第7章:グループの輪を広げる「混ぜる」技術
違うグループの子とも積極的に話す
ねえ、みんな。学校で過ごす時間って、とっても長いよね。その中で、いつも一緒にいるお友だちのグループって、きっとあると思うんです。
給食の時間も、休み時間も、帰り道も、いつものメンバーでワイワイ過ごすのは、とっても楽しいことですよね。安心できるし、話も合うし、気を使わなくていいから、すごく楽ちん。それは、とっても大切な時間です。
でもね、もしあなたが「クラスのみんなともっと仲良くなりたいな」「なんだか、あのグループの子とは話しにくいな」「もっといろんな人と話してみたいな」って、少しでも思っているなら、今日から使えるとっておきの魔法を教えちゃいます。
それは、「いつもと違うグループの子とも、積極的に話してみる」という魔法です。
「えー、むずかしいよ!」「なんて話しかければいいの?」って思った人もいるかもしれませんね。大丈夫! この魔法は、誰でもすぐに使えて、しかも、クラスのみんなと「敵をつくらない」ために、とっても大切な魔法なんです。
この魔法を使うと、あなたの学校生活は、もっともっと楽しく、そして、もっともっと心強いものに変わっていきますよ。
なぜ「違うグループの子」と話すべきなの? クラスの「つながり」のヒミツ
「なんで、わざわざいつもと違う子と話さなきゃいけないの?」って思う人もいるかもしれません。だって、いつものグループの子と話す方が、断然楽ちんだもんね。
でもね、実は、クラスという大きなグループが、もっともっと楽しく、もっともっと強くなるための大切なヒミツがあるんです。これは、大学の先生たちが「組織社会学(そしきしゃかいがく)」っていう難しい名前で研究していることなんだけど、小学生のみんなにもわかるように、簡単に説明しますね。
クラスは大きな「つながりの網(あみ)」
あなたのクラスを、大きな「つながりの網」だと想像してみてください。みんな一人ひとりが、その網の「点」です。そして、お友だちと話したり、一緒に遊んだりするたびに、その点と点の間に「線」が生まれます。これが「つながり」です。
いつも同じグループの子とばかり話していると、そのグループの中では、たくさんの線が生まれて、すごく強い網になります。でも、そのグループの外には、あまり線が伸びていきません。例えるなら、網の真ん中に、すごく太い糸でできた小さなかたまりがあるような状態です。
でもね、もし網全体に、たくさんの線が、いろんな方向に伸びていたらどうでしょう? たとえどこか一部の線が切れても、他の線で支え合うことができるから、網全体が壊れにくくなりますよね。それに、新しいものが引っかかりやすくなります。
クラスもこれと一緒です。いつも同じ子とばかり話していると、そのグループの中の情報や考え方しか、あなたのところには入ってきません。でも、違うグループの子と話してみると、今まで知らなかった面白いことや、新しい考え方、別の遊び方が、どんどんあなたのところに届くようになるんです。
大学の先生たちは、この「つながり」のことを「ネットワーク」と呼んでいます。このネットワークが、いろんな人に広がっているクラスほど、困ったことがあったときに助け合えたり、新しいアイデアが生まれやすかったり、みんながもっと楽しく過ごせるようになる、ということが分かっているんです。
つまり、あなたが違うグループの子と話すことは、あなた自身の世界を広げるだけでなく、クラス全体を、もっともっと素敵な場所に変える魔法なんですよ!
「混ぜる」魔法のすごいメリット!
違うグループの子と話す「混ぜる」魔法には、たくさんの良いことがあります。
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新しい「面白い」が見つかる!
「え、そんな遊び方があるんだ!」「あのゲーム、そんな裏ワザがあったの!?」「このマンガ、そんな展開になってるんだ!」って、今まで知らなかった新しい発見がたくさんあります。違うグループの子は、あなたとは違う趣味や得意なことを持っていることが多いから、話すだけで、あなたの世界がどんどん広がっていくんです。
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困ったときに助けてくれる人が増える!
もしあなたが宿題で困っていたり、忘れ物をしてしまったり、何か悩みごとがあったりしたとき、いつも話さない子にも声をかけやすくなります。話したことがある子なら、「あ、あの人なら教えてくれるかも」「ちょっと聞いてみようかな」って、頼れる人が増えるんです。これは、あなたが一人で抱え込まずに済む、とっても大切なことですよ。
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自分の「得意」が広がる!
あなたは絵を描くのが得意ですか? それとも、計算が早いですか? 走るのが速い? 誰かを笑わせるのが得意? 違うグループの子と話すことで、あなたの「得意」が、もっとたくさんの人に知ってもらえます。「〇〇ちゃんって、絵が上手なんだね! 私も教えてほしいな」「〇〇くん、いつも面白いこと言うよね!」って言われたら、嬉しいですよね。そして、他の子の得意なことからも、あなたは新しいことを学べます。
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「敵」が生まれにくくなる!
これが、この本のテーマ「敵をつくらない魔法」に一番つながる部分です。人は、よく知らない相手に対して、勝手に「きっとこんな人だろう」って想像してしまったり、少しのことで誤解してしまったりすることがあります。でも、実際に話してみると、「あれ? 意外と優しい人だった」「こんな面白い一面があるんだ!」って、相手のことを正しく理解できるようになります。
話すことで、お互いの気持ちが分かり合えて、ちょっとしたすれ違いが大きなケンカになる前に、「ごめんね」「大丈夫だよ」って解決できるようになるんです。これは、クラスのみんなが気持ちよく過ごすために、とっても大切なことですよ。
さあ、実践!「混ぜる」魔法の具体的なステップ
「よし、違うグループの子とも話してみよう!」って思っても、いきなり何をすればいいか、迷っちゃいますよね。大丈夫! 小学生のみんなでも、すぐにできる小さな一歩から始めていきましょう。
ステップ1:あいさつから始める「小さな一歩」
これが一番簡単で、一番大切な魔法です。
- 笑顔で「おはよう!」「こんにちは!」
教室に入ったとき、廊下ですれ違ったとき、いつも話さない子にも、笑顔で、ちょっと大きめの声で「おはよう!」って言ってみてください。相手も「おはよう!」って返してくれるはずです。たったこれだけでも、あなたとその子の間に、小さな「つながり」が生まれます。
- 「ありがとう」「ごめんね」も忘れずに
もし、物を貸してもらったり、助けてもらったりしたら、必ず「ありがとう!」と伝えてください。もし、ぶつかってしまったり、何か迷惑をかけてしまったりしたら、すぐに「ごめんね」と謝りましょう。この二つの言葉は、どんなグループの子とでも、気持ちよく過ごすための、最強の魔法の言葉です。
ステップ2:共通の「話題」を見つける天才になろう
話しかけるとき、何を話せばいいか迷いますよね。でも、学校には、みんなが共通で話せる話題がたくさんあります!
- 授業のこと
「今日の算数の問題、難しかったね」「この前の理科の実験、面白かったね!」など、授業の内容は、みんなが経験していることだから、話しやすい話題です。
- 宿題のこと
「この宿題、どうやるんだっけ?」「ここ、もうやった?」など、ちょっとした質問から会話が生まれることもあります。
- 給食のこと
「今日の給食、〇〇で美味しいね!」「このおかず、好き?」など、目の前にあるものについて話すのも、自然なきっかけになります。
- 係活動や委員会活動のこと
「〇〇係の仕事、大変だよね」「この前の委員会、どうだった?」など、共通の役割がある子には、その話題で話しかけやすいです。
- テレビやゲーム、最近の出来事
「きのうの〇〇、見た?」「このゲーム、面白いよね!」など、みんなが見ているテレビ番組や、流行っているゲーム、クラスで話題になっていることなども、良いきっかけになります。
ポイントは「観察すること」です。その子がどんなものを持っているか、どんな話をしているか、ちょっと観察してみると、共通の話題が見つかるかもしれませんよ。
ステップ3:きっかけを「つくる」魔法
ただ待っているだけじゃなくて、自分から会話のきっかけを作ってみましょう。
- 物を貸す・借りる
「消しゴム忘れた! 誰か貸してくれない?」って困っている子がいたら、「はい、どうぞ!」って貸してあげましょう。逆もしかり。「ごめん、鉛筆の芯が折れちゃった! 誰か貸してくれる?」って、自分から声をかけてみましょう。物を貸し借りするだけで、ちょっとした会話が生まれます。
- ちょっとした質問
「そのノート、どこで買ったの? かわいいね!」「その絵、上手だね! 何描いてるの?」など、相手が持っているものや、やっていることについて、軽い気持ちで質問してみましょう。質問された方は、悪い気はしないものです。
- 困っている子を助ける
もし、誰かが重いものを持っていたり、何か落とし物をしたり、困っている様子だったら、「手伝おうか?」「これ、落としたよ!」って声をかけてみましょう。助けてあげたことで、自然と会話が生まれます。
- 感想を伝える
「今日の発表、すごく分かりやすかったよ!」「その服、似合ってるね!」など、相手の良いところや、感じたことを素直に伝えてみましょう。相手はきっと喜んでくれるし、そこから会話が始まることもあります。
ステップ4:「聞き上手」は最強の魔法
話しかけることも大切だけど、相手の話をしっかり聞くことは、もっともっと大切な魔法です。
- 相手の話を最後まで聞く
途中で口を挟まずに、相手が話し終わるまで、しっかり耳を傾けましょう。
- うなずく、相づちを打つ
「うんうん」「へえー」「そうなんだ!」って、相手の話に合わせてうなずいたり、相づちを打ったりすると、「ちゃんと聞いてくれているな」って相手は安心します。
- 質問で話を広げる
「それで、どうなったの?」「なんでそう思ったの?」など、相手の話に興味を持って、さらに質問してみましょう。相手は「もっと話したい!」って思ってくれるはずです。
相手の話をしっかり聞くことで、その子のことや、その子のグループのことがもっとよく分かって、「敵をつくらない」ための理解が深まります。
ステップ5:グループ学習や係活動を「チャンス」に変える
授業中のグループ学習や、係活動、委員会活動は、いつもと違う子と話す絶好のチャンスです。
- 積極的に意見を言う、聞く
「私はこう思うんだけど、どうかな?」「〇〇くんは、どう思う?」など、自分から意見を言ったり、他の子の意見を聞いたりしてみましょう。みんなで一つのことを作り上げる中で、自然と会話が生まれます。
- 役割分担を工夫する
「じゃあ、〇〇くんは、これお願いできる?」「〇〇ちゃんは、こっち手伝ってくれる?」など、みんなで協力して役割を分担することで、普段話さない子とも協力関係が生まれます。
ステップ6:休み時間の「ちょっとした勇気」
休み時間は、自由な時間だからこそ、ちょっと勇気が必要です。
- 誘ってみる、誘われたら行ってみる
「ねえ、〇〇して遊ばない?」「一緒に鬼ごっこしない?」って、自分から誘ってみるのもいいし、もし誘われたら、「うん、行く!」って、積極的に参加してみましょう。最初はドキドキするかもしれないけど、きっと楽しい時間が待っています。
- 見ているだけでもOK
もし、いきなり話しかけるのが難しいと感じたら、まずは、違うグループの子たちがどんな遊びをしているか、どんな話をしているか、ちょっと離れたところから「見てみる」だけでも大丈夫です。そこから「あ、私もこれ好きだな」「この遊び、面白そう!」って、共通の興味が見つかるかもしれません。
ステップ7:オンラインでも「混ぜる」魔法
最近は、学校のタブレットや、家でゲームをしたり、チャットで話したりする機会も増えましたよね。オンラインでのコミュニケーションも、「混ぜる」魔法を使うチャンスです。
- ゲームで協力する
もし、みんなで遊ぶオンラインゲームがあったら、「一緒にやらない?」「ここ、手伝うよ!」って声をかけてみましょう。ゲームの中で協力することで、自然と仲良くなれます。
- チャットで質問する、答える
もし、授業で使うチャットなどがあったら、分からないことを質問したり、誰かの質問に答えてあげたりすることも、つながりを作るきっかけになります。
「混ぜる」魔法で、クラスはもっと楽しくなる!
どうでしたか? 「違うグループの子とも積極的に話す」って、実はそんなに難しいことじゃないって感じてもらえたでしょうか?
最初はちょっとドキドキするかもしれないけど、あいさつから、ちょっとした質問から、小さな一歩を踏み出してみてください。あなたが少し勇気を出すだけで、クラスの中の「つながりの網」は、どんどん広がり、もっともっと強くなっていきます。
そして、その網が広がるほど、あなたはたくさんの新しい発見をして、困ったときにはたくさんの人に助けてもらえて、クラスのみんなと「敵をつくらない」最高の学校生活を送れるようになるはずです。
明日、学校に行ったら、まずは笑顔で、いつも話さない子に「おはよう!」って言ってみませんか? その小さな一歩が、あなたの、そしてクラスのみんなの未来を、もっと明るく、もっと楽しく変える魔法の始まりになるでしょう!