相手の言葉をそのまま繰り返してみる
友達と話をするとき、あなたはどんなことを考えていますか?
「自分の面白かった話をきいてほしいな!」
「自分の好きなゲームのことを教えてあげたい!」
そんなふうに、自分の話ばかりしていませんか?
実は、みんな「自分の話をきいてほしい」と思っています。だからこそ、あなたが自分の話ばかりしてしまうと、相手は「この人と話していても、あんまり楽しくないな…」と感じてしまうことがあるのです。ひどい時には、「自分の自慢ばかりする嫌なやつ」と思われて、心の中に「敵」を作ってしまうこともあります。
では、どうすればみんなから「この人と話すとすごく楽しい!」「また話したい!」と思われるヒーローになれるのでしょうか?
その答えは、とってもカンタンな「ある魔法のステップ」を使うことなのです。それは、「相手が言った言葉を、そのままオウム返しにして繰り返す」という方法です。
「えっ? たったそれだけでいいの?」と思ったあなた。そう、たったそれだけです!
今回は、なぜ言葉を繰り返すだけでみんながあなたを大好きになってしまうのか、その心理学のひみつと、明日から学校で使えるテクニックをたっぷり伝授しますね!
なぜ、言葉を繰り返すと「敵」が消えるの?(心のはたらき)
心理学(人の心のしくみを研究する学問)では、相手の言った言葉をそのまま繰り返す技術のことを「バックトラッキング」と呼びます。本のタイトルに合わせて、ここでは「おうむ返しの魔法」とよぶことにしましょう。
人の心には、「自分と同じ考えや、自分を理解してくれる人を好きになり、安心する」という面白い性質があります。相手の言葉をそのまま繰り返してあげると、相手の脳は無意識にこんなふうに感じます。
「あ、この人はボクの話をちゃんと聞いてくれている!」
「私の気持ちを、そのまま受け止めてくれた!」
人は、「自分を理解してくれる人」に対しては、絶対に攻撃しようとしません。つまり、「敵」にならないのです。それどころか、「この人は味方だ!」と感じて、あなたのことをどんどん好きになっていきます。
逆に、相手が「昨日、悲しいことがあったんだ」と言ったときに、「ふーん、それよりさ!」と自分の話にかえてしまうと、相手の心は傷つき、あなたのことを「敵(自分を大切にしてくれない人)」だと認定してしまうのです。
「おうむ返しの魔法」は、相手の心をホッと安心させて、あなたのファンにしてしまう、心理学に基づいた最強のテクニックなのです。
今日から使える!学校生活の3つの場面
それでは、具体的に学校のどんな場面でこの魔法を使えばいいのか、実際の会話を見てみましょう!
場面①:休み時間の「おしゃべり」のとき
友達が、休み時間にうれしそうに話しかけてきた場面です。
友達:「昨日ね、家族で新しくできたハンバーグのお店に行ったんだよ!」
もったいない返事:「へえー! 僕も昨日、ラーメン食べたよ!」(自分の話にすり替えている)
魔法の返事:「へえー! 新しくできたハンバーグのお店に行ったんだ!」
どうでしょうか? 魔法の返事では、友達が言った言葉をそのまま繰り返していますね。
これを聞いた友達は、「そうなんだよ!それでね、チーズが乗っていてさ…!」と、もっとワクワクして話を続けてくれるようになります。あなたは、ただ繰り返しただけなのに、友達は「あなたと話すのがすごく楽しい!」と感じるのです。
場面②:そうじの時間や、係活動のとき
次に、ちょっと大変なそうじの時間や、係の仕事をしているときの場面です。
友達:「うわぁ、今日の黒板消し、粉がいっぱいついていて大変だなあ…」
もったいない返事:「早くしないと、そうじ終わらないよ。」(相手の気持ちを無視している)
魔法の返事:「本当に、粉がいっぱいついていて大変だね。」
「大変だなあ」と思っている友達に、「大変だね」とそのまま言葉を返してあげることで、友達は「苦しみを分かってくれた!」と感じます。人は、愚痴や大変さを分かち合えた人と、急激に仲良くなる性質があります。これで、めんどくさい作業も一緒に乗り越えられる「強い味方」になれるのです。
場面③:家でのお手伝いや、おうちの人との会話
この魔法は、学校だけでなく家でも大活躍します!
おうちの人:「〇〇ちゃん、お皿洗いを手伝ってくれて助かるわ。今日はお仕事でちょっと疲れちゃって…」
魔法の返事:「そっか、今日はお仕事で疲れちゃったんだね。いつもありがとう!」
こんなふうにおうちの人の言葉を繰り返してあげたら、どうでしょう? おうちの人は「なんてやさしい子なんだろう!」と感動してしまうはずです。あなたの評価は一気に上がりますよ!
もっと魔法が効くようになる!3つのヒント
言葉を繰り返すだけの「おうむ返しの魔法」ですが、もっと効果をアップさせるための秘伝のコツを3つ教えておきますね。
- ヒント1:「気持ちの言葉」を逃さずに繰り返す
相手の話の中に「うれしかった」「悲しかった」「びっくりした」「つらかった」などの感情を表す言葉が出てきたら、そこを重点的に繰り返しましょう。「びっくりしたんだね」「つらかったんだね」と返すと、相手の心に深く届きます。 - ヒント2:うなずきと笑顔をセットにする
言葉だけを繰り返すと、まるでロボットのように聞こえてしまうことがあります。「うん、うん」と首をたてに振ったり、相手と同じ表情(うれしい話なら笑顔、悲しい話なら少し心配そうな顔)をしながら繰り返すと、心の距離がグッと縮まります。 - ヒント3:語尾(ごび)を変えてアレンジする
「~なんだ!」と言われたら、「~だったんだね!」「~だったんだ!」と、語尾を少し整えてあげると、とっても自然な会話になります。
明日、学校でためしてみよう!
「聞き上手はみんなのヒーロー」です。自分の話をたくさんする人よりも、自分の話をしっかり聞いて受け止めてくれる人の周りに、人は集まってきます。
明日学校に行ったら、まずは「友達が言った言葉を1回だけそのまま繰り返す」というミッションに挑戦してみてください。
朝の会、休み時間、給食の時間、掃除の時間…チャンスはたくさんあります。
あなたが言葉を繰り返した瞬間、友達の目がパッと輝き、もっとうれしそうに話し始める姿を見ることができるはずです。
相手の言葉をそのまま鏡のように映して返す「おうむ返しの魔法」。
これをマスターすれば、あなたの周りから敵がいなくなり、みんながあなたのファンになっていきますよ! さあ、明日からあなたも、クラスの聞き上手ヒーローです!