相手の目を見て明るい声で話す
朝、教室のドアをあけたとき、黒板のほうから「おはよう!」と元気な声が聞こえると、それだけでなんだかワクワクした気持ちになりませんか? 逆に、小さな声でボソボソと言われると、「あれ? 怒っているのかな?」「声をかけづらいな……」と、すこし不安になってしまいますよね。
学校は、毎日たくさんの友だちや先生とすごす場所です。もっと仲良くなりたいな、おしゃべりしたいなと思う人がいるなら、まずは「自分の話し方」をすこしだけ変えてみるのが近道です。きょうは、「相手の目を見て、明るい声で話す」という、だれでもすぐにできる魔法のようなコミュニケーションのコツをいっしょに見ていきましょう!
学校生活のこんな場面、ありませんか?
みんなは、友だちや先生と話すとき、どんなふうに声をかけていますか? 日常の中でよくある場面を思い出してみましょう。
- 給食当番のとき、ともだちに「牛乳をどうぞ」と渡すとき
- 係の仕事をするときに、「ノートを配るのを手伝って」と頼むとき
- 休み時間に「いっしょにドッジボールしよう!」と誘うとき
- 先生に「宿題を忘れました」と報告するとき
こんなとき、もし下を向いたまま、モゴモゴとした小さな声で話していたら、相手にはどう伝わるでしょうか。「本当はやりたくないのかな」「話しかけないでほしいのかな」と、せっかくのやさしい気持ちが、相手にうまく届かないかもしれません。もったいないですよね!
社会言語学から学ぶ「言葉の力」
実は、人間がコミュニケーションをとるとき、言葉そのものの意味よりも、「どうやって話しているか(声の大きさや、目の合わせ方)」のほうが、相手に与える印象を大きく決めているということが、社会言語学(しゃかいげんごがく)という学問の研究で分かっています。
社会言語学とは、「人と人が言葉を使って、どうやって社会のつながりや人間関係をつくっているのか」を研究する学問です。この研究によると、人間は言葉を交わすとき、相手の「目を見る」ことで、「あなたを信頼していますよ」「あなたに興味がありますよ」というサインを送っています。そして、「明るい声」で話すことで、「私はあなたと楽しくお話ししたいです!」というハッピーな気持ちを伝えているのです。
つまり、目を見て明るい声で話すことは、相手の心を開くための「合い言葉」のようなものなのです。言葉のキャッチボールをするための、一番大切な準備だといえます。
ステップ1:相手の「どこ」を見たらいいの?
「相手の目を見て話す」と言われると、「ずっとジッと見つめないといけないの? それはちょっと恥ずかしいな……」と思いますよね。大丈夫です、ずっと見つめる必要はありません!
小学校の教室でできる、おすすめのコツがあります。
- 話し始めるときに、一瞬だけ目(正確には「眉間(みけん)」や「鼻のあたりのパーツ」)を見る
- 会話の途中で、時々チラッと目を合わせる
- ずっと見つめるのが恥ずかしいときは、「相手の鼻」や「首元」を見る(これでも、相手からはちゃんと目を見ているように見えます!)
これなら、恥ずかしがり屋さんでもできそうですね。「あなたの話をちゃんと聞いていますよ」という気持ちを込めて、話の最初と、大切なところで「パッ」と目を合わせるのがポイントです。
ステップ2:「明るい声」ってどんな声?
次に、「明るい声」について考えてみましょう。明るい声とは、叫ぶような大声のことではありません。自分のふだんの声よりも、すこしだけ高いトーンで、ハキハキと発音する声のことです。
ためしに、声に出して練習してみましょう。
- 下を向いて、「おはようございます」と言ってみる(暗い声)
- 顔をあげて、すこし高い声で「おはようございます!」と言ってみる(明るい声)
どうですか? 明るい声のほうが、自分自身の気持ちもパッと明るくなりませんか? 社会言語学の実験でも、声のトーンが高いほうが、聞いた人に「元気で親しみやすい人だ」という印象を与えることが分かっています。廊下ですれちがう先生や友だちには、この「明るい声」を意識するだけで、好印象まちがいなしです。
明日からできる!「神」コミュニケーションのトレーニング
さあ、ここまでの秘密を頭に入れたら、いよいよ実践です! 明日から、学校でできる「目を見て明るい声で話す」ための小さなミッションにチャレンジしてみましょう。
ミッション1:登校したら、先生や班長さんに自分から「おはよう!」
学校に着いて教室に入るとき、または校門で先生や班長さんに会ったとき。一歩すすんで、相手の目をすこしだけ見て、「おはようございます!」と明るい声を響かせてみましょう。これだけで、その日の学校生活がすごく楽しいものになります。
ミッション2:給食や係の活動で「ありがとう」をセットで伝える
給食の配膳のときにお盆を受け取るときや、ノートを配ってもらったとき。ただ受け取るだけでなく、相手の目をパッと見て、少し高めの声で「ありがとう!」と言ってみましょう。言われたほうは、「うれしいな、この人とまたいっしょに係をやりたいな」と感じてくれます。
ミッション3:おうちでもお母さん・お父さんに試してみる
学校だけでなく、おうちでもトレーニングしてみましょう。学校から帰ってきたとき、お母さんやお父さんの顔をしっかりと見て、「ただいま! 今日ね、学校でこんなことがあったよ!」と明るい声で話しかけてみてください。家族みんなが笑顔になって、きっと温かい気持ちになりますよ。
最初から完璧にできなくても、まったく心配いりません。「相手の目を見るの、すこしできたな」「昨日よりも明るい声が出せたな」という小さな「できた!」を、自分でたくさん褒めてあげてください。
目を見て、明るい声で話す。そのほんの小さな勇気が、あなたのまわりにすてきな笑顔と、たくさんの「ともだち」を連れてきてくれます。明日からの学校生活で、ぜひ試してみてくださいね!