過去の失敗をいつまでも引きずらない
テストでうっかり計算ミスをして、100点がとれなかったとき。係の仕事で失敗して、クラスのみんなに迷惑をかけてしまったとき。そんなとき、あなたはどうしていますか?
「どうしてあんなことをしちゃったんだろう」「みんなに笑われたかも……」と、夜、布団の中で何度も思い出して、心がギュッと苦しくなることはありませんか?
実は、失敗をいつまでも引きずってしまうのは、あなたが「まじめで、責任感が強い」という証拠です。でも、そのままだと、あなたのステキな笑顔がもったいない!
心理学には「反すう(はんすう)」という言葉があります。これは、牛が食べたものを何度も口に戻して噛むように、終わった失敗を頭の中で何度も何度もくり返してしまうこと。これをやりすぎると、心にどんどん疲れがたまって、新しいことに挑戦する元気がなくなってしまうのです。
クラスでいちばん好かれる子は、失敗をしない子ではありません。「失敗したあとの切りかえが、とっても上手な子」なのです。
失敗は「消しゴム」で消せる
文化人類学という、世界中の人たちがどうやって仲良く暮らしているかを研究する学問では、昔から「失敗は学びの種」だと考えられてきました。遠い昔、狩りや農作業をしていた人たちは、失敗するたびに「次はこうすればいいんだ!」と工夫を重ねて、生きる知恵を身につけてきたのです。
つまり、失敗は「ダメなこと」ではなく、「成長するためのヒント」です。失敗したということは、あなたが何かに挑戦したという証拠。何もしない人は、失敗もできませんからね。
失敗した自分を責めるのをやめて、こんなふうに考えてみませんか?
- 失敗したことは、今日で「消しゴム」で消してしまおう!
- 同じ失敗をしないための「作戦」をひとつだけ考えよう。
- 「次はこうするぞ!」と決めたら、もう過去のことは考えない!
「自分」を友だちのように大切にする
もし、あなたの友だちがテストで失敗して落ち込んでいたら、なんて声をかけますか?
「バカだな、なんで間違えたの?」なんて言いませんよね。きっと、「大丈夫だよ、次はがんばろう!」「お昼休み、一緒に遊んで気分転換しようよ」と、やさしい言葉をかけるはずです。
心理学には「セルフ・コンパッション」という考え方があります。これは「自分を、親友のように大切に扱う」という意味です。失敗したときこそ、自分に一番やさしい友だちになってあげてください。
具体的には、こんな「心のケア」がおすすめです。
- 「人間だもの、ミスすることもあるよね」と口に出す。
自分を責める言葉ではなく、自分を許してあげる言葉をかけてあげましょう。 - 失敗したことを紙に書き出してみる。
頭の中だけで考えると、失敗はどんどん大きく見えてしまいます。紙に書くと、それが「ただのひとつの出来事」に変わって、客観的に見ることができます。 - 「大好きなおやつ」や「好きな音楽」でごほうびをあげる。
「失敗した自分」にこそ、ちょっとした楽しみをプレゼントして、心をリラックスさせてあげましょう。
「過去」ではなく「未来」に時間を使う
クラスで好かれる子は、いつも「未来」を見ています。昨日失敗したことよりも、「明日、休み時間に何をして遊ぼうかな?」「次の授業では、どんな面白い発表ができるかな?」と、ワクワクすることに時間を使っているのです。
時間は、みんな平等に流れています。失敗した過去に時間を使うか、楽しい未来のために時間を使うか。どちらがワクワクするかは、もうわかりますよね?
失敗したときは、こう唱えてみてください。
「よし! ひとつレベルアップするチャンスが来たぞ!」
失敗を「自分を責める材料」にするのではなく、「自分を成長させる材料」に変えてしまう。これが、長くみんなから愛される、心の余裕を持つための魔法です。
明日の学校で、もし何か失敗してしまったら、まずは深呼吸をひとつ。そして「次はどうすればいいかな?」と、未来のことだけを考えてみてください。そのとき、あなたの心はもっともっと広くなって、まわりの友だちも、そんなあなたの強さに惹きつけられるはずですよ。