謝ったあとに「次は気をつけるね」と付け加える
学校で、こんなことってありませんか?
給食の時間をいそいでいて、牛乳のパックをうっかりたおしてしまい、となりの席のともだちのノートをぬらしてしまったとき。
「あ……っ!」
心臓がドキッとして、頭の中がまっ白になりますよね。あわてて「ご、ごめんなさい!」とあやまったものの、なんだか気まずい空気が流れて、そのあとなんだか話しづらくなってしまった経験、ありませんか?
「ちゃんと『ごめんなさい』って言ったのに、どうしてモヤモヤするんだろう」
そう思ったことはありませんか? 実は、「ごめんなさい」だけだと、心のモヤモヤが消えないのには、ちゃんとした理由があるのです。
きょうは、まちがえてしまったときに、もっとすてきな自分になれる「とっておきの魔法の言葉」を教えちゃいます。この魔法を使うと、ただ仲直りできるだけでなく、「あの人はしっかりしていて信頼できるな」と、まわりのみんなからグッと好かれるようになりますよ。
さあ、いっしょにその秘密をのぞいてみましょう!
どうして「ごめんなさい」だけじゃ足りないの?
学校で生活していると、だれだって失敗することはあります。テストでうっかりまちがえたり、友達との約束の時間を忘れちゃったり、図工の時間にはさみで画用紙を切りすぎてしまったり。
失敗したとき、えらい人は「ちゃんと謝りましょう」と言いますよね。それはもちろん大正解です。悪いことをしたときに「ごめんなさい」が言えないと、「ずるい人だな」「反省していないのかな」と思われてしまいます。
でもね、心理学(しんりがく:人間の心や行動のしくみを研究する学問です)の実験で、こんなことがわかっているのです。
人は、「あやまったあとに、どう行動するか」をすごく見ています。「ごめんなさい」は、いわば「スタートライン」にすぎません。謝っただけでは、「過去の失敗をチャラにした」だけで、「これからどうするのか」が相手には伝わらないのです。
心理学でわかる!「未来の約束」が安心を生む理由
ここで、人間の心にある面白いクセをお話します。心理学では、人間は「先の見えないこと」に対して不安を感じやすいという性質があることがわかっています。
たとえば、さっきの「牛乳パックをたおして友達のノートをぬらしてしまった」場面を思い出してみましょう。
あなたが「ごめんなさい」と言ったあと、そのまま黙ってしまったり、「わざとじゃないもん」と言い訳をしたりしたら、ノートをぬらされた友達はどう思うでしょうか?
- 「また明日も、この人はそそっかしくて私のノートをぬらすかもしれないな……」
- 「わざとじゃなくても、なんだかハラハラしてとなりに座りたくないな……」
と、心の中で不安や心配が消えません。つまり、「ごめんなさい」だけでは、相手の不安を未来に向けてとりのぞいてあげることができていないのです。
ここで心理学の登場です。人は、失敗した相手から「次はこうするよ」という「未来の約束」を聞くと、急に安心するということが研究で分かっています。これを心理学の言葉で「予測可能性(よそくかのうせい)が高まる」といいます。
「この人は、今回の失敗をちゃんと反省して、次は気をつけてくれるんだな」と分かると、相手の心はすっと軽くなり、あなたへの信頼を取りもどすことができるのです。
今日から使える!魔法の言葉の合わせ技
では、具体的にどう言えばいいのでしょうか?
答えはとってもカンタンです。いつもの「ごめんなさい」のあとに、「次は気をつけるね」(または具体的な行動)を付け加えるだけです。
これだけで、あなたの「ごめんなさい」のパワーは何倍にもふくらみます。実際の学校生活の場面で、どう使うのか見てみましょう。
場面1:係のお仕事でうっかりミスをしたとき
あなたは今週、黒板をきれいに消す「黒板係」です。でも、朝のドタバタでうっかり黒板を消し忘れてしまい、先生に注意されてしまいました。
【ちょっぴり残念な言い方】
あなた:「あ、すみませんでした……」
(これだと、次にどうするのか分からないので、先生もクラスのみんなも「また忘れちゃうかも」と心配してしまいます)
【好かれる子の魔法の言い方】
あなた:「先生、ごめんなさい! 今度からは朝教室に入ったらすぐに黒板をチェックするように気をつけるね。」
どうですか? ここまで言うと、先生も「この子は失敗しても、自分で考えて次につなげられる、しっかりした子だな」と感心してくれます。クラスのまわりの友達も、「この係の子なら安心だな」と思ってくれますよ。
場面2:お友達とぶつかってケガをさせてしまったとき
休み時間に廊下を走っていて、曲がり角で友達とドンとぶつかってしまい、友達が持っていたハンカチを落としてしまいました。
【ちょっぴり残念な言い方】
あなた:「あ、ごめん! (スタスタ……と逃げるように歩いていく)」
(これでは「本当に反省しているのかな?」と友達はモヤモヤしてしまいます)
【好かれる子の魔法の言い方】
あなた:「うわっ、ごめんね! 大丈夫? ハンカチ拾うね。これからは曲がり角を曲がるときはスピードをゆるめて、走らないように気をつけるね。」
友達は、「痛かったけれど、ちゃんと謝ってくれて、しかも次から気をつけてくれるって言ってくれたから許そう!」と、すんなり仲直りできます。気まずい空気にならず、すぐにニコニコした元の関係にもどれますね。
おうちのお手伝いでも大活躍!
この魔法は、学校だけでなく、おうちでもとっても役に立ちます。
たとえば、お母さんから頼まれていた「おやつ前にリビングのテーブルを拭くこと」をうっかり忘れてテレビに夢中になってしまったとき。
「あ、やばい!」と思ったとき、ただ「ごめんね」と言うだけではなく、こう言ってみましょう。
「お母さん、ごめんなさい! テレビに夢中になりすぎちゃった。これからは、宿題が終わったらすぐにテーブルを拭くって自分でルールを決めて気をつけるね。」
お母さんは、あなたがただ怒られるのをこわがっているのではなく、「自分で自分の行動を直そうとしているんだな」と気づいて、きっとやさしく頭をなでてくれますよ。
「次は気をつけるね」を言うときの3つのコツ
「次は気をつけるね」の魔法をさらに強力にするために、大切な3つのコツをお伝えします。このコツを知っていると、まわりからの好感度がさらにアップしますよ!
- コツ1:言い訳を先に言わない
失敗したとき、「だって、○○くんが邪魔したから」「だって、時間がなかったんだもん」と、言い訳から入っていませんか? 心理学では、言い訳を先にすると「反省していない人」という印象をあたえてしまいます。まずは素直に「ごめんなさい」と受け止めるのが、好かれるための第一歩です。
- コツ2:具体的にどうするかをセットにする
「次から気をつけるね」だけでも十分素敵ですが、「次は○時に時計を見るね」「次はノートをしまってから給食を取りに行くね」と、具体的にどう行動するのかをセットにすると、相手からの信頼度がカンスト(マックス)になります!
- コツ3:言葉だけでなく、表情もセットで
上を向いてテキトウに「はいはい、ごめんごめん、次気をつけるからさ」と言ってしまうと、それは魔法ではなく「逆効果(ぎゃこうか:余計にきらわれてしまうこと)」になってしまいます。しっかり相手の目を見て、少し真剣な顔で伝えることが大切です。
失敗は、あなたの魅力を上げるチャンス!
人間だれしも、まちがえをゼロにすることはできません。大人でも失敗します。
「あ、やっちゃったな」という瞬間は、だれだってイヤなものです。心臓がバクバクして、穴があったら入りたくなるかもしれません。
でもね、こう考えてみてください。
「失敗したときこそ、まわりの人に『ステキなところ』を見せる大チャンスだ!」と。
ただ「ごめんなさい」と言って終わる子よりも、「ごめんなさい、次はこうするね」と言える子のほうが、圧倒的にかっこいいし、大人っぽくて魅力的です。まわりの友達は、あなたのそんな誠実な姿をちゃんと見ています。
「この子は失敗しても、そこからちゃんと学んで成長できるすごい子だな」
そう思われたら、もうクラスの人気者まちがいなしです。
明日、学校でなにか「うっかりミス」をしてしまったら、ぜひ思い出してくださいね。深呼吸をして、相手の目を見て、こう言ってみましょう。
「ごめんなさい! 次は気をつけるね」
その一言が、あなたと、あなたの大切な友達の心をあたたかくつなぐ、最高の魔法の呪文になるはずですよ。