- 自分の言ったことは最後までやり遂げる
- 「言ったこと」と「やること」が同じだと、なぜ気持ちいいの?
- データが証明!「やり遂げる人」がトクをするヒミツ
- 学校や家でよくある「お約束ピンチ!」を乗りこえる3つの魔法
- 魔法①:「できない約束」は、はじめからしない勇気を持つ
- 魔法②:言ったことは、すぐに「メモ」に書いて目に見えるようにする
- 魔法③:もしできなかったら、すぐに「あやまる」+「次の行動」を伝える
- 明日からできる!「やり遂げマスター」になるための3ステップ
- ステップ1:家での「小さな宣言」からスタートする
- ステップ2:学校で「係の仕事」を1つ、だまって完璧にやってみる
- ステップ3:友達に「ありがとう」を言葉で届ける
- 君の言葉には、世界を動かす魔法の力がある
自分の言ったことは最後までやり遂げる
「明日、あのマンガ持ってきてあげるね!」
「今日の給食の片づけ、私がやっておくよ」
「宿題が終わったら、お風呂のそうじをお手伝いするね」
学校や家で、こんな風に「自分で言ったこと」はありませんか?
私たちは毎日、たくさんの言葉を口にしています。その中には、友達や家族との「小さな約束」がいっぱいつまっています。実は、この「自分の言ったことを、最後までやり遂げる」という行動こそが、クラスで「あの人、なんだか素敵だな」「いっしょにいると安心するな」とみんなから好かれる、一番の近道なのです。
「でも、ついうっかり忘れちゃうこともあるよ」「めんどくさくなって、途中でやめちゃいけないのかな?」と思うかもしれませんね。大丈夫です。今回は、なぜ言ったことを最後までやるとクラスの人気者になれるのか、その秘密を「行動の科学(行動学)」と「データの科学(統計学)」の2つの目線から、分かりやすく解き明かしていきます。これを読めば、明日から学校に行くのがもっと楽しみになりますよ!
「言ったこと」と「やること」が同じだと、なぜ気持ちいいの?
まずは、人間の心がどう動くかを調べる「行動の科学(行動学)」のお話から始めましょう。
人間の脳には、大昔から引きつがれている、ある不思議なクセがあります。それは、「言っていることと、やっていることが同じ人を見ると、ホッとして仲良くなりたくなる」というクセです。これを科学の世界では「一貫性(いっかんせい)のルール」と呼びます。
想像してみてください。ある友達が「明日、絶対にサッカーのボール持ってくるからね!」と言ったとします。次の日、その子が本当にボールを持ってきてくれたら、君はどう思うでしょうか?
「わあ、約束を守ってくれた!うれしいな」「この子は信じられるな」と思いますよね。心がぽかぽかと温かくなるはずです。
では、逆に「持ってくるね!」と言ったのに、次の日「あ、忘れた」と言われ、その次の日も「また忘れた」と言われたらどうでしょう? 悪気はないと分かっていても、なんとなく「次からは、別の子に頼もうかな……」と、心が少し離れてしまいますよね。
人間の脳は、相手の「言葉」と「行動」がぴったり合っているときに、一番「安心」を感じるようにできています。つまり、自分の言ったことを最後までやり遂げる人は、周りのみんなに毎日「安心」という目に見えないプレゼントを配っていることになるのです。だからこそ、自然とクラスの中で「感じがいい人」として人気者になっていきます。
データが証明!「やり遂げる人」がトクをするヒミツ
次に、たくさんのデータを集めてきまりを見つける「データの科学(統計学)」の目線から、この秘密をさらに深くのぞいてみましょう。
世界中のさまざまな研究で、「約束を守る人」と「約束を破りがちな人」の人生がどう変わるかというデータが取られています。その結果、おどろくべき事実が分かりました。
実は、「言ったことを最後までやり遂げる人は、困ったときに周りから助けてもらえる確率が、そうでない人に比べて何倍も高い」というデータが出ているのです。
これを学校生活に当てはめてみましょう。ここに、2人の人がいます。
- Aさん:「黒板消し、やっておくね」と言ったら、誰も見ていなくても最後までピカピカにする。
- Bさん:「黒板消し、やっておくね」と言ったのに、途中で遊びたくなって、半分だけ消してどこかへ行ってしまう。
ある日、AさんとBさんが、それぞれ自分の筆箱をなくして困ってしまいました。授業が始まるまで、あと5分しかありません。クラスのみんなは、どちらを「全力でいっしょに探してあげよう!」と思うでしょうか?
答えは、言うまでもありませんよね。みんな、迷わずAさんを助けようとします。
データが示しているのは、「信頼は、貯金と同じである」ということです。自分の言ったことをやり遂げるたびに、君の「信頼貯金箱」に、チャリン!と目に見えないコインが貯まっていきます。そして、自分が困ったときや、新しいことに挑戦したいときに、その貯金が「みんなからの応援」という形になって返ってくるのです。
逆に、言ったことを途中でやめてしまうと、貯金箱からコインがどんどん減っていってしまいます。最後までやり遂げることは、周りのためだけでなく、実は「未来の自分を助けるため」の最高の作戦なのです。
学校や家でよくある「お約束ピンチ!」を乗りこえる3つの魔法
そうは言っても、毎日の中で「やり遂げるのが難しい!」というピンチの瞬間はやってきますよね。そんなときに使える、強力な「3つの魔法」を紹介します。これさえ知っておけば、どんなピンチもチャンスに変えることができますよ!
魔法①:「できない約束」は、はじめからしない勇気を持つ
友達から「明日、このゲームの攻略本、持ってきて!」と言われたとき、本当は持っていっていいかお家の人に聞かないと分からないのに、その場のノリで「いいよ!」と言ってしまったことはありませんか?
結局、お家の人にダメと言われて約束を破ることになってしまったら、悲しいですよね。感じがいい人は、ただ優しいだけではありません。できないかもしれないことは、最初にきちんと言える強さを持っています。
そんなときは、この魔法の言葉を使いましょう。
「お家の人に聞いてみて、OKだったら明日持ってくるね!」
こう言っておけば、もしダメだったとしても約束を破ったことにはなりません。相手も「ちゃんと考えて答えてくれたんだな」と、かえって君を信頼してくれるようになります。
魔法②:言ったことは、すぐに「メモ」に書いて目に見えるようにする
「今日の放課後、係の仕事で花壇にお水をあげるね」
そう言ったのに、帰りの会が終わったらランドセルを背負ってそのまま帰ってしまった……。これは、意地悪でやったのではなく、ただ「忘れてしまった」だけですよね。でも、相手からすると「約束を破られた」ことになってしまいます。
人間の脳は、新しいことを言われると、古いことをどんどん忘れてしまう仕組みになっています。だから、自分の記憶力だけに頼ってはいけません。
「やる」と言った瞬間に、手の甲に小さく「みずやり」と書いたり、筆箱の中にふせんを貼ったり、連絡帳のすみにメモをしたりしましょう。「目に見える形」にしておくことが、やり遂げるための最大のコツです。
魔法③:もしできなかったら、すぐに「あやまる」+「次の行動」を伝える
どうしても用事が入ってしまったり、体調が悪くなったりして、言ったことができないときだってあります。そんなときは、ごまかしたり、言い訳をしたりするのが一番もったいないことです。
信頼を落とさない人は、ピンチのときの対応がとてもスピーディーです。できなかったときは、すぐに次の2つのセットを相手に伝えましょう。
「ごめんなさい!約束していたこと、今日できなくなっちゃった。その代わりに、明日の朝一番に必ずやるね!」
「あやまる」ことと、「次にどうするか(次の行動)」をセットで伝える。これだけで、相手はがっかりするどころか、「なんて誠実で、かっこいい人なんだろう!」と、君のことをもっと好きになります。
明日からできる!「やり遂げマスター」になるための3ステップ
さあ、このお話の仕上げとして、明日からすぐに使える具体的なステップを紹介します。まずは、簡単なことから少しずつ始めてみましょう!
ステップ1:家での「小さな宣言」からスタートする
まずは、一番失敗しても安心な「お家」で練習です。夜、お家の人にこう言ってみましょう。
「明日の朝、自分で6時半に起きるね」
そして、次の日の朝、目覚まし時計が鳴ったら、がんばって布団から出ます。自分で言ったことを、自分の力でやり遂げるのです。朝起きた瞬間、「やったぞ!自分との約束を守れた!」という最高の気分を味わうことができます。
ステップ2:学校で「係の仕事」を1つ、だまって完璧にやってみる
学校に行ったら、自分の係や日直の仕事を思い出してください。例えば配り係なら、プリントをただ配るだけでなく、「みんなが受け取りやすいように、向きをそろえて、机の右上に置く」という、自分だけの「小さなこだわり」を決めて、それをやり遂げてみましょう。
誰かに「やるね」と言わなくても、心の中で「これをやり遂げる」と決めて実行する。その姿は、見ている人は必ず見ています。先生やクラスの友達が、「〇〇さんって、いつも仕事が丁寧だよね」と気づいてくれるはずです。
ステップ3:友達に「ありがとう」を言葉で届ける
友達が何かを貸してくれたり、助けてくれたりしたとき、「後でありがとうって言おう」と思ったら、その日のうちに必ず「さっきはありがとう!」と伝えに行きましょう。
「感謝の気持ちを伝えること」も、心の中で思った「言いたいこと」をやり遂げる大切な行動です。言おうと思ったことを、そのままにせず、その日のうちに相手に届ける。これだけで、君の周りには温かい笑顔があふれるようになります。
君の言葉には、世界を動かす魔法の力がある
自分の口から出た言葉は、一度空気の中に放たれると、もう消すことはできません。だからこそ、その言葉を大切に扱い、最後まで行動で追いかけることが、自分をキラキラと輝かせる最高の魔法になります。
「言ったことを、最後までやり遂げる人」
その姿は、クラスの中で誰よりも頼もしく、そして最高に「感じがいい人」として、みんなの目に映るはずです。
まずは今日、お家の人に言う「小さな一言」から始めてみませんか? 明日の朝、学校の門をくぐるときの君は、今日よりも少しだけ胸を張って、ワクワクした笑顔になっているはずです!