できない約束は最初からしない
学校の休み時間、こんなことってありませんか?
「ねえねえ、今日の放課後、うちでゲームしない?」
「うん!いいよ!絶対あそぼう!」
友達から誘われるとうれしくて、つい大きな声で「いいよ!」と返事をしてしまいますよね。でも、家に帰ってからランドセルを開けると、今日は習い事がある日だったり、お母さんから「今日は先にお手伝いをすませてね」と言われていたり……。
「あ、やばい……今日、遊べない!」
あわてて友達に「ごめん、やっぱり今日はいけなくなった!」と連絡する。そんな経験、ありませんか?
「約束したのに、行けなくなっちゃった。まあ、たまにはそんなこともあるよね」と思ってしまうかもしれませんが、実はこの「約束をやぶる」という小さなことが、あなたへの信頼を少しずつ削ってしまっているとしたら……?
今日は、友達から「この人との約束なら安心だな」「もっと一緒にいたいな」と思われるための、とても大切な秘密をお伝えします。
「約束」は、目に見えない大切な宝物
小学生の毎日は、約束でいっぱいです。
- 「明日の係の仕事、かわってあげるね」
- 「図書室の本、来週の月曜日までに返すね」
- 「放課後、校庭のジャングルジムのところで待ち合わせね」
約束とは、未来の自分と相手をつなぐ「小さな橋」のようなものです。でも、約束をやぶってしまうと、その橋はパキッと折れてしまいます。
一度や二度なら「しょうがないな」と許してもらえますが、何度も約束をやぶっていると、友達はこう思うようになります。
「どうせまた約束をやぶるかもしれないから、誘うのをやめよう」
「あの人との約束は、あまりあてにならないな」
これはすごくもったいないことです。本当はすごく優しくて、大好きな友達なのに、「約束を守らない人」というイメージがついてしまうだけで、だんだん話す回数が減ってしまうこともあるからです。
人に好かれる人は、この「約束の重さ」をよく知っています。だからこそ、「できない約束は、最初からしない」という、とってもシンプルなルールを大切にしているのです。
かしこい大人は知っている?「ゲーム理論」のヒミツ
ここで少し、かっこいいお話をします。大学や研究所で勉強する大人たちは、「ゲーム理論(きょくめんりろん)」というものを研究しています。
「ゲーム」といっても、ニンテンドースイッチやスマホのゲームではありません。人間同士がどうやってつき合えば、みんなが得をする(ハッピーになる)かを考える、ちょっと頭のいい作戦のことです。
このゲーム理論の中に、人間関係のとても大切なルールがあります。それは、「何度もくり返される関係では、裏切らないほうが、自分にとっても一番トクをする」というルールです。
クラスのみんなとは、これから何ヶ月も、何年も一緒に過ごしますよね。1回や2回、「嘘をついてその場しのぎをしてもバレないや」と思っても、長い目でみると、まわりからの信頼(しんらい)という大きな宝物を失ってしまいます。
逆に、どんなに小さな約束でも「この人は絶対に守ってくれる」とわかると、みんなはあなたを心から信用し、困ったときに助けてくれるようになります。
つまり、「できない約束はしない」と決めて、できる約束だけを守ることは、自分を一番守ってくれる最強の作戦なのです。
「でも、断るのってむずかしい……」そんなときの魔法のコトバ
頭では「できない約束はしないほうがいい」とわかっていても、いざ友達から「明日、遊ぼうよ!」と言われると、雰囲気が悪くなるのが怖くて、つい「うん、いいよ!」と言ってしまいますよね。
そんなときに使える、「相手も自分もイヤな気持ちにならない、お断りの魔法のコトバ」を3つ紹介します。明日からさっそく使ってみてください。
1. 「おうちの人に聞いてみるね」と一度ストップする
一番おすすめなのが、その場で即答しないことです。「遊ぼう!」と言われたら、笑顔でこう言いましょう。
「誘ってくれてありがとう!すごくうれしい!でも、今日の予定がまだわからないから、おうちの人に確認してから、あとでお返事してもいい?」
これなら、相手を否定していないので嫌な気持ちにさせませんし、あとで冷静に自分のスケジュールを確認することができます。
2. 「今日はムリだけど、別の日にする?」と代わりの提案をする
例えば、今日は宿題がたくさんあって遊べない日の場合です。
「今日は宿題が多くて遊べないんだ……。ごめんね!でも、木曜日なら宿題がないから、その日どうかな?」
「行けない」とだけ言うと冷たく感じますが、「別の日にしたい」という気持ちを伝えることで、「自分と遊びたいと思ってくれているんだな」と相手もうれしくなります。
3. 正直に「今日はむずかしい」とあやまる
どうしてもその日は無理だとわかっているときは、ごまかさずに素直に伝えましょう。
「誘ってくれて本当にありがとう!でも、今日はちょっと用事があって遊べないんだ。すごく残念……また今度誘ってね!」
ポイントは、笑顔で、そして「誘ってくれたことへの感謝」を伝えることです。これだけで、断られた側のショックは半分以下になります。
学校生活で実践してみよう!今日のミッション
さあ、ここからは実践の時間です。明日からの学校生活で、次の3つのことにチャレンジしてみましょう。
- 返事をする前に、心の中で「本当にできるかな?」と一呼吸おく。
(自分のスケジュールや持ち物を確認するクセをつけましょう) - やむを得ず約束を変えなければならなくなったら、できるだけ早く、自分の口から正直に伝える。
(隠したり、友だち伝言にしたりしないのがカッコいい大人への一歩です) - 「係の仕事」や「当番」の約束も、友達との約束と同じくらい大切にする。
(「これくらい、いっか」をなくすことで、クラス全体の信頼度がグッと上がります)
「できない約束は最初からしない」というのは、冷たいことではありません。むしろ、「相手との約束を本当に大切にしたいからこそ、慎重にする」という、最高の思いやりなのです。
このルールをマスターしたあなたには、自然とまわりにたくさんの友達が集まってくるようになります。なぜなら、あなたの言葉には「嘘がない」という大きな信頼があるからです。
明日、学校で誰かから何かを頼まれたり、誘われたりしたら……ぜひ、今日おぼえた魔法のコトバを思い出してくださいね。