相手の表情に合わせてあいさつを変える
「おはよう!」
クラスの入り口で、みんなに同じあいさつをしていませんか?
もちろん、元気なあいさつはとてもすてきです。でも、もし相手が少し元気がなかったり、テスト前でドキドキしていたりしたらどうでしょう。
実は、あいさつは「ただ声を出すこと」ではなく、「相手の心にそっと寄りそうこと」なのです。相手の表情という「心のサイン」を読みとって、あいさつのトーンを変えることができるようになると、あなたはクラスで一番の「空気が読める人気者」になれますよ。
「心の鏡」を合わせるテクニック
心理学には「ミラーリング」という言葉があります。これは、相手の動きや表情をまねることで、相手に「この人は自分と同じ気持ちなんだ」という安心感を与えるテクニックです。
あいさつにも、この「心の鏡」を使ってみましょう。
- 相手がニコニコしているとき:
あなたも思いっきり明るい声で、「おはよう! 今日もいい天気だね!」と返しましょう。相手のテンションに合わせることで、二人のあいだに楽しい空気が生まれます。 - 相手が少し疲れていそうなとき:
声のトーンを少しだけ落として、ゆっくりと「おはよう。昨日はよく眠れた?」と声をかけてみましょう。相手は「この人は自分の今の気持ちをわかってくれている」と感じて、ホッとするはずです。 - 相手が何かに集中しているとき:
大きな声でびっくりさせないように、少し控えめに「おはよう」と小さく手を挙げてみましょう。相手の邪魔をせずに、でも「あなたのことを見ていますよ」という合図を送ることができます。
このように、相手の表情に自分のあいさつを「合わせる」だけで、あなたは相手にとって「一番話しやすい人」になれるのです。
「あいさつの言葉」にも魔法をかけて
社会言語学という学問では、言葉には「関係をつくる力」があると考えられています。ただの「おはよう」という言葉に、相手の状態に合わせた「一言」をプラスするだけで、その魔法はもっと強くなります。
例えば、こんなふうに使い分けてみてください。
- 落ち込んでいる友達へ:
「おはよう。ちょっとだけ、顔色がわるいみたいだけど大丈夫?」
(心配していることが伝わると、相手は相談しやすくなります) - 係の仕事でいそがしそうな友達へ:
「おはよう! 準備、手伝おうか?」
(あいさつの中に「助けたい」という気持ちを混ぜることで、信頼関係がぐっと深まります) - 新しい文房具を使っている友達へ:
「おはよう! そのペン、かっこいいね!」
(相手が大切にしているものに気づくあいさつは、相手を最高の気分にさせます)
明日の学校で試したい「あいさつ実験」
さあ、明日からさっそく「あいさつ名人」になるための実験をしてみましょう。
やり方はとてもかんたんです。
ステップ1:教室に入る前に、まず「観察」する
教室に入ったら、すぐに声を出すのを1秒だけがまんして、まわりの友達の顔を見てみましょう。笑っていますか? それとも、少し静かですか?
ステップ2:相手の顔に「心の温度」を合わせる
相手の顔が明るければ、明るい声で。落ち着いていれば、やさしい声で。相手の心の温度に、自分の声を近づけてみてください。
ステップ3:相手の反応を確かめる
あなたが相手に合わせたあいさつをすると、相手の表情が少しだけやわらかくなるはずです。それが「好感度の魔法」がかかった証拠です!
もし、相手が返事をしてくれなくても、がっかりしないでくださいね。相手には相手の事情があるのかもしれません。それでも、あなたが「相手のことを見ているよ」というサインを出し続けることで、少しずつ相手の心は開いていきます。
あいさつは、あなたから相手に送る「一番小さなプレゼント」です。
相手の表情というプレゼントの包み紙を見て、中身にぴったりのあいさつを選んでみてください。
きっと明日の学校では、今までよりもたくさんの「ありがとう」や「笑顔」が、あなたのもとに返ってくるはずですよ。
さあ、明日の朝、教室のドアを開けるのが楽しみになってきましたね!