自分を嫌いにならず大切にする
「どうして自分は、あの子みたいに足が速くないんだろう」「またテストでミスをしちゃった。自分って本当にダメだなあ」。そんなふうに、自分のことを少しだけ嫌いになりそうなとき、ありませんか?
実は、クラスでみんなから愛されている人は、誰よりも自分のことを大切にしています。自分を大切にする人は、心に「余裕」が生まれます。その余裕が、周りの人への優しさとなってあふれ出し、結果として「この人といると安心するな」と、みんなが自然と集まってくるのです。
自分を嫌いにならず、大切にする。これは、魔法のようにあなたの周りに味方を増やすための、一番の近道です。
「自分」という一番の親友を裏切らない
もし、あなたの親友が失敗して落ち込んでいたら、なんて声をかけますか? 「そんなのダメだよ!」と怒りますか? いいえ、きっと「大丈夫だよ、次はできるよ」「一生懸命やったんだから、すごいよ!」と励ますはずです。
それなのに、どうして自分自身には「ダメなやつだな」なんて厳しい言葉をかけてしまうのでしょうか。世界中の誰よりも、あなた自身が、あなたの一番の親友でいてあげてください。
文化人類学という学問の世界では、昔から「自分を認める力」がある人は、どんな場所に行っても仲間を作り、幸せに生き抜くことができるとわかっています。自分を大切にすることは、わがままになることではありません。自分の心という「一番の基地」を、いつも居心地のいい場所にしておくことなのです。
「自分を認める」ための3つの小さな習慣
自分を大切にするのは、特別なことではありません。今日からできる、簡単な「心の魔法」を3つ紹介します。
- 「できたこと」を3つだけ数える
夜、寝る前に「今日できたこと」を3つだけ思い出してみてください。「給食を全部食べた」「忘れ物をしなかった」「友達に自分から挨拶をした」。どんなに小さなことでもいいんです。統計学のデータでも、自分の小さな成功に目を向けるだけで、心のエネルギーがぐんと上がることがわかっています。 - 鏡を見て「今日も頑張ったね」とつぶやく
朝、顔を洗ったときや、学校から帰ってきたときに鏡を見てください。そして、自分に向かって「今日も頑張ったね」と声をかけてあげましょう。声に出すことで、脳は「自分は大切にされているんだ」と勘違いして、自信がわいてくるのです。 - 「苦手」を「のびしろ」と言い換える
算数の計算が遅くても、それは「ダメ」なのではなく「これから速くなるのびしろがある」ということです。苦手なことがあるのは、あなたがまだ成長の途中にいるという証拠。そう考えると、自分を嫌いになる必要なんてないと思いませんか?
「みんなと違う」は、あなたの宝物
世界中の文化を研究する文化人類学では、人はそれぞれ「違う」からこそ助け合えるという考え方をとても大切にします。もしクラス全員が同じ性格で、同じことしかできなかったら、運動会も係活動も困ってしまいますよね。
あなたが「自分はここが苦手だな」と思っているその場所は、実は誰か他の人が得意な場所かもしれません。そして、あなたが何気なくやっている「好きなこと」や「得意なこと」は、誰かにとっては憧れの能力かもしれません。
自分を大切にするとは、「自分というオリジナルの物語を愛すること」です。他の誰かになろうとしなくていいのです。あなたには、あなたにしか奏でられない音があります。その音を大切にしている人には、必ず同じように自分を大切にしている素敵な友達が引き寄せられてきます。
「自分を大切にする人」の周りには、なぜ人が集まるのか
統計学的に見ると、自分のことを肯定している人(自分のことを「まあ、いいか」と思えている人)は、他人の失敗に対しても寛容であることがわかっています。自分が完璧ではないと知っているから、友達が失敗しても「そんなこともあるよね」と笑って許せるのです。
クラスでいちばん好かれる人は、この「許しの心」を持っています。あなたが自分を大切にすればするほど、あなたの心には優しさという「貯金」がたまっていきます。その貯金がたまればたまるほど、あなたはクラスのみんなに優しさを分けてあげることができるようになります。
さあ、明日学校に行ったら、まずは自分自身に「おはよう」と優しく声をかけてあげてください。「今日も一日、一緒に頑張ろうね」と、自分という最高の相棒に語りかけるのです。
自分を大切にすることは、世界で一番かんたんで、世界で一番強力な「味方を増やす魔法」です。あなたがあなたであることを、あなたが一番に誇りに思ってください。そうすれば、明日からの景色が、今までよりもずっと明るく、そして温かいものに変わっていくはずですよ。