みんなが嫌がる仕事こそ率先してやる

📖 『クラスでいちばん好かれる子の秘密 〜今日からできる「愛されコミュニケーション」50のルール〜』
ー 第3章:チームで頼られる「協力」の技術 ー
\ 毎日がもっと楽しくなる、すべての小学生へ贈るヒント /
みんなが嫌がる仕事こそ率先してやる
全 50 ページ中 28 ページ目

誰もやりたがらない仕事は、実は「たからばこ」

クラスのなかで、こんなしゅんかんはありませんか?

  • 給食のワゴンを返しに行くのを、みんなが「めんどくさいな」という顔で見ている。
  • 掃除の時間、だれもやりたがらない「トイレ掃除」や「重い机運び」が残っている。
  • 係活動で、一番大変そうな「掲示物の張り替え」をだれがやるか、お見合い状態になっている。

教室がしーんと静まりかえって、みんなが下を向いて「だれかやってくれないかな……」と願っている時間。実はこのしゅんかんこそ、あなたがクラスで一番信頼される子になれる「最大のチャンス」なのです。

「えっ、損をするだけじゃないの?」と思うかもしれません。でも、世の中の「成功している大人」や「みんなから好かれているリーダー」は、みんなこの秘密を知っています。実は、みんなが嫌がる仕事を率先してやることには、科学的な「得する理由」があるのです。

「ゲーム理論」でわかる! 損をして得をとる仕組み

ここで、少しだけ難しい、でもとってもワクワクする「ゲーム理論」というお話をしましょう。これは、人間がどうすれば一番いい結果を出せるかを考える、算数のような学問です。

たとえば、クラスの掃除をみんなでサボったらどうなるでしょう? 教室は汚くなり、先生に怒られ、みんなが嫌な気持ちになりますよね。これは全員にとって「マイナス」の結果です。でも、もしあなたが「よし、僕がやるよ!」と立ち上がったらどうなるでしょうか。

「お返し」したくなる心のスイッチ

ゲーム理論のなかには「返報性(へんぽうせい)」という考え方があります。これは、人から何かいいことをしてもらうと、「自分も何かお返しをしなきゃ!」と自然に思ってしまう心の仕組みのことです。

あなたがみんなの嫌がる仕事を引き受けたとき、周りの友達の心には「あの子、大変なことをやってくれた。すごいな、ありがたいな」という気持ちが生まれます。すると、次にあなたが困ったときや、あなたが何かをお願いしたとき、周りの子は「あのとき助けてもらったから、今度は僕が助けよう!」と、喜んで協力してくれるようになるのです。

つまり、先に「大変なこと」を引き受けることは、未来の自分への「プレゼント」を貯金しているのと同じことなのです。

組織社会学が教える「信頼の貯金」の貯め方

もうひとつ、「組織社会学(そしきしゃかいがく)」という学問の視点からお話しします。これは「グループのなかで、どうすればみんなが仲良くなれるか」を研究する学問です。

クラスという一つの「組織」のなかで、一番パワーを持っているのは誰だと思いますか? 足が速い子でしょうか? 勉強ができる子でしょうか? 実は、一番強いのは「この人がいれば安心だ」とみんなに思われている「信頼ポイント」が高い子なのです。

「あいつなら任せられる」というブランド

みんなが嫌がる仕事をさらっとやってのける子は、周りから「責任感がある子」「みんなのことを考えられる子」という特別なラベルを貼られます。これを社会学では「社会的資本(しゃかいてきしほん)」と呼びますが、簡単に言うと「信頼の貯金」です。

この貯金がたまっていると、たとえばあなたが学級委員に立候補したときや、新しい遊びを提案したときに、みんなが「あの子が言うなら間違いない!」と賛成してくれるようになります。嫌な仕事を一回引き受けるたびに、あなたの言葉には魔法のような「説得力」が宿っていくのです。

明日からできる!「愛され協力術」3つのステップ

「よし、やってみよう!」と思ったあなたへ。ただ闇雲にやるよりも、もっと効果的にみんなから好かれるコツを伝授します。次の3つのステップを試してみてください。

1. 「3秒ルール」で迷いを断ち切る

「だれかやってくれる人?」と言われたとき、時間がたてばたつほど、心の中の「めんどくさいお化け」が大きくなります。だから、3秒以内に「はい!」と手を挙げるか、体が動くように練習してみましょう。この「即決」する姿が、周りにはとてもかっこよく、頼もしく映ります。

2. 「笑顔」で引き受ける

ここが一番のポイントです。嫌そうな顔をして「ちぇっ、しょうがないな」と言いながらやると、せっかくの信頼ポイントが半分になってしまいます。逆に、「いいよ、やっておくね!」と笑顔で引き受けると、周りは「なんて心の広い子なんだ!」と感動します。心の中では「よし、信頼貯金がたまるぞ!」とニヤリとしていてもいいのです。顔はニコニコ、心は冷静にいきましょう。

3. 「一緒にやろう」と声をかける

もしその仕事が一人では大変そうなら、「僕がやるよ! だれか一人手伝ってくれる?」と誘ってみてください。自分から先に手を挙げることで、周りの子も「それなら僕も」と言いやすくなります。これを「呼び水(よびみず)」と言います。あなたは自分だけでなく、周りの子の「親切な心」も引き出したことになり、クラス全体のヒーローになれるのです。

学校生活の具体例:こんなときがチャンス!

具体的に、どんな場面でこの「秘密のルール」を使えばいいか、いくつか例をあげておきますね。

【係活動】人気のない係が残ったとき

生き物係や運動係は人気だけど、地味な「掲示係」や「清掃係」が余ってしまうことがあります。そんなとき、「僕、掲示係やるよ! 教室がきれいになるの、楽しみだし」と言ってみましょう。先生も友達も、「自分のことよりクラスのことを考えているんだな」と、あなたを見る目が変わります。

【授業中】だれも発表しないとき

先生の質問が難しくて、みんなが目をそらしているとき。たとえ答えに自信がなくても、「わかりませんが、こう思いました」と手を挙げてみてください。その場を助けてくれたあなたに、先生は心から感謝し、友達は「勇気があるな」と尊敬のまなざしを向けます。

【家でのお手伝い】お風呂洗いやゴミ出し

実はこれ、学校だけでなくお家でも使えます。お母さんやお父さんが忙しそうなときに、「ゴミ出し、僕が行ってこようか?」と自分から言ってみてください。家族からの信頼貯金がたまると、あなたが「ゲームをもうちょっとやりたいな」とお願いしたとき、聞き入れてもらえる確率がぐんと上がりますよ。

「損」の先にある、最高の宝物

「みんなが嫌がることをやる」というのは、短く見れば「損」に見えるかもしれません。でも、長い目で見れば、それはあなたを「クラスで一番大切な人」に変えてくれる魔法の習慣です。

最初は勇気がいるかもしれません。でも、一度やってみて「ありがとう!」と言われたときの気持ちよさを知れば、もう怖くありません。その「ありがとう」の声こそが、あなたが手に入れた本物の信頼の証なのです。

さあ、明日の学校生活で、何か「だれもやりたがらないこと」が落ちていないか、探してみてください。それを見つけた瞬間、あなたの「愛され大作戦」がスタートします!

📖 『クラスでいちばん好かれる子の秘密 〜今日からできる「愛されコミュニケーション」50のルール〜』
全 50 ページ中 28 ページ目

タイトルとURLをコピーしました