毎日一人でも多くの人に笑顔を向ける
朝、学校について靴箱でくつを履き替えているとき。となりの靴箱の友達と目が合ったら、君はどうしていますか?
「あ、おはよう」と口だけで言って、そのまま教室へ向かってしまう。あるいは、少し恥ずかしくて下を向いてしまう……そんなことはありませんか?
もし君が、「クラスの全員と仲良くなりたい」「みんなから『あの子と一緒にいると楽しいな』と思われたい」と願っているなら、今すぐに試してほしい超強力なルールがあります。それが、「毎日一人でも多くの人に笑顔を向ける」という習慣です。
「えっ、笑顔になるだけでいいの?」と思うかもしれません。でも、あなどってはいけません。笑顔には、君が思っているよりも何百倍もの「人を引き寄せる力」があるのです。
このルールを身につけると、クラスの友達はもちろん、あまり話したことがない人や、となりのクラスの子まで、みんな君のことが大好きになっていきます。今回は、なぜ笑顔がそんなにすごいのかという「秘密の科学」と、明日から学校で使える「具体的なテクニック」をたっぷり紹介します!
【秘密の科学】むかしの人類と数字が教えてくれる「笑顔のパワー」
笑顔が人を引き寄せるのには、ちゃんとした「理由」があります。ここでは、むかしの人間を研究する「文化人類学(ぶんかにんるいがく)」と、たくさんのデータを集めて調べる「統計学(とうけいがく)」という2つの学問から、その秘密をのぞいてみましょう。
① 文化人類学が明かす:笑顔は「味方だよ」という命のメッセージ
文化人類学とは、「大むかしから人間がどうやって仲間を作り、生きてきたか」を調べる学問です。
いまから何万年も前、人間はまだジャングルや草原で暮らしていました。そのころ、知らない人に会うのはとても命がけのことだったのです。「あの人は敵かな? それとも味方かな?」「襲いかかってくるかもしれない!」と、誰もがビクビクしていました。
そんなとき、人間が編み出した最高の合図が「笑顔」でした。
笑顔を作るとき、人間は口を開けて歯を見せます。実はこれ、「ボクは武器(武器としての歯)を使って君に噛みついたりしないよ」「手に武器も持っていないし、戦うつもりはないよ!」という安全宣言だったのです。
つまり、君がクラスの人に笑顔を向けるということは、相手の心の奥底にある大むかしからの本能に向かって、「安心してね、ボクは君の味方だよ!」とメッセージを送っているのと同じなのです。笑顔を向けられて嫌な気持ちになる人がいないのは、この本能があるからなんですね。
② 統計学が証明する:笑顔の回数が多い人ほど、助けてもらえる!
もうひとつ、統計学という「数字のデータ」を集める学問のお話です。
大人の研究者たちが、たくさんの学校や会社で「どんな人がまわりから愛され、困ったときに助けてもらえるか」を何千人ものデータを集めて調べました。すると、おどろくべき結果が出たのです。
特別なスポーツができる人や、いつもテストで満点を取る人よりも、「普段からいろいろな人に笑顔を向けている人」のほうが、まわりの人から「好き」「信頼できる」と思われる確率がズバ抜けて高いことが分かりました。
さらに、統計のデータによると、普段から笑顔を向けている人は、自分が困ったときに「どうしたの? 助けるよ!」と周りから声をかけてもらえる回数が、そうでない人の3倍以上もあったのです。
「笑顔」は、お金もかからないのに、自分にたくさんの味方を作ってくれる、最強の魔法のカードだと言えますね。
学校で試せる!「笑顔の魔法」3つのテクニック
「笑顔が大事なのは分かったけれど、急に笑顔になるなんて恥ずかしいよ……」
そう思う人も大丈夫! ここからは、明日から学校や家で「だれでも自然にできる」超具体的なテクニックを3つ紹介します。
テクニック① 朝の「0点3秒」ニコッとスマイル
笑顔を向ける最高のタイミングは、「朝、最初に会った瞬間」です。
朝、学校の靴箱や教室の入り口で友達と目が合ったとき、挨拶の言葉を言う直前の「0.3秒」だけ、口ぐせのようにニコッと微笑んでみてください。
【やってみよう! 具体例】
- 靴箱で:「おはよう!」と言う前に、まず相手の目を見てニコッ。それから「あさひ君、おはよう!」。
- 教室のドアで:日直のペアの子と目が合ったら、言葉より先に一瞬だけスマイル。
- お家で:朝起きてリビングに行ったら、お父さんやお母さんに「ニコッ」としてから「おはよう!」。
ポイントは、「言葉よりも先に笑顔を出す」ことです。たったこれだけで、相手は「あ、この人はボクに会えて嬉しいんだな」と心を開いてくれます。
テクニック② 係の仕事や手伝いは「目を合わせて、口角ちょい上げ」
学校では、授業中や係活動のときに、人と何かをやり取りする場面がたくさんありますよね。ここが「笑顔のポイント」を稼ぐチャンスです!
満面の笑み(大きな笑顔)を作る必要はありません。相手の目を一瞬見て、口の端(口角:こうかく)を少しだけキュッと上げるだけで十分です。
【学校でのチャンス場面】
- プリントを配るとき:前の席の子からプリントを受け取るとき、後ろの席の子に渡すとき、無言で渡さずに「ニコッ」として渡す。
- 給食の配膳(はいぜん)で:カレーやご飯をよそうとき、おぼんを受け取るときに、給食当番の子に「ニコッ」。
- 掃除(そうじ)の時間:ほうきや雑巾(ぞうきん)を貸し借りするときに「はいっ」と笑顔で渡す。
- 家でのお手伝い:ご飯のお皿を運ぶとき、お母さんやお父さんに「ニコッ」と笑いかける。
プリントを配る作業ひとつでも、無表情で渡されるのと、ニコッとしながら渡されるのでは、もらった人の気持ちがまるで違います。「この人と一緒に係をやると、なんだか気持ちいいな」と思わせたら、君の勝ちです!
テクニック③ 「あまり話したことがない人」への1人追加作戦
いつも仲良しの友達に笑顔を向けるのは簡単ですよね。でも、クラスで一番愛される子になるための秘密は、「あまり喋ったことがない人」にも笑顔を向けることです。
明日から、「1日1人、あまり話さない人に笑顔を届ける」というミッションに挑戦してみましょう。
【誰に笑顔を向ける?】
- いつも大人しくて、あまり自分から喋らない席の近くの子。
- 班替えで初めて同じ班になったばかりの子。
- 廊下ですれ違った、となりのクラスの知っている子。
自分から話しかけるのが苦手な子ほど、人から笑顔を向けられると「うわあ、嬉しいな!」と強く心に残ります。君が笑顔を届けることで、その子の学校生活がパッと明るくなるのです。
「うまく笑えない…」そんな君へ贈る、かんたんトレーニング
「どうしても顔がこわばっちゃう」「自然な笑顔が作れているか不安……」という人も安心してください。笑顔は、スポーツやダンスと同じで、練習すればするほど上手になる「技術」です!
おうちの鏡の前で、1分間でできるカンタンなトレーニングをしてみましょう。
鏡の前でやる「たこ焼きポーズ」トレーニング
【ステップ1】ほっぺたをほぐす
手で両方のほっぺたを優しく包んで、ぐるぐると10回マッサージします。緊張していると、顔の筋肉がカチコチになっているからです。
【ステップ2】「たこ焼き」を作る
口を「いー」の形にして、ほっぺたの肉をうえにキュッと持ち上げます。目線は鏡の中の自分と合わせます。ほっぺたの上に丸い「たこ焼き」ができるイメージです!
【ステップ3】目に優しさを足す
口元だけ笑って目が笑っていないと、少しこわく見えてしまいます。目をすこしだけ細くして、「まあるい目」を意識しましょう。
これを毎朝、顔を洗ったあとに鏡の前で5秒間やるだけで、学校に着くころにはビックリするくらい自然で素敵な笑顔が作れるようになりますよ!
明日からキミも「笑顔のプロ」!ワクワクする挑戦を始めよう
想像してみてください。
朝、君が「ニコッ」と笑顔で教室に入っていく様子を。
靴箱で会った友達が、君の笑顔につられてニコッと笑い返してくれる。
プリントを渡した隣の席の子が、嬉しそうに「ありがとう」と言ってくれる。
あまり喋ったことがなかった子も、君のやさしい笑顔を見て、「〇〇ちゃんって、すごく話しやすいな」と思ってくれる。
君が笑顔を放つ(はなつ)と、まるで池に投げた小石の水たまりの輪のように、笑顔がクラス中にどんどん広がっていくのです。
笑顔を向けるのに、特別な才能はいりません。必要なのは「今日、誰かを笑顔にしてみよう!」というほんの少しのワクワクした気持ちだけです。
さあ、明日の朝、学校の靴箱に着いたら……誰に最初の「ニコッ」をプレゼントしますか?
君の素敵な笑顔が、明日、クラスをもっともっと明るく変えていきますよ!