貸したものは期限より早く返す

📖 『クラスでいちばん好かれる子の秘密 〜今日からできる「愛されコミュニケーション」50のルール〜』
ー 第5章:もっと仲良くなるための「小さな習慣」 ー
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貸したものは期限より早く返す
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「金曜日までに返せばいいや」が、ものすごくもったいない理由

友達から漫画本を借りたとき、こんなやりとりをしたことはありませんか?

「これ、すごく面白いから読んでみて!金曜日までに返してくれればいいよ!」

そう言われて借りた本を、あなたは月曜日の夜に読み終わりました。「ふう、面白かった!……でも、返すのは金曜日でいいって言ってたし、明日じゃなくて、金曜日に学校へ持っていけばいっか。」

もしあなたがそう思って部屋の机の上に本を置いたとしたら……実は、ものすご〜く「もったいないこと」をしているかもしれません!

クラスでいつもみんなから頼りにされていて、なぜか自然と人が集まってくる「愛されっ子」たちは、借りたものを返すタイミングが、ふつうの人とぜんぜん違います。彼らは読み終わったら、金曜日を待たずに「次の日の朝」にすぐ返します。

「えっ、約束の期限(きげん)を守っていれば、金曜日に返しても同じじゃないの?」と思うかもしれませんね。でも、コミュニケーションの世界では、この「数日間の違い」が、友達からの信頼(しんらい)を何倍にも大きくする魔法になるのです。

どうして「期限より早く返す」だけで、クラスでいちばん好かれるようになってしまうのでしょうか?その秘密を、むかしの人たちの生活を調べる学問と、たくさんのデータをあつめる学問の、ふたつの力を使って解き明かしていきましょう!

大昔から伝わる「こころのバトン」〜文化人類学のおはなし〜

「文化人類学(ぶんかじんるいがく)」という、ちょっとむずかしい名前の学問があります。これは、「人間はむかしから、どうやって仲間と仲良くなり、助け合ってくらしてきたのかな?」ということを研究する学問です。

この学問を研究しているすごい学者さんたちは、世界中のいろいろな地域(ちいき)や、大昔の人たちの暮らしを調べて、ある「大切なルール」を発見しました。それが「物(モノ)の貸し借りは、こころのバトンタッチである」ということです。

大昔の人たちには、お金もお店もありませんでした。だから、お互いに獲(と)ってきたお肉や、集めた果物を「あげる」「貸す」ことで生きていました。でも、ただモノをあげていたわけではありません。

「これ、あげるよ(借りてね)」とモノを渡すとき、人はモノと一緒に「僕は君の味方だよ」「君と仲良くなりたいんだ」という温かい気持ちを渡していたのです。そして、それを受け取った人は、なるべく早く「ありがとう!お返しだよ(返すよ)」と応えることで、「僕も君の味方だよ!」という気持ちを返していました。

つまり、物の貸し借りというのは、単なる「消しゴムの移動」や「本の貸し出し」ではありません。目に見えない「心のバトン」を交換する儀式(ぎしき)なのです。

早く返すほど、相手の胸が「キュン」とする仕組み

友達があなたに「金曜日まででいいよ」と言ってモノを貸してくれたとき、友達の心の中では、目に見えない「バトン」があなたに渡されています。友達は口では「いつでもいいよ」と言いつつも、心のどこかで「大事にしてくれているかな?」「いつ返ってくるかな?」と、ほんの少しだけドキドキしながら待っています。

そんなとき、あなたが「はい!昨日読み終わったから、すぐ持ってきたよ!」と火曜日の朝に返したらどうでしょう?

友達はビックリして、こう思います。
「うわあ!僕が貸したものを、そんなに楽しみにしてくれていたんだ!」
「僕との約束を、こんなに大切にしてくれたんだ!」

期限より早く返すということは、相手に「君のことを大切に思っているよ」という強烈(きょうれつ)なメッセージを送ることと同じなのです。バトンを素早く打ち返すことで、ふたりの間の「心の絆(きずな)」は、貸す前よりも何倍も強くなります。

数でくらべてびっくり!「早く返す子」の信頼パワー〜統計学のおはなし〜

もうひとつ、おもしろい学問を紹介しますね。それは「統計学(とうけいがく)」です。統計学とは、たくさんの人の行動やデータを集めて、「どうしてそういう結果になるのかな?」を数字で解き明かす学問です。

統計学の考え方を使って、人が「相手をどれくらい信用するか」を計算してみると、とてもおもしろいことがわかります。

例えば、クラスの友達に「約束」について点数をつけてもらうと、こんな数字の差が出てきます。

  • 期限(きげん)に遅れて返す子:信頼度 10点(「もう絶対に貸したくない…」と思われる)
  • 期限ピッタシに返す子:信頼度 100点(「うん、普通に約束を守る子だな」と思われる)
  • 期限より早く返す子:信頼度 200点!(「すごすぎる!めちゃくちゃ信頼できる!」と思われる)

ここで注目してほしいのは、「期限通り」と「期限より早い」の間の、大きな点数の差です!

人間には、「予想していたことよりも良いことが起こると、脳がすごく感動して、その相手を大好きになる」という心のクセがあります。統計的にも、人は「期限を守った(100点)」ときよりも、「予想を裏切る速さで返してくれた(200点)」ときに、一気に相手への評価を上げることが証明されているのです。

「あの人は安心できる」というデータの蓄積(ちくせき)

統計学では、「同じ良い行動が何回くり返されたか」を重視します。

あなたが何かを借りるたびに、いつも期限より早く返していると、クラスの友達みんなの頭の中に「〇〇ちゃん(くん)に物を貸すと、いつもすぐに無事で返ってくる」という最高のデータが蓄積されていきます。

すると、どうなると思いますか?

あなたがうっかり何かを忘れたとき、みんなが「いいよ!僕の使いなよ!」「私の貸してあげる!」と、喜んで助けてくれるようになります。なぜなら、あなたの「信頼データ」がクラスで一番高くなっているからです。「貸したものは期限より早く返す」という小さな習慣ひとつで、あなたはクラス中で一番の「安心できる人(愛されっ子)」になれるのです。

明日からできる!「ハイスピード返却」3つのテクニック

「早く返すと良いのはわかったけれど、どうやったら早く返せるの?」
大丈夫です!今日からすぐできて、友達から「かっこいい!」と思われる、3つの簡単なテクニックを教えてあげますね。

① 借りた瞬間に「マイ・タイムリミット」を決める

友達から「来週の月曜日までに返してね」と言われたら、あなたの心の中のノートには「金曜日までに返す」と書いてしまいましょう!

相手が言った期限よりも「1日〜2日早く返す日」を、自分だけの本当の期限(マイ・タイムリミット)にしてしまうのです。

学校の図書室で借りた本や、先生から借りた道具も同じです。「返す日」を自分で早めにセットしておけば、うっかり忘れて遅れてしまうことも絶対になくなりますよ。

② 返すときに「サンキューメモ」を1枚はさむ

ノートや本、ゲームなどを返すとき、小さなお手紙(付箋やメモ用紙でOK!)を1枚だけペラッと挟んでおきましょう。

メモに書く言葉は、たったこれだけで十分です。

  • 「かししてくれて ありがとう!すごく助かったよ!」
  • 「めちゃくちゃ面白かった!ありがとう!」

早く返ってきただけでも嬉しいのに、こんなメモが入っていたら、友達は嬉しくて踊り出したくなっちゃうかもしれません。お金もかからない、最高のプレゼントになります。

③ 「借りた感想」をひとことプレゼントする

物を返すとき、ただ「はい、ありがと!」と渡して終わりにしていませんか?
愛されコミュニケーション達人は、返すときに必ず「最高の感想」をセットにして渡します。

  • 消しゴムを借りたとき:「これ、すごくキレイに消えてビックリした!ありがとう!」
  • 赤ペンを借りたとき:「スラスラ書けて丸つけがはかどっちゃった!助かったよ!」
  • 係の道具を借りたとき:「〇〇ちゃんが貸してくれたおかげで、係の仕事が早く終わったよ!」

自分が貸したモノを褒められたり、感謝されたりすると、人は「貸してよかったなぁ!」と心から幸せな気持ちになります。

こんなときどうする?「うっかり遅れそう!」の神対応

どれだけ気をつけていても、「借りた本を家に忘れてきちゃった!」「借りていた消しゴムを、どこかに無くしちゃったかも…」というピンチはやってきます。

そんなとき、一番やってはいけないのは「怒られるのがこわいから、黙っておくこと」です。黙っていると、あなたの信頼データは100点から一気に「0点」まで落ちてしまいます。

もし遅れそうになったら、次の「神対応ルール」を思い出してください。

【遅れそうなときの神対応3ステップ】

  1. 期限が来る前に、自分から謝る
    (例:「ごめんね!今日持ってくる予定だったのに、机の上に忘れてきちゃった…!」)
  2. 「次にいつ返すか」を自分からハッキリ言う
    (例:「絶対に明日持ってくるから、明日まで待ってもらえるかな?」)
  3. 新しく約束した日は、絶対に一番に返す!

人は、「言われてから言い訳する人」にはガッカリしますが、「怒られる前に自分から正直に言って頭を下げる人」のことは、「正直で誠実な子だな」と、かえって見直してくれるものです。

失敗したときこそ、本当の友達関係を作るチャンスに変えることができますよ。

「早く返す」は、あなたを輝かせる最高の魔法

学校生活の中には、たくさんの「貸し借り」があります。
授業中の定規やハサミ、図工の絵の具、体育のゼッケン、休み時間に遊ぶカードゲーム、係活動のファイル……。

明日学校に行ったら、自分のランドセルや引き出しの中を、チラッと覗いてみてください。
もし、友達や先生から借りっぱなしになっているものがあったら、大チャンスです!

「これ、貸してくれてありがとう!」と言って、今すぐ笑顔で返しに行ってみましょう。

あなたが「素早く返す」という小さな習慣を身につけた瞬間から、クラスの友達はあなたのことを「約束を絶対に守る、かっこいい人」「大切なものを安心して任せられる、最高の友達」として見始めるようになります。

期限より早く返す。そのわずか数分のスピードが、あなたの学校生活をワクワクする友情でいっぱいにしてくれるのです!

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