意見が分かれたら多数決で決める
クラスの係活動や、休み時間の遊び。みんなで何かを決めるとき、意見がぶつかって「どうしよう……」と困ったことはありませんか?
そんなとき、つい「じゃあ、僕の言う通りにしてよ!」と押し通したり、逆に何も言えなくなって黙り込んでしまったりしていませんか。実は、みんなをまとめるリーダーにとって、一番大切なのは「自分の意見を通すこと」ではなく、「みんなが納得できるルールを作ること」なのです。
意見が分かれたとき、最強の武器になるのが「多数決」です。でも、ただ手を挙げるだけの多数決ではありません。みんなが「これならいいよ!」と納得できる、魔法のような多数決のやり方をお教えします。
なぜ「多数決」が一番いいのか?
社会の仕組みを研究する「組織社会学」という学問では、集団がバラバラにならずに動くためのルールが研究されています。そこで分かっているのは、「みんなで決めたことには、責任が生まれる」という事実です。
もし、リーダーが勝手に決めたことなら、うまくいかなかったときに「リーダーのせいだ!」と文句が出ますよね。でも、みんなで話し合って、最後は多数決で決めたことなら、たとえ自分の意見が通らなくても「みんなで決めたことだから、やってみよう」という気持ちになれるのです。これを「納得感のルール」と呼びます。
多数決を成功させる「3つのステップ」
ただ手を挙げるだけの多数決は、負けた人が悲しくなってしまうことがあります。そうならないために、次のステップを試してみてください。
- ステップ1:まずは「いいところ」を出し合う
多数決をとる前に、出た意見の「いいところ」をみんなで発表します。「Aくんの案は楽しいね」「Bさんの案は、準備が楽でいいね」と認め合うだけで、場の空気がやわらかくなります。 - ステップ2:理由をはっきりさせる
「なぜその案がいいのか」を短く説明します。理由を聞くことで、みんなは「なるほど、そういう考えもあるのか」と相手の気持ちを知ることができます。 - ステップ3:最後は「決める」ことに集中する
理由を出し尽くしたら、パッと手を挙げます。ここで大切なのは、「決まったら、みんなで協力する」という約束を先にしておくことです。
「負けた人」の気持ちを大切にする魔法
行動経済学という学問では、人は「自分の意見が無視された」と感じると、やる気をなくしてしまうことが分かっています。これを防ぐために、リーダーはこんな一言を付け加えてみてください。
「意見が分かれたけど、みんなで話し合えてよかったね。多数決で決まった案を、負けたほうの案のいいところを取り入れて、もっと良くしていこう!」
こう言えば、負けた人も「自分の考えも大切にされている」と感じて、次の活動もワクワクしながら参加できます。多数決は、誰かを負かすための道具ではなく、「みんなの力を一つにまとめるためのスタートライン」なのです。
明日からできる!「多数決リーダー」の練習
明日、学校でこんな場面があったら、ぜひやってみてください。
- 図書係で、掲示板の飾りの色を決めるとき
「青がいい!」「赤がいい!」と割れたら、「じゃあ、みんなの意見を大切にするために多数決をとろう。でも、勝ったほうの色に、負けたほうの色の折り紙を少し混ぜるのはどうかな?」と提案してみる。 - 休み時間のドッジボールで、チーム分けをするとき
「〇〇くんと一緒がいい!」と揉めたら、「不公平にならないように多数決でチーム分けのルールを決めよう。決まったら、みんなで楽しく遊ぶのがルールだよ!」と声をかける。
リーダーとは、みんなを支配する人ではありません。「みんなが一番輝ける場所を作る人」のことです。多数決を上手に使うことは、クラスのみんなを笑顔にするための、とても知的でかっこいいスキルなのです。
さあ、明日のクラスで、勇気を出して「みんなで話し合って、多数決で決めよう!」と言ってみてください。きっと、あなたの周りにたくさんの友達が集まってくるはずですよ。