廊下ですれ違うとき軽く会釈する
学校の廊下を歩いているとき、向こうから先生や、あまり話したことのないクラスメイトが歩いてきたら、あなたはどうしていますか?
「どうしよう、目が合っちゃった!」「何か話さなきゃいけないのかな?」と、ドキドキして思わず下を向いてしまったり、知らんぷりをして通り過ぎたりしていませんか?
実は、そんなときこそ「好感度」をぐんと上げるチャンスです。言葉を交わさなくても、たったひとつの「魔法の動き」をするだけで、相手はあなたのことを「すごく感じのいい子だな」「もっと話してみたいな」と思うようになります。その魔法とは、「軽く会釈(えしゃく)をすること」です。
会釈は「心のドア」を開く合図
会釈とは、相手に対して軽く頭を下げることです。深くお辞儀をする必要はありません。背筋をのばしたまま、首から上をほんの少し、15度くらい前に倒すだけでいいのです。
心理学の世界では、これを「承認(しょうにん)のサイン」と呼びます。難しい言葉に聞こえるかもしれませんが、意味はとてもシンプル。「あなたのことを見ましたよ」「あなたに気づいていますよ」というメッセージを相手に伝えることなんです。
もし、あなたが廊下ですれ違うときに会釈をされたら、どう感じますか? 「あれ、この子、ぼくのことをちゃんと見てくれているんだ」と、なんだか温かい気持ちになりませんか? 相手も同じです。あなたが会釈をすることで、相手の心の中にある「警戒心(けいかいしん)」というドアが、カチャリと開くのです。
言葉がいらないから、だれでもできる
「でも、大きな声で『こんにちは!』って言うのはちょっと恥ずかしい……」
そんなふうに思うときもありますよね。特に、少し離れた場所にいるときや、相手が忙しそうに歩いているときなどは、声をかけるタイミングが難しいものです。でも、会釈なら大丈夫。声を出さなくても、あなたの「やさしい気持ち」は相手にしっかり伝わります。
社会言語学という学問では、言葉だけでなく、こうした「身ぶり手ぶり」もコミュニケーションの大切な一部だと考えられています。言葉は「何を言うか」ですが、会釈は「どんな気持ちでそこにいるか」を伝えるサインなんです。言葉を発しなくても、相手を大切に思う気持ちがあれば、ちゃんと伝わる。これって、すごく素敵なことだと思いませんか?
明日からできる「会釈」の3ステップ
では、さっそく明日から学校でやってみましょう。コツはたったの3つです。
- 1. 相手の目元をチラッと見る
すれ違う瞬間に、相手の顔をチラッと見ます。じっと見つめる必要はありません。一瞬でいいんです。 - 2. 口角(こうかく)を少しだけ上げる
口の端を少しだけ上げて、にっこり笑う準備をします。これだけで、あなたの表情がパッと明るくなります。 - 3. 首をクイッと下げる
「こんにちは」という気持ちを込めて、首を小さく前に倒します。
たったこれだけで、あなたは「廊下で会うといつも挨拶してくれる、素敵な子」というイメージをまわりに作ることができます。
やってみると、こんな変化が待っている
この「会釈の魔法」を使いはじめると、学校生活に不思議な変化が起こります。
たとえば、給食の時間に偶然その子と同じ班になったとき。以前なら「はじめまして」と緊張していたかもしれませんが、廊下で何度も会釈を交わしている相手なら、「いつも廊下で会う人だ!」と、自然に会話がはずむようになります。会釈という小さな積み重ねが、いつのまにか「安心感」という大きな絆に変わっているのです。
また、先生に対しても同じです。廊下ですれ違うたびに軽く会釈をする生徒のことは、先生も自然とよく覚えています。「あの子は礼儀正しいな」と信頼してもらえるようになれば、クラスの係活動や行事のときにも、きっといいことがたくさんありますよ。
「自分から」がポイントです
最後に、一番大切なことを伝えますね。この魔法を成功させるコツは、「自分から先にすること」です。
「相手が会釈をしてくれたら、返そう」と待っているのはもったいない! 相手が気づいていなくても、あなたが先に会釈をすればいいのです。もし相手が気づかなくても、がっかりしないでください。あなたのやさしい振る舞いは、必ず誰かが見ています。そして、何よりそんなふうに自分から行動できるあなたは、まわりから見て「とても自信があって、心の広い人」に見えるはずです。
さあ、明日の朝、学校の玄関を入った瞬間からスタートです。すれ違う友達、先生、用務員さん。みんなに向かって、魔法の会釈をひとつ。あなたの笑顔と会釈が、学校中に広がっていきますように!