相手の価値観を「そういう考え方もある」と認める
クラスには、いろんな人がいますよね。休み時間にドッジボールをしたい人もいれば、教室で静かに本を読みたい人もいます。給食のカレーは「甘口派」もいれば、「辛口派」もいるかもしれません。
そんなとき、自分の意見とちがう人に対して「えー、それ変だよ!」「絶対こっちのほうがいいに決まってるじゃん!」と言いたくなったことはありませんか?
実は、クラスでみんなから愛される人は、そんなときにとっても不思議な魔法を使っています。その魔法とは、「そういう考え方もあるんだね」と、相手のちがいをそのまま受け入れることです。
「みんなちがう」は、世界中のあたりまえ
文化人類学(ぶんかじんるいがく)という、世界中のいろんな場所の暮らしや考え方を研究する学問があります。この学問では、「どの考え方が正しいか」よりも「その人はどうしてそう考えるようになったのか」を大切にします。
たとえば、ある国では「残さず食べるのがマナー」ですが、別の国では「お皿を空っぽにするのは、もっと食べたいという合図で失礼」とされることがあります。どちらが正しいのでしょうか? 答えは、「どちらも正しい」です。その場所で育った人にとっては、それが「あたりまえ」だからです。
クラスも同じです。あなたが「宿題は先に終わらせるのがいい」と思っていても、友達は「夜にまとめてやるほうが集中できる」と思っているかもしれません。それは、その友達が悪いわけではなく、「ちがう環境で育ったから、ちがう考え方を持っているだけ」なのです。
統計学が教える「ちがうからこそ強くなる」理由
統計学(とうけいがく)という、数字を使って物事を分析する学問では、「みんなが同じ考え方だと、新しい発見が生まれない」ということがわかっています。全員が同じ意見だと、失敗に気づけなかったり、もっといいアイデアを思いつかなかったりするからです。
クラスの係活動で、みんなが「ポスターを作ろう」と言っているときに、「私は動画で紹介したいな」と言う人がいたらどうでしょう? 多くの人は「みんなとちがうことをするな」と怒るかもしれません。でも、もしその動画がすごく面白かったら、クラスのみんなはもっと喜んでくれるかもしれませんよね。
ちがう考え方は、あなたにとっての「新しい武器」です。相手の考えを認めることは、自分の世界を広げることでもあるのです。
明日からできる「魔法のフレーズ」
では、具体的にどうやって相手の考えを認めればいいのでしょうか。まずは、心の中でつぶやくだけでも効果がある、魔法のフレーズを使ってみましょう。
- 「なるほど、そういう考え方もあるんだね」
- 「そういう見方もあるのか。面白いね!」
- 「私はこう思うけど、君の意見もいいと思うよ」
これらを言うだけで、相手は「あ、この人は僕(私)のことを否定しないでいてくれるんだ」と安心します。安心できる相手には、人は自然と心を開きたくなるものです。これが、無意識に味方を増やす一番の近道です。
「否定しない」だけで、あなたはクラスのリーダーになれる
もし、友達があなたの意見とちがうことを言ったとき、反射的に「でも!」と言いたくなったら、一度だけ深く深呼吸をしてみてください。そして、こう考えてみましょう。
「この人は、私とはちがう星から来た宇宙人なんだ」
そう思うと、不思議とイライラしなくなります。宇宙人なら、考え方がちがうのはあたりまえですよね。その「ちがい」を面白がれるようになったとき、あなたはクラスの中で「この人と話すと、なんだかホッとする」「自分のことをわかってくれる」という特別な存在になれます。
相手の価値観を認めることは、相手を「降参させる」ことではありません。相手を「大切にする」ことです。あなたが相手を大切にすれば、相手も必ずあなたのことを大切にしてくれるようになります。それが、クラスという小さな社会で、みんなから愛されるためのもっとも強力な魔法なのです。
さあ、明日の休み時間、誰かがあなたの考えとちがうことを言ったら、ぜひこう言ってみてください。「なるほど、そういう考え方もあるんだね!」と。その一言で、あなたのまわりには、昨日までよりもずっと多くの味方が集まってくるはずですよ。