友達のいいところを言葉にして伝える
みんなは、学校で友達から「その消しゴム、かっこいいね!」「今日の給食の係、テキパキしていてすごいね!」と声をかけられたことはありませんか?
そんなふうに言われたとき、胸の中がパッと明るくなって、その友達のことがなんだか急に好きになりませんか?
人間は、自分を認めてくれる人や、見てくれている人に強い好意を持ちます。心理学や言葉の勉強(学術の世界では「語用論(ごようろん)」と呼びます)の世界では、私たちが使う言葉には、ただ情報を伝えるだけでなく、「相手との関係を良くする大きな力」があることが分かっています。
つまり、うれしい言葉をプレゼントすることは、クラスの友達と一瞬で心の距離を縮める「最強の魔法」なのです。
「心の中の思い」は、言葉にしないとゼロと同じ!?
ここで、少し胸に手を当てて考えてみてください。
- 「あの子はいつもノートを丁寧に書いていてすごいな」
- 「○○くんは、掃除の時間にだれもやりたがらないゴミ箱をきれいに洗っていてえらいな」
- 「私のグループが困っているとき、そっと手伝ってくれてうれしかったな」
みんなの心の中には、友達に対するステキな気持ちがたくさんつまっていますよね。でも、その気持ちを心の中にしまったまま、口を閉ざしていたらどうなるでしょうか?
実は、語用論の考え方では、「心の中で思っているだけでは、相手にはゼロ(伝わっていないのと同じ)」になってしまうのです。
どんなに「すごいな」と思っていても、声に出さなければ、相手には伝わりません。もったいないですよね! だからこそ、あなたの心の中にある「ステキだな」という気持ちを、勇気を出して言葉にしてプレゼントしてみましょう。
明日からできる!「いいところ見つけ」の3つのコツ
「でも、いきなり友達をほめるなんて、ちょっと恥ずかしいな……」
そんなふうに思った人も安心してください。むずかしい言葉を使う必要はありません。小学生の学校生活の中で、今日からすぐに使える「3つのコツ」を紹介します。
コツ1:目に見えた「行動」をそのまま言葉にする
おしゃれな持ち物だけでなく、友達の「がんばっている行動」に目を向けてみましょう。
- 「係の仕事、自分の分が終わったあとも黒板をきれいに拭いてくれていたよね。ありがとう!」
- 「ドッジボールのとき、端っこにいた私に『パスどうぞ!』って言ってくれてうれしかったよ」
- 「ノートの字がすごくまっすぐ書いてあって、見やすいね!」
行動をほめられると、「自分のことを見ていてくれたんだ!」と、友達はすごくうれしい気持ちになります。
コツ2:自分にとって「助かったこと」を伝える
ただ「すごいね」と言うだけでなく、自分がどう感じたかをセットで伝えると、さらに気持ちが伝わります。
- 「○○くんが机を片付けるのを手伝ってくれたおかげで、次の算数の授業に間に合ったよ。助かった、ありがとう!」
- 「グループの話し合いのとき、私の意見を『それいいね!』って聞いてくれたから、安心して発表できたよ」
これを「お礼(サンキュー)の言葉」と「いいところ」の合体技と呼びます。言われた人は、「自分は人の役に立てたんだ!」と自信が持てるようになります。
コツ3:お家のお手伝いでも使ってみる
このコミュニケーション術は、学校だけでなくお家でも大活躍します。
- 「お母さん、今日のお味噌汁、お豆腐が大きくてぼくの好きな味! いつも美味しいご飯を作ってくれてありがとう」
- 「お父さん、洗濯物をたたむの、お店の人みたいに手際がよくてすごいね!」
家族に対しても、いいところを見つけて言葉にすると、お家の雰囲気がパッと明るくなります。家族みんなが笑顔になれる最高のプレゼントです。
言葉のプレゼントは、自分にも返ってくる
友達のいいところを見つけて言葉にするようになると、不思議なことが起きます。
それは、「あなた自身の毎日が、もっと楽しく、ワクワクするようになる」ということです。
人のいいところを探す練習をしていると、自然とクラスのステキなところや、友達のやさしさにたくさん気づけるようになります。ギスギスした気持ちが消えていき、「今日も学校でどんなステキなことを見つけようかな?」と、朝起きるのが楽しみになります。
言葉は、目には見えないけれど、人の心を温めることができる魔法のアイテムです。今日、学校で目が合った友達や、隣の席の友達に、小さな「いいところ」を一つだけ伝えてみませんか?
「ねえ、今日の係の仕事、がんばっていたね!」
その一言から、もっともっと仲良くなれる素敵な関係が始まりますよ。