自分の失敗談を明るく話す
学校で、テストでうっかり名前を書きわすれたり、給食の配膳中にスープをこぼしてしまったりしたことはありませんか? そんなとき、顔を真っ赤にしてだまってしまったり、「わざとじゃないもん!」と怒ったような顔をしてしまったりしていませんか。
実は、そんなときこそ「味方を増やす大チャンス」なんです。かっこいい姿を見せるだけが、友達をひきつける方法ではありません。あえて自分の失敗を「明るく」話すこと。これこそが、クラスのみんなが思わずあなたに話しかけたくなる「魔法」なのです。
「完璧な人」より「親しみやすい人」
いつもテストで100点をとって、かけっこも速くて、おこられることもない。そんな「完璧な人」は、たしかにすごいです。でも、となりにいると少しだけドキドキして、「自分なんて」と引け目を感じてしまうこともありますよね。
言葉のルールを研究する「語用論(ごようろん)」という学問では、人は「自分と似ているところがある人」や「弱みを見せてくれる人」に、強い安心感をおぼえるということが分かっています。これを「親近感の法則」と呼びましょう。
失敗をかくそうとすると、まわりの人は「この人は、まちがえることをこわがっているな」と感じて、少しきょりをおいてしまいます。でも、失敗を笑い話にできる人は「この人は自分の弱みをみせてもだいじょうぶな、心の広い人だ」と思われます。そうすると、みんなが「この人なら安心して話せる!」と、あなたのまわりに集まってくるようになるのです。
「失敗」を「おもしろい話」に変える3つのステップ
失敗を明るく話すといっても、ただ「失敗しちゃった、はずかしい」と落ち込むことではありません。まわりをクスッと笑わせるような、話し方のコツがあります。明日から使える3つのステップを紹介しますね。
- 1. 「じょうきょう」を正直に伝える
まずは「テストのとき、名前をかくのをわすれて、先生に『だれかな?』って聞かれちゃったんだ」と、何があったかをそのまま話します。 - 2. 「今の気持ち」を付けくわえる
「もう、心臓がバクバクしちゃって、はずかしくて消えたかったよ!」と、そのときどう思ったかを正直に言います。自分の気持ちをさらけ出すと、聞いている人は「わかる! その気持ち!」と共感してくれます。 - 3. 「最後は明るく」しめくくる
ここが一番大切です。「でも、先生が『これはだれの名探偵かな?』って笑ってくれたから、助かったよ」と、ポジティブな終わり方をしましょう。
こうして話すと、失敗したできごとが「笑えるエピソード」に変わります。あなたが自分の失敗を笑い飛ばすことで、聞いている友達も「自分も失敗してもだいじょうぶなんだ」と勇気をもらえるのです。
「失敗」は、みんなを助けるプレゼント
社会言語学という言葉の研究では、「自分の弱さをさらけ出すことは、相手への信頼のしるし」だと考えられています。「あなたになら、こんなはずかしいことも言えるよ」というメッセージが、相手の心に届くのです。
たとえば、係の仕事でミスをしてしまったとき。
「ごめん、計算まちがえちゃった! ぼくってば、どうしてこうもそそっかしいのかな。次は気をつけるから、もう一回チェックしてくれる?」
こう言えたら、怒る人なんていませんよね。むしろ、「いいよ、いっしょにやろう!」と、助けてくれる味方がすぐに現れるはずです。
失敗をかくすのは、自分を守るための「かべ」を作ることです。でも、失敗を明るく話すことは、自分とみんなのあいだにある「かべ」をこわして、心をつなぐ「橋」をかけることなのです。
明日、学校でやってみること
まずは、小さな失敗から練習してみましょう。
「あ、今日くつしたの色がちがう!」とか「教科書をわすれて、となりの子に見せてもらった!」といった、ちょっとしたドジを、仲のいい友達に話してみてください。
ポイントは、「はずかしいけど、おもしろいでしょう?」という顔で話すことです。あなたが笑えば、まわりのみんなも笑ってくれます。その笑顔が、あなたを「クラスでいちばん好かれる人」にしていく、最初の一歩になります。
失敗は、あなたをきずつけるものではなく、みんなと仲良くなるための「とっておきのネタ」です。明日の学校で、もし何か小さな失敗をしてしまったら、チャンスだと思って明るく話してみてください。きっと、今までよりもっとたくさんの人が、あなたのまわりに集まってきますよ。