相手の好きなことについて質問してみる
「クラスのあの子と、もっと仲良くなりたいな」
そう思ったとき、あなたならどんな風に話しかけますか?「おはよう」とあいさつをしたあと、次に何を話せばいいか分からなくて、もじもじしてしまうことってありますよね。自分のことをたくさんおしゃべりするのもいいけれど、実は、もっとずっと早く、相手と「大親友」になれちゃう魔法の方法があるのです。
それが、「相手の好きなことについて、質問してみる」という方法です。
「えっ?自分の話じゃなくて、相手への質問だけでいいの?」と思うかもしれません。でも、これがびっくりするほど効くのです。今回は、なぜ質問をすると相手と一瞬で仲良くなれるのか、その秘密と、明日からすぐに使える魔法のセリフを紹介します!
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言葉の裏にある「ハートのメッセージ」ってなぁに?
ここで少し、言葉の不思議なお話をしましょう。大学の研究者たちが研究している「言葉の使い方(語用論:ごようろん)」という学問では、こんなことが言われています。
「言葉には、辞書にのっている意味だけでなく、心を通じ合わせるための『裏のメッセージ』が隠されている」
例えば、あなたが引き出しを開けようとして「うーん、かたいな」とつぶやいたとします。それを聞いた友達が「手伝うよ!」と言ってくれたら、うれしいですよね。このとき、あなたは「手伝って」とは一言も言っていません。でも、友達はあなたの言葉の裏にある「助けてほしいな」という気持ちをキャッチしたのです。
質問もこれとまったく同じです。あなたが友達に「そのキャラクター、好きなの?」と質問するとき、言葉の裏にはこんな「ハートのメッセージ」が隠されています。
- 「私は、あなたに興味があります!」
- 「あなたの好きなことを、もっと教えてほしいな」
- 「あなたと、もっと仲良くなりたいな」
質問された友達は、頭の中でこの「ハートのメッセージ」を無意識に受け取ります。だから、質問されるだけで「なんだかこの人と話していると、うれしいな」「自分のことを大切にしてくれているな」と感じて、あなたのことが大好きになるのです。質問することは、相手の心に「なかよしのタネ」をまくことなんですね。
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会話は2人でつくる「ねんど細工」
もうひとつ、言葉と社会の関係を調べる学問(社会言語学:しゃかいげんごがく)では、「会話は1人で投げるボールではなく、2人で一緒に作り上げるもの」だと考えられています。これを「おしゃべりの共同構築(きょうどうこうちく)」と言います。
まるで、2人でひとつの「ねんど細工」を作るようなイメージです。あなたが「これ、なぁに?」とねんどを差し出し、相手が「これはね、恐竜だよ!」と形を作り、さらにあなたが「かっこいいね!ツノはどうする?」と飾りをつけていく。そうやって2人でこねて、形にしていくからこそ、世界にひとつだけの「楽しい会話」ができあがります。
自分の話ばかりしてしまうのは、相手にねんどを触らせず、自分だけで作った完成品を「見て!」と押しつけているようなもの。これでは相手は退屈してしまいます。相手の好きなことを質問することは、「はい、次は君の番だよ!一緒に作ろう!」と、優しくねんどを渡してあげることなのです。
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相手の「大好き」を引き出す3つのステップ
それでは、具体的にどうやって質問すればいいのでしょうか?だれでも簡単にできて、相手がどんどんおしゃべりしたくなる「3つのステップ」を紹介します。
ステップ①:相手をよーく「観察」する
まずは、話しかけたい友達のことを、じっと見てみましょう。無理にジロジロ見る必要はありません。普段の学校生活の中に、たくさんのヒントが隠されています。
- 筆箱や消しゴムに、どんなキャラクターが描かれているかな?
- 自由帳に、どんな絵を描いているかな?
- 図書の時間に、どんな本を借りているかな?
- 休み時間に、どんな遊び(ドッジボール、折り紙、おしゃべりなど)をしているかな?
「あっ、あの子の筆箱、人気のゲームのキャラクターだ!」と気づけたら、それだけで準備はバッチリです。
ステップ②:見つけた「ヒント」を質問に変える
ヒントが見つかったら、それをそのまま質問にしてみましょう。コツは、「私はよく知らないから、教えてほしいな」という気持ちで聞くことです。
例えば、友達が休み時間に自由帳にイラストを描いていたら、こう話しかけてみます。
「そのイラスト、すごく上手だね!なんのキャラクター?」
もし、あなたがそのキャラクターを知らなくても大丈夫。むしろ、知らない方がチャンスです!「私、そのアニメ見たことないんだけど、どんなお話なの?」と聞けば、相手は喜んで教えてくれます。人は、自分の大好きなことについて「教えて!」と言われると、とても誇らしい気持ちになり、おしゃべりが止まらなくなるものなのです。
ステップ③:相手の言葉に「びっくり&にっこり」で返す
相手が質問に答えてくれたら、最高のリアクションをプレゼントしましょう。むずかしいことはありません。「へえーっ!」「すごーい!」「そうなんだ!」と、目をキラキラさせてうなずくだけで十分です。
あなたが楽しそうに聞いてくれる姿を見て、相手は「この子に話してよかった!もっと話したい!」と思うようになります。これが、2人で会話のねんどをこねている、最高の瞬間です。
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やってしまいがちな「おしい!」質問と、大成功する「きらきら」質問
ここで、クラスでよくある場面を例にして、どんな質問が「感じがいい」のかを比べてみましょう。ちょっとした言葉の違いで、相手の受け取り方はガラリと変わります。
場面:図書室で、友達が歴史の図鑑を読んでいるとき
【おしい!質問】
あなた:「ねえ、なんでそんな難しい本読んでるの?おもしろいの?」
★どこがおしい?:
「なんで?」と聞かれると、相手は「えっ、変な本読んでるのかな……」と、少し責められているような気持ちになってしまいます。また、「難しい本」という言葉も、相手との間にカベを作ってしまうことがあります。
【きらきら!質問】
あなた:「わあ、その図鑑、写真がいっぱいでかっこいいね!どのページが一番おすすめ?」
★ここがきらきら!:
最初に「かっこいいね!」と相手の選んだ本をほめています。そして「一番おすすめは?」と聞くことで、相手は「これだよ!」と、自信を持って好きなページを見せることができます。これなら、すぐに2人で図鑑を見ながら盛り上がれますね!
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明日、学校で使える!「きっかけ言葉」のレシピ集
「でも、やっぱり緊張して言葉が出てこないかも……」という人のために、学校のいろいろな場面でそのまま使える「きっかけ言葉」を用意しました。どれかひとつ、明日学校で使えそうなものを選んでみてくださいね。
① クラスの係活動や委員会で
同じ係になったばかりで、まだあまり話したことがない友達に効果的です。
- 「生き物係の仕事、すごくテキパキやってるね!おうちでもペット飼ってるの?」
- 「配り係、いつもありがとう!〇〇さんは、普段どんな本を読むのが好きなの?」
② 休み時間や放課後に
相手の持ち物や、やっていることに注目してみましょう。
- 「その折り紙、すごくきれいに折れてる!どうやって折るのか、教えてもらえる?」
- 「さっき体育の時間、走るのすごく速かったね!何かスポーツやってるの?」
③ おうちでのお手伝いでも大活躍!
この魔法は、学校だけでなく、おうちの人にも使えます。おうちの人が笑顔になって、お手伝いがもっと楽しくなりますよ。
- 「お母さん、今日のご飯すごくおいしい!隠し味は何を入れたの?」
- 「お父さん、お掃除するの早いね!どうやったらそんなにピカピカになるの?」
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言葉の魔法で、クラスに「なかよしの輪」を広げよう
会話は、自分のことをアピールするための場所ではありません。目の前にいる友達と、心をつなぐための「温かい時間」です。
相手の好きなことについて質問することは、「私はあなたのことがもっと知りたいな」という、最高のプレゼントを贈るのと同じです。あなたが質問のプレゼントを渡せば、相手もきっと、あなたに素敵な笑顔と楽しいおしゃべりを返してくれます。
明日の朝、教室に入ったら、まずはだれかの「すてきなところ」や「好きなもの」をひとつだけ見つけてみてください。そして、深呼吸をして、にっこり笑って話しかけてみましょう。
「それ、すごくいいね!どこでみつけたの?」
その一言から、新しい友情のストーリーが動き出します。あなたの明日が、もっとワクワクする楽しい1日になりますように!