誰かが悪口を言っている輪には入らない

学校の休み時間、チャイムが鳴って自分の席に戻ろうとしたとき、クラスの友達が何人か集まってヒソヒソと話し込んでいるのを見たことはありませんか?

「ねえねえ、聞いてよ。あの子ってさ……」

そんな声が聞こえてくると、なんとなく気になって近づいてしまったり、「仲間外れにされたくないから」という理由で、その輪に加わって相づちを打ったりしたことはないでしょうか。

そのときは「みんなと一緒で楽しいな」「自分だけ知らないのはイヤだな」と思うかもしれません。でも、ちょっと待ってください。その会話、本当に楽しいおしゃべりでしょうか?

実は、誰かの悪口や陰口を言っている輪の中にいるだけで、まわりの人からのあなたを見る目は、ガラリと変わってしまうのです。今回は、クラスで本当に信頼され、みんなから好かれる人になるための大切なルールについてお話しします。

なぜ悪口の輪に入ってはいけないの?

「自分は悪口を言っていないから大丈夫」そう思っていませんか? たとえば、友達が誰かの悪口を言っているときに、ただニコニコと聞いていたり、「へえ、そうなんだ」と相づちを打ったりするだけでも、まわりの人からは「あの人も悪口に賛成しているんだな」と思われてしまいます。

社会のしくみを研究する「組織社会学(そしきしゃかいがく)」という学問では、人が集まったときにできる「グループの空気」について、とても面白い研究をしています。

これによると、人間のグループには「そこにいる人全員が、同じグループのルールや行動に染まりやすい」という強いパワーが働くことがわかっています。きれいな水の中に一滴のインクを落とすと、あっという間に水全体が色づいてしまうのと同じです。

つまり、悪口を言っているグループに混ざっているだけで、あなた自身も「人を悪く言う人」というレッテルをまわりに貼られてしまうのです。これは、すごくもったいないことだとは思いませんか? あなたは本当は優しくて思いやりのある人なのに、その場のノリで「意地悪な子」に見られてしまうかもしれないからです。

「みんな言っているから」の大きなワナ

クラスでこんなふうに思ったことはありませんか?

  • 「みんながあの人のこと『めんどくさい』って言ってるから、私もそう思うことにしよう」
  • 「ここで私だけ『そんなことないよ』って言ったら、浮いちゃうかもしれない……」

人間には、まわりの人と同じ意見でいたい、みんなから外されたくないという強い気持ち(同調圧力:どうちょうあつりょく)があります。特に小学生のクラスという狭い世界では、グループから外れることがとても怖く感じられますよね。

しかし、組織社会学の研究では、「みんなと同じことをして安心するグループは、何かトラブルが起きたときにもろい」ということが分かっています。誰かの悪口でつながっている関係は、本当の信頼関係ではありません。なぜなら、「あの子はいないところで私の悪口も言っているかもしれない」という疑いの気持ちが、心のどこかにいつも残ってしまうからです。

悪口の輪に入らないことは、あなた自身の心を守るための「一番大切なバリア」なのです。

明日からできる!悪口の輪からスマートに抜ける3つの方法

「悪口に入っちゃいけないのは分かったけれど、実際にその場にいたらどうすればいいの?」と思いますよね。気まずくならずに、上手にその場を離れたり、悪口をストップさせたりする具体的な方法を3つ紹介します。

1. 「用事を思い出したフリ」をしてスッと離れる

いちばん簡単で、だれも嫌な気持ちにさせない方法がこれです。友達が誰かの悪口を始めたら、スマホを見るフリ……ではなく、自分の机の引き出しを探したり、ノートを取りに行ったりしてみましょう。

  • 「あ、そうだ! 宿題のプリント、先生に出さなきゃいけないんだ!」
  • 「やばい、次の図工の用意しなきゃ」
  • 「ちょっとトイレ行ってくるね!」

このように、自分の用事を思い出してその場から移動します。これなら、友達を否定していないので、あとで気まずくなることもありません。その場からフェードアウトするのが、大人のスマートなやり方です。

2. 話題をパッと別のことに変えてみる

もしその場から離れられないときは、太陽のようにパッと明るい話題に変えてしまいましょう。これを「話題の方向転換(ほうこうてんかん)」と言います。

  • 悪口:「ねえ、〇〇ちゃんって最近ちょっと調子に乗ってない?」
  • あなた:「あ、そういえばさ! 今度の遠足の班、どこになるか知ってる?」
  • 悪口:「〇〇のテスト、難しかったよねー、最悪」
  • あなた:「ねえ、昨日テレビでやってたアニメ見た? めっちゃ面白かったよね!」

ポイントは、元気なトーンで全く関係ない楽しい話をすることです。不思議なもので、暗い話のあとに明るい話が来ると、みんなのスイッチが切り替わって、自然と悪口が終わっていきます。

3. 「私はそう思わないな」とやさしく伝える

少し勇気がいりますが、一番カッコよくて周りから一目置かれる方法がこれです。友達の悪口に対して、怒ったり責めたりするのではなく、自分の意見をやさしく伝えます。

  • 「うーん、そうかな? 私は〇〇ちゃん、一生懸命でいい子だと思うけどな」
  • 「そこまで言わなくてもいいんじゃないかな?」

ここで大切なのは、「相手を言い負かそうとしないこと」です。「私はそう思うよ」と、自分の気持ちとして静かに伝えるだけで十分です。組織社会学の調査でも、グループの中で一人だけ冷静で正しい意見を言う人は、最初は驚かれるものの、あとから「あの人は芯がしっかりしていてカッコいい」「信頼できる」と周りから尊敬されるようになります。

悪口を言わない人が、一番トクをする理由

「悪口を言わないようにする」というと、なんだか我慢しているように感じるかもしれません。でも、実はこれ、すごく「トク」をすることなんです。

学校生活を思い浮かべてみてください。先生やクラスのみんなから、本当に信頼されている人はどんな人ですか? きっと、誰かの悪口を言っている人ではなく、誰に対しても態度が変わらず、人のいいところを見つけるのが上手な人ではないでしょうか。

悪口を言わない人の周りには、自然と温かい空気が流れます。あなたが誰かの悪口の輪に入らなかったとき、最初は「ノリが悪いな」と思う友達がいるかもしれません。でも、長い目で見ると、まわりの人はこう思います。

「この人は、私がいないところでも私の悪口を決して言わないだろうな」

この安心感こそが、本当の友達をつくる一番の魔法です。クラスの中で「この人といるとなぜかホッとする」「安心していろんな話ができる」と思われる人は、みんなのあこがれの存在になります。

明日、もし学校で誰かがヒソヒソと悪口を言っているのを見かけたら、今日の話を思い出してください。スッとその場を離れたり、楽しい話題に変えたりして、あなたのその優しい笑顔と素敵な時間を守りましょう。

誰のことも傷つけず、自分も大切にする。そんなあなたを、クラスのみんなはちゃんと見ていますよ。

📖 『だれとでも仲よくなれる!「好かれる子」になるための10の魔法』
全 40 ページ中 22 ページ目

タイトルとURLをコピーしました