楽しいときは全身で笑顔を見せる
クラスの中に、いつもまわりに人があつまっていて、みんなから「いっしょにいると楽しいな」と思われている子はいませんか?その子は、特別な魔法を使っているわけではありません。実は、「笑顔の伝えかた」が、ほかの人とはちょっとだけちがうのです。
あなたは、うれしいことがあったときや、友だちの話がおもしろかったとき、どんな顔をしていますか?「えへへ」と口の形だけをわらわせて、満足してしまっていないでしょうか。実は、口だけでわらうのは、相手に「本当に楽しいのかな?」と不安をあたえてしまうことがあるのです。
心理学の世界では、心からわらっている笑顔のことを「デュシェンヌ・スマイル」と呼びます。これは、口もとだけでなく、「目のまわりの筋肉」がしっかりと動いている笑顔のことです。脳科学の研究でも、人間は相手の「目」を見て、その人が本当に自分を歓迎してくれているかを、一しゅんで見わける力があることがわかっています。
今日からあなたが「クラスでいちばん好かれる子」になるための、最高にキラキラした笑顔のルールをいっしょに見ていきましょう。
「本物の笑顔」は目から生まれる
想像してみてください。あなたが一生けんめい、昨日あったおもしろい話を友だちにしているとします。そのとき、友だちの口はわらっているけれど、目がじっと動かず、どこか遠くを見ているような気がしたら……。あなたは「あれ?おもしろくないのかな?」「むりしてわらってくれているのかな?」と、少し悲しい気持ちになりませんか?
人間は、言葉よりも「顔の表情」から、相手の本当の気持ちを読みとる天才です。だからこそ、楽しいときは口を横に広げるだけでなく、「目を三日月(みかづき)の形にする」ことを意識してみてください。目の横に小さなシワができるくらい、くしゃっとわらう。これが、相手に「あなたの話、本当におもしろいよ!」という安心感をあたえる最強のサインになります。
「でも、はずかしくてうまく笑えないよ」という人は、鏡の前で練習してみましょう。ポイントは、ほっぺたの筋肉をぐっと上に持ち上げることです。ほっぺたが上がると、自然と目もやさしい形になります。これが、脳が「この人は味方だ!」と判断するしるしなのです。
脳にある「まねっこ細胞」のまほう
なぜ、全身でわらう子が好かれるのでしょうか。そこには、私たちの脳の中にある「ミラーニューロン」という、不思議な細胞が関係しています。私はこれを、わかりやすく「まねっこ細胞」と呼んでいます。
「まねっこ細胞」は、相手の動きや表情を見ると、まるで自分が同じことをしているかのように反応する細胞です。つまり、あなたが全身で「楽しい!」という笑顔を見せると、それを見た友だちの脳の中にある「まねっこ細胞」がはたらき、友だちの心も勝手に「楽しい!」という気持ちになってしまうのです。
- あなたが明るくわらうと、相手も明るい気持ちになる。
- あなたが楽しそうにしていると、相手もワクワクしてくる。
このように、笑顔はまるでインフルエンザのように(でも、とってもハッピーな形で!)まわりの人にうつっていきます。クラスでいちばん好かれる子は、この「笑顔の伝染(でんせん)」をまきおこす天才なのです。あなたがわらうだけで、クラス全体の空気がふわっと明るくなる。そんな素敵なことが、あなたの表情ひとつで起こせるのです。
体全体を「笑顔」にする3つのポイント
笑顔は、顔だけでつくるものではありません。体全体を使って「うれしい!」を表現することで、あなたの魅力は何倍にもアップします。学校生活ですぐに使える、3つのテクニックを紹介します。
1.肩の力をぬいて、体を相手に向ける
係の仕事をしているときや、ノートを書いているときに話しかけられたら、顔だけを向けるのではなく、「おへそ」を相手の方に向けてわらってみてください。心理学では、体の正面を相手に向けることを「オープン・ポジション」と言い、「あなたを心から歓迎しています」という強いメッセージになります。これだけで、話しかけた友だちは「受け入れてもらえた!」と、とても安心します。
2.「声」もいっしょにわらわせる
「あはは!」という笑い声はもちろんですが、返事をするときも笑顔の声を意識しましょう。脳科学では、笑顔で話すと声のトーンが少し上がり、相手にとって心地よい周波数(しゅうはすう)になることがわかっています。給食の時間に「これ、おいしいね!」と言うとき、口角(こうかく)を上げて言うだけで、あなたの言葉はもっとキラキラして聞こえるようになります。
3.手ぶりをプラスする
「すごいね!」「やったね!」と言うとき、手をおひざに置いたままにするのではなく、小さく拍手をしたり、グッドポーズを作ったりしてみましょう。体の一部を動かすことで、あなたの「楽しい」という感情がより大きく、正確に相手に伝わります。全身からエネルギーが出ているような子は、だれだって応援したくなるものです。
おうちでもできる「笑顔のトレーニング」
学校でいきなりやるのがドキドキするなら、まずはおうちで練習してみましょう。おうちの人は、あなたのいちばんのファンです。おうちで「笑顔の秘密」を試すことで、自信をつけていきましょう。
- おてつだいをしたとき: お母さんやお父さんに「ありがとう」と言われたら、最高にまぶしい「全身の笑顔」で「どういたしまして!」と返してみましょう。
- ごはんを食べているとき: 「おいしい!」と言うときに、目をおもいっきり細めて、おいしさを全身で表現してみましょう。
- お風呂あがりに: 鏡の前で、自分の笑顔をチェック。「今日の笑顔は、クラスのみんなをハッピーにできそうかな?」と確認してみてください。
おうちの人が、あなたの笑顔を見てニコニコし返してくれたら、作戦は大成功です。そのときに感じた「心がポカポカする感覚」を、そのまま学校へ持っていきましょう。
「明日、学校でやってみよう!」
さあ、明日の朝、教室のドアをあけるときから作戦開始です。まずは、目が合った友だちに、口もとだけではない、目もいっしょにわらう「本物の笑顔」を届けてみてください。
もし、緊張してうまく笑えなくても大丈夫。大切なのは「あなたに会えてうれしい」という気持ちを、全身で伝えようとすることです。その一生けんめいな気持ちは、脳の「まねっこ細胞」を通じて、必ず相手に伝わります。
あなたがわらえば、世界がわらいます。
クラスのみんなが、あなたの笑顔を待っています。明日の学校が、今まででいちばん楽しみになってきませんか?