朝起きたら鏡に向かって微笑む
毎朝、目がさめたとき、きみはどんな顔をしていますか?「まだ眠いな」「学校に行きたくないな」と、まゆをひそめていませんか?もしそうなら、今日からひとつだけ、魔法の習慣をはじめてみましょう。それは、「朝、鏡(かがみ)に向かってにっこり笑うこと」です。
「えっ、そんなことで何が変わるの?」と思うかもしれませんね。でも、これはただの気分転換ではありません。脳科学(のうかがく)という、脳のしくみを研究する学問の世界では、この「笑顔」が、きみのまわりの世界をガラリと変える力を持っていることが分かっているのです。
「顔の筋肉」が脳に送るメッセージ
人間の脳は、とても素直で、ちょっぴりだまされやすいところがあります。脳は、きみの体がどんな動きをしているかを感じとって、「今は楽しいんだな」「今は怒っているんだな」と判断します。
ここで大事なのが、「表情(ひょうじょう)」です。実は、脳は「楽しいから笑う」だけでなく、「笑うから楽しいんだな!」と勘違いするという性質を持っているのです。
- 顔の筋肉が動く:口角(こうかく)をキュッと上げると、顔の筋肉が「楽しいときと同じ動き」をします。
- 脳が信号を受け取る:その動きを感じた脳は、「おっ、今はいい気分なんだな」と判断します。
- ハッピーホルモンが出る:すると脳は、きみを幸せにするための「やる気が出る物質」や「安心する物質」を、体の中にドバッと出してくれるのです。
つまり、鏡に向かって笑うだけで、きみの脳は「今日はいい一日になりそうだぞ!」というスイッチが入るのです。これこそが、敵を作らないための第一歩。自分自身を「ごきげん」にすることが、最強の武器になります。
学校生活で「ごきげん」が引き寄せるもの
朝、鏡を見て笑ってから学校へ行くと、不思議なことが起こります。たとえば、こんな場面を想像してみてください。
教室に入ったとき、いつもは「だるいな」と思って下を向いて歩いていませんか?でも、朝からにっこり笑う習慣があるきみは、自然と背筋が伸びて、表情も明るくなっています。すると、クラスの友達はこう思います。
「あれ、今日の〇〇くん(さん)、なんだか話しかけやすそうだな」
実は、人は「楽しそうな人のそばにいたい」という本能を持っています。いつも不機嫌そうな人の近くには、誰も寄りつきませんよね。でも、いつも明るい表情でいる人のまわりには、自然と人が集まってきます。これが、敵を作らないための「ポジティブの磁石」です。
「係の仕事」も「宿題」も、見え方が変わる
この魔法は、学校の「めんどくさいこと」にも効きます。たとえば、やりたくない係の仕事や、山積みの宿題。そんなときも、作業をはじめる前に一度だけ、鏡や窓ガラスに映った自分に向かって「にっこり」してみてください。
脳が「今は楽しい時間なんだ」とだまされてくれるので、不思議と集中力が上がります。神経科学の研究では、ポジティブな感情を持っているとき、脳はふだんの何倍も情報を吸収しやすくなることが分かっています。つまり、笑顔で取り組むだけで、勉強が早く終わったり、係の仕事がスムーズにいったりするのです。
もしも「嫌なこと」があったら?
もちろん、学校では嫌なこともあるでしょう。友達とけんかしたり、先生に注意されたり。そんなとき、心から笑うのは難しいですよね。でも、そんなときこそ「作り笑い」の出番です。
トイレの鏡でいいので、一度だけ口角を上げてみてください。脳は「作り笑い」と「本物の笑い」の区別がつきません。無理やりにでも口角を上げれば、脳は「あれ?今、楽しいのかな?」と勘違いして、イライラを抑える物質を出してくれます。これを知っているだけで、きみは感情をコントロールできる「心の達人」になれるのです。
今日から始める「朝の3秒習慣」
さあ、明日からこれをやってみましょう。
- ステップ1:朝、顔を洗ったら鏡を見る。
- ステップ2:両手で口角を指で持ち上げて、3秒だけキープする。
- ステップ3:自分に向かって「今日も最高の一日にするぞ!」と心の中でつぶやく。
これだけで、きみの脳は「ポジティブモード」に切り替わります。敵を作らない人は、まず自分自身と仲良しです。鏡の中にいる自分を、最高の味方にしてあげてください。きみが笑えば、世界もきみに笑い返してくれますよ。
明日、学校の教室に入るとき、きみはどんな顔でドアを開けますか?きっと、昨日よりもずっと素敵な笑顔で、みんなを驚かせてあげてくださいね。