困っている子に「大丈夫?」と聞く

📖 『だれとでも仲よくなれる!「好かれる子」になるための10の魔法』
ー 第7章:自分から助けを申し出る ー
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困っている子に「大丈夫?」と聞く
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困っている子に「大丈夫?」と聞く

教室のまわりを見わたしてみてください。給食の配ぜんのときにお盆を落としそうになっている子や、図工の時間に絵の具のふたがどうしても開かなくて困っている子がいませんか?

そんなとき、あなたは心の中で「どうしよう、手伝ったほうがいいのかな……でも、めんどくさいって思われたらいやだな」「声をかけて、無視されたらはずかしいな」なんて考えて、見て見ぬふりをしたことはありませんか?

実は、自分から「どうしたの?」「手伝おうか?」と声をかけることは、クラスのみんなから好かれるための、とっても強力な魔法なんです。今日は、ちょっとした勇気を出して困っている子を助けることで、みんなの人気者になれるひみつを教えちゃいます。

行動経済学のひみつ!人は「助けてくれた人」が大好きになる

「行動経済学(こうどうけいざいがく)」という、ちょっとかっこいい学問があります。これは、「人間がどうしてそういう行動をするのか」を研究するむずかしい名前の学問ですが、実は私たちの学校生活にめちゃくちゃ役に立ちます。

この行動経済学の中に、人間は「自分にやさしくしてくれた人のことが大好きになる」というおもしろい性質があるという研究結果があります。むずかしい言葉では「恩恵の返報性(おんけいのへんぽうせい)」なんて言ったりもしますが、カンタンに言うと「親切にされたら、お返しをしたくなる」という心のしくみです。

あなたが困っているお友達に「大丈夫?」と声をかけて手伝ってあげると、そのお友達は心の中でこう思います。
「この人は、ぼく(私)が困っているときに助けてくれた、とってもやさしい人だな!」

そして、その嬉しかった気持ちはずっと心に残ります。人間は、自分を助けてくれた人のことが自然と好きになってしまうようにできているのです。つまり、自分から助けを申し出ることは、クラスの全員を自分のファンにしてしまう魔法の作戦というわけです。

学校生活で実践!「大丈夫?」の魔法をつかう3つの場面

では、具体的にどんなときに行動すればいいのでしょうか?小学校の毎日の生活の中で、すぐに試せる3つの場面を紹介します。

1. 係の仕事や当番で、パニックになっている子を見つけたとき

給食当番のときや、クラスの係の活動で、仕事がいっぱいで焦っている子っていませんか?例えば、黒板を消すのが遅れて次の授業の先生が来ちゃいそうなときや、プリントの配り忘れで困っているときです。

  • やり方:「黒板消し、半分こしようか?」「プリント配るの、手伝おうか?」と、サラッと声をかけて一緒にやります。
  • ポイント:「手伝ってあげる」という上から目線ではなく、「いっしょにやろう!」というチームの気持ちで声をかけるのがコツです。

2. 落とし物やハプニングがあったとき

筆箱の中身をドサーッと床に落としてしまって、消しゴムや鉛筆があちこちに転がっていったとき。見ていて「うわ、大変そうだな」と思いますよね。

  • やり方:何も言わずに、すぐにかがんで鉛筆を拾うのを手伝います。「これ、そこの机の下にあったよ」と笑顔で渡してあげましょう。
  • ポイント:言葉で「大丈夫?」と聞くのがはずかしいときは、行動で示すだけでも十分です。拾ってもらった子は、絶対にあなたのことを「いいやつだな」と思います。

3. 班の活動やグループワークで、意見が出なくて困っているとき

生活科や総合の時間のグループ発表の話し合いで、自分の意見が言えなくてモジモジしている子がいたらチャンスです。

  • やり方:「〇〇ちゃんはさっき、ノートにいい絵を描いてたよね。それについてどう思う?」と、みんなの前でその子が話しやすいパスを出してあげます。
  • ポイント:自分だけが目立つのではなく、困っている子が活躍できるようにサポートする姿は、まわりのみんなから見ても「すごくかっこいい人だな」と映ります。

今日からできる!「おせっかい」を「神対応」に変えるコツ

「でもさ、先生……。手伝おうとして『ほっといてよ!』って怒られたらどうしよう?」

そんな心配をしたお友達、いませんか?実は、せっかくの親切がウザがられてしまう「ダメなパターン」もあります。みんなに好かれるための「神対応」にするための大切なルールが2つあります。

  • やりすぎない(見返りを求めない):
    相手が「ううん、自分でできるから大丈夫!」と言ったら、「そっか、がんばってね!」とすぐに引き下がりましょう。「せっかく手伝おうとしたのに!」と怒ってはいけません。相手の「自分でやりたい気持ち」も大切にするのが、本当のやさしさです。
  • 大きな声でまわりに知らせない:
    「みんな聞いて!〇〇ちゃんが失敗して困ってるよ!」と大声で言うのは絶対NGです。それは助けているのではなく、いじめているのと同じになってしまいます。困っている子の近くにそっと行き、小さめの声で「大丈夫?」と聞くのがスマートな大人のやり方です。

小さなしぐさが、クラスの空気を変える

困っている子に「大丈夫?」と声をかけることは、最初はちょっと勇気がいるかもしれません。「変に思われたらどうしよう」とドキドキするでしょう。

だけど、安心してください。あなたが勇気を出してかけたその一言は、困っていたお友達の心をパッと明るく太陽のように照らします。そして、その様子を見ていた他のクラスメイトも、「この人はまわりをよく見ていて、やさしい人なんだな」と心の中であなたをリスペクトするようになります。

クラスの中で「みんなから好かれる子」とは、自分から目立つ子や、おもしろいことばかり言う子だけではありません。本当にみんなから信頼されるのは、誰かが困っているときに、さっと寄りそえるやさしさを持っている子です。

明日、学校に行ったら、まずは教室のすみっこや、グループの中でちょっと困った顔をしているお友達を探してみましょう。そして、ポケットにしまった勇気を少しだけ取り出して、笑顔でこう言ってみてください。

「どうしたの? 大丈夫?」

その一言から、あなたとクラスのみんなの新しい友情がスタートします。明日から、さっそく学校でやってみましょう!

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