がんばっている姿を見たら「すごいね」と伝える
あなたは、学校の帰り道や休み時間に、こんなふうに思ったことはありませんか?
「あの子はいつも足が早くてかっこいいな」
「机の上がいつもきれいでうらやましいな」
「係の仕事を一生懸命やっていてすごいな」
心の中で「いいな」「すごいな」と思うだけで、そのまま口に出さずに終わっていませんか? 実はその「心の中にあるステキな気持ち」を、ほんの一言で相手に伝えるだけで、あなた自身がまわりから愛される「好かれる子」に変身できる魔法があるのです。
今日のテーマは、がんばっている姿を見つけたら「すごいね」と素直に伝えること。この魔法を覚えると、クラスのみんながあなたといるともっと楽しくなり、あなた自身のまわりにも自然と笑顔の輪が広がっていきます。
なぜ、「すごいね」と伝えるだけで好かれるの?
「でも、どうして『すごいね』と言うだけで好かれるの?」と、ふしぎに思いますよね。そこには、人間の心に隠された、とてもおもしろい心理学の秘密がかくされています。
「返報性の法則」という心のフシギ
心理学や行動学の世界には、「返報性(はんぽうせい)の法則」という言葉があります。むずかしそうに聞こえますが、意味はとってもかんたん!
人は、誰かから親切にされたり、自分のことを見て認めてもらったりすると、「自分も同じようにお返しをしたい!」と自然に思う心の動きのことです。
たとえば、お友達から「その消しゴム、かわいいね!」と言われたら、なんだか嬉しくなって、あなたも「ありがとう! あなたのノートもきれいだね」と返したくなりませんか?
これと同じで、あなたが誰かの一生懸命な姿を見つけて「すごいね!」と声をかけると、言われた相手はこう思います。
- 「ぼく(私)のこと、ちゃんと見ていてくれたんだ!」
- 「こんなふうにほめてくれて、すごく嬉しいな!」
- 「この人と話すと、元気が出るな!」
こうして、あなたに対して「ステキだな」「もっとお話ししたいな」という好意を持ってくれるようになるのです。心理学の力を使えば、むずかしいことをしなくても、相手の心をパッと明るくすることができるのですね。
学校生活で実践!「すごいね」魔法の使い方のコツ
「よし、じゃあ明日から学校で『すごいね』を言いまくろう!」と思ったあなた、ちょっと待ってくださいね。ただ「すごいね」と言うだけよりも、もっと相手の心に響く「コツ」があります。
学校のクラスやグループで、すぐに使える3つのコツを紹介します。
コツ1:結果ではなく「がんばっている途中」を見つける
テストで100点を取ったときや、かけっこで1番になったとき、「すごいね!」と言うのはかんたんです。でも、本当に相手の心に響くのは、「がんばっている途中」を見つけたときです。
例えば、こんな場面を見逃さないようにしてみましょう。
- 給食当番で、重い食缶を一生懸命運んでいるとき
- 掃除の時間に、みんなが嫌がるぞうきんがけを隅っこまでがんばっているとき
- 図工の時間に、失敗してもあきらめずに粘土や絵の具と格闘しているとき
結果がどうだったかではなく、「そこに向かって努力している姿」に目を向けます。「結果」は運や才能もありますが、「がんばり」はその人の心そのものです。そこを認められる人は、まわりから「自分のことを本当に見てくれている信頼できる人だ」と思われるようになります。
コツ2:具体的に何がすごいのかを言葉にする
「すごいね!」だけでも嬉しいのですが、さらに一言くわえて「具体的にどこがすごいと思ったか」を伝えると、魔法の効果が10倍になります。
学校でよくある会話を比べてみましょう。
【ちょっぴりもったいない例】
あなた:「係の仕事、すごいね!」
お友達:「あ、うん、ありがとう。」(どこがすごいのかな?)
【好かれる子のステキな例】
あなた:「黒板消し、毎日みんなが使いやすいようにピカピカにきれいにしているの、見てたよ! すごいね!」
お友達:「えっ、見ててくれたの? ありがとう! がんばってよかった!」
どこを見ていたのかが具体的に伝わると、相手は「自分の細かい努力までわかってくれた!」と、心から嬉しくなります。
コツ3:はずかしがらずに、笑顔で伝える
人をほめるとき、ちょっとはずかしくなってボソボソと小さな声で言ってしまったりしていませんか?
「ねえ、すごいね……」と下を向いて言うと、なんだか本当のことを思っていないように聞こえてしまうことがあります。
伝えるときは、パッと明るい笑顔で、まっすぐ相手の目を見て言ってみましょう。
「ねえねえ、さっきのノートのまとめ方、すごくわかりやすくてカッコよかったよ!」
そんなふうに言われたら、言われた人はもちろん、言っているあなた自身の表情もパッと輝いて、まわりの空気まで温かくなります。
今日からできる!小さな一歩
「人に好かれたい」「もっとお友達と仲よくおしゃべりしたい」と思ったとき、自分の良いところをアピールするよりも、実は「お友達の良いところを見つけて、言葉にして伝える」ほうが、ずっと近道で、しかも簡単なのです。
がんばっている姿を見つけることは、お友達のステキな宝物を見つけることでもあります。宝物を見つけて「見つけたよ!」と教えてあげる人に、みんなが集まってくるのは当然のことですよね。
明日、学校に行ったら、まずは教室のなかで誰かの一生懸命な姿をひとつだけ探してみましょう。
そして、勇気を出してこう言ってみてください。
「いまの、すごくがんばっていたね! かっこよかったよ!」
その一言から、あなたのまわりにたくさんの笑顔と、あたたかい友情の魔法が広がっていくはずです。さあ、明日からの学校生活が楽しみになってきましたね!