相手が好きなことについて質問する
クラスで「この人、いつも楽しそうだな」「話していると、なんだか元気になるな」と思われる子がいますよね。そんな人気者の秘密、実はとってもシンプルなんです。それは、相手が「大好きなこと」について、キラキラした目で質問をしているからなんです。
みなさんは、友だちと話すとき、こんなふうに考えていませんか?
「何か面白いことを言わなきゃ」「うまく話して笑わせなきゃ」。
でも、安心してください。実は、相手に好かれるために一番大切なのは「自分が話すこと」ではなく、「相手に気持ちよく話してもらうこと」なんです。
脳が「よろこぶ」魔法の質問
なぜ、好きなことについて聞くと、相手はあなたを好きになるのでしょうか。これには、脳のふしぎな仕組みが関係しています。
脳科学の世界では、自分の好きなことや得意なことについて話しているとき、脳の奥深くにある「報酬系(ほうしゅうけい)」という場所が刺激されることがわかっています。これは、おいしいケーキを食べたり、ゲームで勝ったりしたときと同じように、脳が「うれしい!」「もっとやりたい!」と感じる仕組みです。
つまり、あなたが友だちの好きなことについて質問をすることは、相手の脳に「おいしいごちそう」をプレゼントしているのと同じなのです。あなたが質問をすればするほど、相手の脳は「この人と話していると、すごく楽しい気分になる!」と記憶します。これが、好感度がぐんぐん上がる理由です。
「聞き方のコツ」は、宝さがし
では、具体的にどんな質問をすればいいのでしょうか。ポイントは、相手の言葉の中に隠れている「宝もの」を見つけることです。
たとえば、隣の席の子が「昨日、新しいゲームを買ったんだ」と言ったとします。そこで「ふーん、そうなんだ」と会話を終わらせてはいけません。ここからが、人気者へのステップアップです。
- 「どんなゲームなの? どんなところが面白いの?」
- 「キャラクターは誰が一番かっこいいの?」
- 「難しくない? どうやってクリアしたの?」
このように、「どんな?」「どうやって?」という言葉をプラスして質問してみてください。相手は「この人は、ぼくの好きなことに興味を持ってくれている!」と、うれしくなって、どんどん話したくなります。これが、語用論(ごようろん)という言葉のルールでいう「共感のキャッチボール」です。
明日からできる!「質問の3ステップ」
学校生活で、すぐに試せる「質問の魔法」を3つ紹介します。明日、クラスの友だちや係の活動でぜひ使ってみてください。
1.相手の「好き」を見逃さない
友だちの持ち物や、話の内容に注目しましょう。「その筆箱、かっこいいね! 好きなキャラクターなの?」「その本、おもしろそう! どんなお話なの?」と、相手が大切にしているものに触れるだけで、会話のきっかけはたくさん見つかります。
2.「すごい!」をセットにする
ただ質問するだけでなく、相手の話を聞いて「へぇー! すごいね!」「そんなこと知ってるなんて、物知りだね!」と、相手のすごさを認める言葉を添えてみてください。脳は「認められる」ことで、さらに幸せな気分になります。
3.最後は「教えてくれてありがとう」
会話の最後には、必ず「話してくれてありがとう! おかげでそのゲームのこと、よくわかったよ」と伝えましょう。この一言があるだけで、相手は「またこの子と話したいな」と強く思うはずです。
質問は「相手へのプレゼント」
質問をすることは、決して相手を追い詰めることではありません。むしろ、相手に「あなたのことを大切に思っているよ」「あなたの話を聞きたいよ」というメッセージを届ける、やさしいプレゼントなんです。
もし、何を質問していいか迷ったら、まずは「相手が今、何に夢中になっているか」を観察してみてください。図書係で本を読んでいる子には「どんな本が好き?」、休み時間に走り回っている子には「何のスポーツが一番得意?」と聞くだけでいいのです。
質問上手は、聞き上手。聞き上手は、クラスの人気者。
明日、教室に入ったら、誰か一人の「好き」に目を向けてみてください。あなたが勇気を出して投げかけたその質問が、新しい友情の始まりになるはずですよ。