第5章:毎日がもっと楽しくなる「ポジティブな心の持ち方」の習慣
自分の機嫌は自分でとる
キミは、朝起きて「うわー、今日はなんだか気分が悪いな」って思ったこと、ないかな?
テストの点が悪かったり、友達とちょっとケンカしちゃったり、雨で外で遊べなかったり……。そんな時、キミの心の中はどうなっているかな?なんだかモヤモヤしたり、イライラしたり、悲しくなったりするよね。
でもね、そんなキミの「ごきげん」は、誰かにとってもらうものじゃないんだ。自分でつくることができるんだよ!
「え?どういうこと?」って思うかもしれないね。でも、これは本当なんだ。
キミがごきげんじゃないと、どうなると思う?まず、キミ自身が楽しくないよね。せっかくの学校生活や、お家での時間が、なんだか暗くなっちゃう。それに、周りの人にも影響するんだ。キミがムスッとしていると、友達は話しかけにくいし、お家の人も心配しちゃうかもしれない。
「感じがいい人」っていうのは、いつもニコニコしている人だけじゃないんだ。自分で自分のごきげんをとって、周りの人にも明るい気持ちを分けられる人のことなんだよ。
実はね、人間の心って、ちょっと不思議なルールがあるんだ。心理学っていう学問では、「気分一致効果(きぶんいっちこうか)」って言って、気分が良い時には良いことが起こりやすいって感じたり、気分が悪い時には悪いことばかり目についたりするってことが分かっているんだ。だから、自分でごきげんをとることは、良いことを引き寄せる魔法みたいなものなんだよ。
さあ、キミも今日から「ごきげんの魔法」を身につけて、毎日をもっと楽しく、もっと明るくしていこう!
自分の「ごきげんサイン」に気づこう!
まず大切なのは、「あれ?なんだかモヤモヤするな」って、自分の気持ちに気づくこと。
キミの心の中で、どんな時にごきげんが悪くなるか、よーく観察してみてほしいな。
- 朝、寝坊しちゃった時?
- 宿題を忘れたことに気づいた時?
- 友達にちょっと意地悪を言われた時?
- ゲームの時間が終わっちゃった時?
- お家のお手伝いを頼まれた時?
- 先生に注意された時?
どんな時にキミの心に暗い雲がかかるのか、知っておくことが、ごきげんをとる第一歩なんだ。
これはね、心理学では「感情のラベリング」って言われる考え方に近いんだ。自分の感情を「イライラしてるな」とか「悲しいな」って言葉にすることで、その感情をちょっと遠くから見ることができるようになるんだよ。すると、「よし、この気持ちをどうにかしよう!」って、自分でコントロールする気持ちが生まれてくるんだ。
魔法の「ごきげんスイッチ」を見つけよう!
自分のごきげんサインに気づいたら、次は「ごきげんスイッチ」を押す番だ!
ごきげんスイッチっていうのは、キミが「これをすると気分が良くなる!」っていう、自分だけの魔法の行動のこと。人によってスイッチは色々あるから、キミだけのスイッチを探してみてほしいな。
例えば、こんなスイッチがあるかもしれないね。
- 好きな音楽を聴く:お気に入りの曲を聴くと、なんだか体が軽くなるよね。気分が落ち込んでいる時に、ノリノリの曲を聴くと、自然と体が動き出すこともあるよ。
- 体を動かす:ちょっとジャンプしてみたり、スキップしてみたり。お家でストレッチするのもいいよ。体育の授業で体を動かすのも、気分転換になるよね。
- 深呼吸をする:ゆっくり息を吸って、ゆっくり吐く。これを何回か繰り返すだけで、心が落ち着くんだ。イライラした時に試してみてほしいな。
- お気に入りのマンガや本を読む:違う世界に入り込むと、嫌なことを忘れられるよね。図書館や図書室で、新しい本を探すのも楽しいよ。
- 美味しいおやつを食べる:甘いものや、好きな味のものは、心をホッとさせてくれる魔法があるよ。でも、食べすぎには注意してね。
- 空を見る:雲の形を眺めたり、夕焼けの色を見たりするだけでも、気分転換になるんだ。校庭から空を見上げるだけでもいいよ。
- 絵を描く・何かをつくる:集中して手を動かすと、モヤモヤが消えちゃうこともあるよ。図工の時間や、お家で折り紙を折るのもいいね。
- ペットと遊ぶ:動物と触れ合うと、心が温かくなるよね。もしお家にペットがいなくても、道で見かける犬や猫に「かわいいな」って思うだけでも、心が和むよ。
- 友達や家族と話す:話を聞いてもらうだけで、心が軽くなることもあるよ。今日あった楽しいことを話すのも、ごきげんスイッチになるね。
- 好きな香りをかぐ:アロマオイルや、お気に入りの石けんの香りなど、良い香りは心を落ち着かせてくれることがあるよ。
これはね、行動経済学っていう学問で言うところの「現在バイアス(げんざいバイアス)」を逆手にとる方法なんだ。人間は、将来の大きな利益よりも、「今すぐ手に入る小さな喜び」を選びやすいんだって。だから、ごきげんが悪い時に、すぐにできる「小さな喜び」を自分で用意しておくことが、とっても大切なんだ。
キミだけの「ごきげんスイッチリスト」を作ってみてはどうかな?きっと役に立つよ!
「ごきげん貯金箱」をつくって自信をつけよう!
ごきげんスイッチを見つけたら、今度は「ごきげん貯金箱」をつくってみよう。
これは、実際に貯金箱を作るわけじゃなくて、キミが「ごきげんになれた!」って思ったことを、心の中に貯めていくイメージだよ。
例えば、
- 「今日は、ごきげんが悪い時に、深呼吸して落ち着けた!」
- 「テストで間違えたけど、好きな音楽を聴いて、気持ちを切り替えられた!」
- 「友達とケンカしたけど、空を見て、ちょっと落ち着いてから話せた!」
- 「先生に怒られたけど、お家のお手伝いをしたらお母さんが褒めてくれて、元気が出た!」
- 「雨で外遊びができなかったけど、お気に入りの本を読んで、楽しい時間になった!」
こんな風に、「自分でごきげんをとれた経験」を心に貯めていくんだ。
これはね、心理学でいう「自己効力感(じここうりょくかん)」を高めることにつながるんだよ。自己効力感っていうのは、「自分ならできる!」っていう自信の気持ちのこと。「ごきげん貯金箱」がいっぱいになっていくと、「私(僕)は、自分の気持ちを自分で良くできるんだ!」って、自信がどんどん大きくなっていくんだよ。
この自信があれば、どんなことがあっても、きっと乗り越えられるようになるからね。
「考え方のメガネ」をかけ替えよう!
ごきげんが悪くなる時って、たいてい何か嫌なことがあった時だよね。
でもね、同じ出来事でも、どうやって見るか(考えるか)で、気持ちは全然変わるんだ。これは、心理学では「リフレーミング」、行動経済学では「フレーム効果」って呼ばれる考え方なんだ。
たとえば、雨が降って、外で遊べなくなったとするよね。
- ごきげんが悪いメガネ:「あーあ、雨だ。外で遊べない。つまらない。」
- ごきげんがいいメガネ:「雨だ!じゃあ、お家でゆっくり本を読めるぞ!」「雨の音って、なんだか落ち着くなあ」「カエルさんが喜んでるかな?」「雨の日だからこそできる遊び(ボードゲームとか)があるぞ!」
どうかな?同じ雨なのに、感じ方が全然違うよね。
テストで悪い点をとっちゃった時もそう。
- ごきげんが悪いメガネ:「なんでこんな点数なんだろう。もうダメだ。」
- ごきげんがいいメガネ:「間違えたところを覚えるチャンスだ!次はきっともっといい点数が取れるぞ!」「苦手なところが分かってよかった!これで次は満点に近づける!」
友達とケンカしちゃった時も考えてみよう。
- ごきげんが悪いメガネ:「もうあいつとは口きかない!最悪だ!」
- ごきげんがいいメガネ:「ケンカしちゃったけど、どうしたら仲直りできるかな?」「これで友達との絆がもっと深まるかもしれないな」「自分の気持ちを伝える練習になったぞ」
ちょっと練習が必要だけど、「この出来事の、良いところは何だろう?」「違う見方はできないかな?」って考えてみるクセをつけてみてほしいんだ。最初は難しいかもしれないけど、毎日少しずつ練習すれば、キミは「考え方のメガネ」を自由自在にかけ替えられるようになるよ。
このメガネをかけ替えられるようになると、どんな嫌なことがあっても、すぐに立ち直れるようになるから、本当に魔法みたいなんだ!
「ごきげんルーティン」で毎日をスタート!
朝起きた時って、その日の気分を大きく左右する大切な時間なんだ。
心理学では、最初に受けた情報がその後の判断に影響する「アンカリング効果(アンカリングこうか)」っていうものがあるんだけど、朝の気分が一日を左右することも、これと似ているんだ。
だから、毎日の始まりに、ごきげんになるための小さな習慣(ルーティン)を取り入れてみよう!
例えば、こんなルーティンはどうかな?
- 朝、目を覚ましたら、窓を開けて大きく深呼吸。「今日も一日、楽しいぞ!」って心の中でつぶやいてみる。
- 顔を洗う時に、鏡に映った自分にニコッと笑顔を作ってみる。
- 朝ごはんを食べる前に、今日一日で楽しみにしていることを一つ考えてみる。学校で友達と話すこと、体育の授業、給食のメニュー、家に帰ってからのゲームの時間など、なんでもいいよ。
- 着替える時に、お気に入りの服や靴を選んでみる。
ほんの少しのことだけど、これを毎日続けることで、キミの心は「今日も一日、良いことがあるぞ!」って、自然とポジティブな気持ちでスタートできるようになるんだ。朝のルーティンは、キミの一日を明るくする、とっても強力な魔法なんだよ。
「休憩の魔法」でリフレッシュ!
ずっと集中して勉強したり、遊び続けたりすると、なんだか疲れて、イライラしやすくなることがあるよね。
そんな時は、「休憩の魔法」を使ってみよう!ちょっと一息入れるだけで、心も体もリフレッシュして、またごきげんになれるんだ。
心理学では、「注意資源の枯渇(ちゅういしげんのこかつ)」って言って、集中力には限りがあることが分かっているんだ。だから、上手に休憩をとることは、ごきげんを保つためにとっても大切なんだよ。
例えば、
- 勉強に疲れたら、5分だけ窓の外を眺める。遠くを見ることで、目の疲れもとれるよ。
- 友達とちょっと気まずくなったら、一度その場を離れて、トイレに行って顔を洗ってみる。冷たい水が、気持ちをリセットしてくれることもあるよ。
- ゲームをやりすぎて目が疲れたら、目を閉じて深呼吸する。タイマーをセットして、5分だけ休憩するのもいいね。
- お手伝いの途中で「もう嫌だな」と思ったら、好きな音楽を1曲だけ聴いてみる。
- クラスで係の仕事中にちょっと疲れたら、背伸びをしたり、体を軽くほぐしたりする。
長い休憩じゃなくていいんだ。ほんの数分でも、場所を変えたり、違うことをしたりするだけで、心に新しい風が吹き込んでくるよ。休憩は、サボることじゃないんだ。次の活動を、もっとごきげんで、もっと集中してやるための大切な準備なんだ。
どうだったかな?
自分のごきげんを自分でとるって、最初はちょっと難しく感じるかもしれないね。でも、これは誰かに頼るんじゃなくて、キミが自分自身を大切にするための、とっても素敵な魔法なんだ。
自分の心にどんなサインが出るかを知って、自分だけのごきげんスイッチを見つけて、良い経験を貯金して、考え方のメガネをかけ替えて、ごきげんルーティンで一日をスタートして、上手に休憩する。
この魔法を毎日少しずつ使っていくうちに、キミの心はどんどん明るく、強くなっていくはずだよ。そして、キミがごきげんでいれば、その明るい気持ちは、きっと周りの友達や家族にも伝わっていくんだ。キミが笑顔でいれば、周りの人も笑顔になる。
そうやって、キミの周りには、たくさんの笑顔と、楽しいことがどんどん増えていくんだよ。
さあ、明日から、キミだけの「ごきげんの魔法」を使ってみよう!