仲間の良いところをノートにメモする
クラスの係活動や、グループでの話し合い。そんなとき、「自分ばかりが頑張っている気がする」「みんなが協力してくれない」と、もやもやしたことはありませんか?
実は、チームで頼りにされる人、つまり「この人と一緒に活動したい!」とみんなから思われる人には、ある秘密の習慣があります。それは、「仲間の良いところをノートにメモする」という、とてもシンプルな魔法です。
なぜ「良いところ」を見つけると味方が増えるのか?
「ゲーム理論」という、ちょっと難しい名前の考え方があります。これは、「どうすればみんなが一番いい結果を出せるか」を考えるためのルールです。
この考え方では、「相手が自分に優しくしてくれたら、自分も相手に優しく返す」というやりとりを繰り返すと、チーム全体がどんどん強くなると教えてくれています。これを「お返し(しっぺ返し)の法則」といいます。
でも、相手の良いところを知らなければ、優しくすることはできませんよね。だからこそ、まずは相手の「良いところ」を見つけることが、最強のスタート地点になるのです。
「良いところメモ」の作り方
やり方はとても簡単です。小さめのノートを1冊用意して、毎日寝る前に「今日、クラスの誰かがしてくれた素敵なこと」を一つだけ書いてみてください。
- 黒板をきれいに消してくれたこと
- 重い荷物を持つとき、「持とうか?」と声をかけてくれたこと
- 発表でつまったとき、ニコニコして待ってくれたこと
- 給食の配膳のとき、こぼさないように気をつけていたこと
これだけでいいんです。ポイントは、「当たり前だと思えること」をあえて書くこと。みんなが見逃してしまうような小さな優しさに気づける人は、周りから見て「自分のことを見てくれている人」として、特別な存在になります。
「組織社会学」から学ぶ、チームの絆を深めるコツ
「組織社会学」では、チームがうまくいくためには「信頼の貯金」が必要だと言われています。誰かが困っているときに助け合える関係は、一朝一夕(いっちょういっせき)では作れません。
ノートにメモを続けていると、不思議なことが起こります。それは、あなたの「目」が変わることです。
これまで「あの人はいつもふざけている」と思っていたクラスメイトでも、ノートを書くために観察していると、「あ、実は掃除の時間に一生懸命机を運んでいるんだ」という事実に気づけるようになります。すると、その人を見るあなたの目が、少しだけ優しくなりますよね。
あなたが相手を「良い人だ」と信じて接すると、不思議なことに、相手もあなたに対して「良い人だ」と信じて接してくれるようになるのです。これが、チームの絆を強くする魔法のサイクルです。
明日からできる!「魔法のメモ」実践ステップ
さあ、明日からさっそく試してみましょう。無理にたくさん書く必要はありません。まずは以下のステップで始めてみてください。
- ステップ1:お気に入りのノートを用意する
自分がワクワクするような、お気に入りのノートを一冊用意しましょう。 - ステップ2:毎日「一人」を見つける
クラスの中で、今日誰か一人の「いいところ」を見つけます。どんなに小さなことでも大丈夫です。 - ステップ3:声に出して「ありがとう」と伝える
メモしたことは、次の日の朝、本人に伝えてみましょう。「昨日、あれしてくれてありがとう、助かったよ」と一言添えるだけで、相手はあなたを「信頼できる仲間」として意識し始めます。
「メモ」は、あなたを一番のリーダーにする
もしあなたが、係のリーダーや班長をしているなら、このノートは最強の武器になります。みんなの「良いところ」を知っているリーダーは、適材適所(てきざいてきしょ)でみんなにお願いをすることができるからです。
「〇〇さんは細かい作業が得意だから、ポスターの枠線をお願いできる?」
このように、相手の良さを認めてお願いをすると、言われたほうは「自分は必要とされているんだ!」とやる気がわいてきます。こうして、あなたを中心に、みんなが助け合うチームが出来上がっていくのです。
「良いところメモ」は、ただの記録ではありません。それは、「あなたの周りに、味方をどんどん増やしていくための羅針盤(らしんばん)」です。
明日、学校に行ったら、まずは隣の席の友達の「いいところ」を一つ探してみてください。きっと、今まで気づかなかった新しい友達の顔が見えてくるはずですよ。