相手の服装や持ち物を1つ褒める
クラスのみんなと話すとき、「何を話せばいいのかな?」とドキドキすることはありませんか? 本当は仲良くなりたいのに、緊張してうまく言葉が出てこない。そんなとき、とっておきの「魔法の言葉」があります。それは、相手の持ち物や服装を1つだけ褒めることです。
「えっ、それだけでいいの?」と思うかもしれませんね。でも、この小さな習慣こそが、あなたを「クラスでいちばん好かれる子」にする一番の近道なんです。
「あなたのことを見ていますよ」というサイン
言葉には、ただ情報を伝えるだけでなく、「相手との関係をつくる」という大切な役割があります。これを言葉の専門家たちは「語用論(ごようろん)」と呼んでいます。難しい言葉ですが、簡単に言うと「その場にぴったりの言葉を選んで、相手との距離を縮める知恵」のことです。
誰かに「そのペン、かっこいいね!」と言われたら、どんな気持ちになりますか? きっと、「この人は自分の持ち物を見てくれたんだ!」と嬉しくなりますよね。人は誰でも「自分を認めてほしい」「自分に関心を持ってほしい」という気持ちを持っています。服装や持ち物を褒めることは、「私はあなたのことをちゃんと見ていますよ」という、目に見えない優しいメッセージを送るのと同じなのです。
明日からできる!「褒めテクニック」3選
では、具体的にどんなふうに声をかければいいのでしょうか。難しく考える必要はありません。次の3つのポイントを意識してみましょう。
- 「変化」を見つける
いつもと違うところを探してみましょう。「新しいノートだね! 表紙の絵がすごくかわいい」「その靴、ピカピカだね。かっこいい!」といった具合です。変化に気づいてもらえると、相手は「自分を大切に思ってくれている」と強く感じます。 - 「理由」をセットにする
ただ「いいね!」と言うだけでなく、「なぜいいと思ったか」を付け加えると、言葉がぐっと輝きます。「その筆箱、色がきれいだね。僕もそういう青色が好きなんだ!」と伝えてみてください。共感の気持ちが伝わって、会話が自然と弾みます。 - 「質問」でつなげる
褒めたあとに質問をプラスすると、会話がもっと続きます。「そのキーホルダー、面白いね! どこで買ったの?」と聞けば、相手は喜んで教えてくれるはずです。
「社会のルール」を味方につけよう
「社会言語学」という学問では、言葉は「社会の潤滑油(じゅんかつゆ)」だと言われています。機械がスムーズに動くために油が必要なように、人間関係がスムーズにいくためには「褒め言葉」という油が必要なのです。
例えば、係活動のとき。プリントを配っている友達に「その消しゴム、形が珍しくて使いやすそう!」と声をかけてみてください。それだけで、その友達はあなたに対して「この子は優しいな」「一緒にいて楽しいな」という安心感を持ちます。すると、クラス全体が温かい空気になり、あなた自身も過ごしやすくなるのです。
褒めるときの「たった一つの約束」
ただし、一つだけ気をつけてほしいことがあります。それは、「うそをつかないこと」です。自分が本当に「いいな」と思ったことを言葉にしましょう。心がこもっていない言葉は、相手にもすぐに伝わってしまいます。
もし、相手の持ち物でいいところが見つからないときは、どうすればいいでしょうか? そんなときは、相手の「行動」を褒めてみましょう。「さっき、落とし物を拾ってあげていたね。すごく優しくてかっこよかったよ」というふうに。持ち物だけでなく、その人の行いを褒めるのも、相手を笑顔にする素敵な魔法です。
今日から「褒め上手」なあなたへ
明日、学校に行ったら、まずは隣の席の子や、係が一緒の子を一人だけ見つけてみてください。そして、勇気を出して「その靴、いいね!」と声をかけてみるのです。
最初は少し恥ずかしいかもしれません。でも、あなたが勇気を出してかけた言葉は、相手の心をパッと明るくします。そして、笑顔になった相手は、きっとあなたにも優しい言葉を返してくれるでしょう。そうやって、一つずつ「敵を作らない習慣」を積み重ねていくうちに、あなたの周りには、いつも楽しい仲間が集まってくるはずです。
さあ、明日はどんな素敵な持ち物を見つけようかな? そう考えると、学校に行くのが少しワクワクしてきませんか? あなたならきっと、クラスでいちばんの「言葉の魔法使い」になれるはずですよ。