名前は、その人にとって一番大切な「プレゼント」
クラスで、友達のことをどう呼んでいますか?
「おい!」「お前!」「〇〇(呼び捨て)!」と呼んでいませんか?
もし、あなたが誰かから「おい!」と呼ばれたら、どんな気持ちになりますか?「なんだよ!」と、少しカッとしたり、悲しい気持ちになったりしませんか?
実は、名前の呼び方ひとつで、あなたのまわりに「味方」が増えるか、それとも「遠ざかってしまうか」が決まってしまうのです。これは、言葉の専門家たちが研究している「言葉の使い方」のルールでも証明されています。
今日から、たった一つの魔法を使いましょう。それは、「さん・くん」付けで呼ぶことです。これだけで、あなたはクラスで一番、みんなから信頼される人になれます。
なぜ「さん・くん」付けが魔法なのか?
言葉には、相手との距離をはかる「ものさし」のような力があります。これを専門用語で「語用論(ごようろん)」といいます。
簡単に言うと、「言葉は、相手との関係を作るための道具」ということです。
例えば、仲良しの友達を呼び捨てにすることは、一見「親しい」ように見えますよね。でも、呼び捨ては相手との間に「上下関係」を作ってしまうことがあるのです。「自分の方が上だぞ」という無意識のメッセージが、相手に伝わってしまうことがあります。
一方で、「さん・くん」をつけることは、相手を「自分と同じくらい大切で、尊敬している」というサインになります。
「さん・くん」付けが起こす3つの奇跡
「さん・くん」付けを意識すると、あなたの学校生活にはこんな良いことが起こります。
- 相手が「自分を大切にしてくれている」と感じる
人は誰でも、自分の名前を丁寧に呼ばれると、「この人は自分を認めてくれているんだ」と安心します。安心できる相手には、もっと話したくなりますよね。 - ケンカが減る
カッとなったとき、相手を呼び捨てにすると、言葉が攻撃的になります。「〇〇くん、それはやめてほしいな」と名前を呼ぶだけで、不思議と怒りが落ち着き、冷静に話せるようになります。 - 苦手な人とも仲良くなれる
ちょっと苦手だな、と思う子はいませんか?その子にこそ、あえて「さん・くん」をつけてみてください。丁寧な言葉は、心のバリアを溶かす力があります。
明日からできる「呼び方の練習」
「急に『くん』付けなんて、ちょっと恥ずかしいな」と思うかもしれませんね。大丈夫です。無理に全部変える必要はありません。まずは、こんなふうに少しずつ始めてみましょう。
1. 「ありがとう」のときに添える
係の仕事を手伝ってもらったとき、消しゴムを拾ってもらったとき。
「ありがとー!」と言う代わりに、「〇〇さん、ありがとう!」と名前を呼んでみてください。これだけで、感謝の気持ちが何倍にも伝わります。
2. 相談するときに名前を呼ぶ
「ねえねえ、これどうやるの?」と聞く前に、「〇〇くん、ちょっと教えてくれる?」と一言添えてみてください。名前を呼ばれた相手は、「頼られているんだ!」と嬉しくなり、快く教えてくれるはずです。
3. 先生や他の学年の子にも使う
これは、クラスの中だけではありません。他の学年の子や、先生に対しても同じです。相手が誰であっても「さん・くん」をつけて呼ぶ人は、まわりから「育ちがいい」「しっかりしている」という良い評判をもらえます。これが、あなたの「味方」を大きく増やすことにつながります。
言葉は、あなた自身の「鏡」です
言葉の専門家たちは、社会言語学という研究の中で「人は、自分が使っている言葉通りの人間に成長していく」と言っています。
つまり、乱暴な言葉を使っていると、心も少しずつ乱暴になってしまいます。逆に、丁寧な言葉を使っていると、心も穏やかで、優しく、知的な人になっていくのです。
「さん・くん」付けをすることは、相手を大切にするだけでなく、あなた自身を「素敵な人」に育てていくことでもあります。
今日から「名前の呼び方」を変えてみよう
さあ、明日の朝、教室に入ったら試してみてください。
「おはよう、〇〇さん!」
「〇〇くん、それ貸してくれてありがとう!」
たったこれだけで、クラスの空気が変わります。あなたが相手の名前を丁寧に呼ぶとき、相手もまた、あなたの名前を丁寧に呼んでくれるようになります。
名前は、その人にとって一番大切な「プレゼント」です。そのプレゼントを、毎日、みんなに贈ってあげてください。そうすれば、あなたはいつの間にか、クラスの誰もが味方したくなる、一番の人気者になっているはずです。
さあ、明日はどんな素敵な名前を呼んでみますか?